「鳩羽つぐです。西荻窪に住んでます。」
「終わりー」
概要
キャラクターデザインは、神撃のバハムートなどのイラストを務めるLM7氏。
亜麻色の髪、眠たげな目つきはどこか儚げな雰囲気を纏っており、学校の制服にも見えるシックな服装と帽子は上品さを感じさせる。特に泣きぼくろと八重歯はチャームポイント。
最初の動画が投稿されたのは2018年2月28日。同時にTwitterアカウントも取得。
ピアノで『愛の挨拶』が流れる中、身体を可愛らしく揺するあどけない少女。およそ25秒の間を置き、小さな口が紡ぐ簡単な自己紹介。やや舌足らずな喋り方は、彼女の幼さを如実に物語っていた。礼儀正しくお辞儀をする。徐々にカメラが引き、周囲が映った。撮影用の白い背景布が垂れ、何らかの機材が積み置かれた無機質な部屋。彼女はそこに居たのだ。終わりを告げながら彼女は紅葉のような手を振る。ピアノの音も機械で流していたらしい…。わずか1分の動画である。
薄幸の幼女という今までのバーチャルYouTuberに居そうで居なかったデザインと、どことなく動画内に漂う退廃的な雰囲気が味方してか、一本目の動画を出した時点で新人としては破格の人気を獲得し、他の人気バーチャルYouTuberに追随する形で活躍を見せるかと思われたが…?
そして2作品目・3作目
2作目・3作目の動画はまさかの「Twitter限定での公開」。バーチャルYouTuberとは何ぞや。
鳩羽つぐがなんと言っているのかTwitterや掲示板のスレッド等で憶測が飛び交っているが、真相は不明。
むしろこの声がほとんど聞き取れないということが鳩羽つぐを鳩羽つぐたらしめているのかもしれない。
4作目
予想外の展開に一時はどうなることかと思われたが、今度は普通にYouTubeに投稿された。
Twitterには「宿題で撮りました」という文章が添えられている。
その内容は、パジャマ姿でカメラをセットしてから「窓の外を覗く・歯を磨く・朝食を食べる・歯を磨く」という何の変哲もない日常。
発した言葉も、最後の「終わりです」の一言のみ。これまた1分17秒と短い。
やはりというか、動画の意図はまるで見えてこない。咀嚼音や納豆をかき混ぜる様子は可愛いと言わざるを得ない。
……だが、「鏡を撮っているはずなのに泣きぼくろの位置が反転していない」「明らかにつぐのものではない『ガサッ』という物音が聞こえる場面がある」と、奇妙な要素も見受けられると専らの評判。
単なるトリックなのか、はたまた「ただならぬ何か」が存在するのか、疑問の声は尽きない……。
5作目
4月15日に投稿された5作目。タイトルは「買い物」。
最初はつぐは袋を持って、観賞魚屋の前に立っている。しばらくすると「この子にしました」と一言。彼女がここで買った魚のことを言っているのだろう。
その後、場面はつぐの家に変わる。ここからカメラの位置は動かない(1分10秒あたりで、何かの衝撃で倒れてはいるが)ため、具体的に何をしているかは不明である。
時々水の音や、石(ビー玉?)の音が聞こえるが、買った魚のために水槽を準備しているのだろうか。
最後はつぐ本人がカメラを止めて、動画を終わらせている。今回は「終わりです」とは言っていない。
相変わらず、脆くて壊れそうな、どこか仄暗い雰囲気を放っている動画である。
今回のつぐの左耳たぶをよく見ると、何故か絆創膏が貼ってある。いつ怪我をしたのだろうか…。
耳についてはアトピー持ち説(アトピー性皮膚炎の人は耳たぶの皮膚が勝手に切れてしまうことが多い)や血液検査の跡説(貧血検査では耳たぶから採血を行う)などの他、コメ欄では「やはり誘拐・虐待された女の子なのではないか」という考察から、「ぷにぷにするだけじゃ我慢できなかったので俺が噛んだ」といったHENTAIなものまで、様々な解釈やコメントが飛び交っている。
一方で、自己紹介以外の動画でも形を変えて『愛の挨拶』(作曲∶エドワード・エルガー)が登場することもあり、これは彼女にとって大切な曲なのではという声も。
反響
その触れれば簡単に壊れてしまいそうな儚げな佇まいや、無垢な鳩羽つぐ本人と西荻窪の喧騒から少しだけ離れた暗い場所でいつも一人で動画を撮っているという不穏さのギャップからか、「何らかの事件に遭って消息を絶った少女の記録映像」「既に死んでいるはずの子供が動画をあげている」「新手のSCPによる認識災害」などといった穏やかではない解釈も少なくない。
他にも「多動症の女の子」「ストックホルム症候群」などファンの間で様々なイメージが広がっている。
動画時間の短さ、数の少なさから彼女に関する情報は断片的であるため、こうした複数の解釈が生まれ反響を呼んでいるようである。
情報をほとんど提示しないというスタイルが逆にファンの想像を掻き立て、そうして拡散された都市伝説的な考察が新たな話題を生み出すという、これまでになく展開を見せている。
これまでの「華やかな容姿から繰り出されるカオスな芸」という従来のバーチャルYouTuberの定番に真っ向から逆らうような何処か後ろめたい雰囲気も、その手のものが堪らない人にとってはまさに沼のような要素となっている。
結果として、様々な解釈や考察が繰り広げられる様相は既存のバーチャルYouTuberにはない独自の盛り上がりを見せており、活動開始から間も無いにもかかわらずTwitter上には数多くのファンアートが投稿され、独特の魅力で着実にファンの数を増やし、その心を掴んで離さない。
また西荻窪に住んでいるという実在するかのような雰囲気のためか、荻窪の写真や実在の景観を背景に鳩羽つぐを描いたイラストも多く見られる。
ちなみに動画のキャプションでは「※鳩羽つぐはバーチャルYoutuberです 実在の人物や団体、地名などとは関係ありません」と実在を否定してはいる。
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鳩羽つぐ (YouTubeチャンネル)