概要
アルトリーベ1作目において、2年目の空賊イベントで登場。
紺色の長髪で、スレンダーな体型の少女。実家は準男爵家。
元はオフリー家令嬢の取り巻きであり、ゲームでは彼女の命令で主人公であるリビアを騙して罠に嵌める役目。
悪役令嬢のアンジェ同様に早々に物語の表舞台から退場する役割だったと思われるが、彼女もまた転生者達の介入による影響を大きく受ける事になる。
経歴
この世界ではリビアの伝手でリオンに接触する形で登場する。
主人であるオフリー家令嬢は、決闘騒ぎや学園祭でリオンとアンジェに煮え湯を飲まされた事を恨み、リビアを巻き込んで罠に嵌めて彼を謀殺しようとカーラを差し向けていた。
リオンがロストアイテムの所持者であることは周知の事実だったが、オフリー家令嬢は問題ないと高を括っており、カーラも同様だった。しかし、ゲーム知識でカーラがオフリー家の差し金であることは勿論、空賊と共犯であることを知っていたリオンによって逆に罠に嵌められた上、侮っていたロストアイテムの圧倒的な力で当てにしていた空賊達は呆気なく討伐されてしまう。
実家であるウェイン家の屋敷に到着後、ブラッド達から当主である父親の耳に討伐依頼の話を持ちかけた事が明らかにされてしまう。狼狽したカーラは、依頼を持ちかけたリビアがリオンに相談したせいで事態が大きくなってしまったと事実を捻じ曲げ、全ての責任をリビアに擦り付けて逃れようとした。
だが、その目論見すらもルクシオンの監視でバレており、リオンからは男爵の立場で戦力を動員した手前、今さら「間違いでした」では済まされない事態である事を突きつけられ、焦った父親からも事実を明かすように問い詰められる。ダメ押しのように空賊が口を割ったという会話誘導によって観念し、泣きながら悪事を自白する。
その後、悪事の証拠を掴まれたオフリー家とその一派は一掃される事になり、主人だった令嬢も全てを失って追放された。幸いウェイン家は免れるも、カーラ自身は助命の代償として家から捨てられて学園では見せしめにされる罰を受ける。
孤独に憔悴した日々を過ごしていたところを聖女の地位を得たばかりのマリエに声をかけられ、友人、もとい取り巻きになる。
マリエの真意は敵対するリオンへの嫌がらせと周囲に自分を良く見せる為だけのつもりだったのだが、後のファンオース公国との戦争でメッキが剥がれてしまった際、彼女やユリウス達に罵詈雑言を浴びせてしまう。しかし、それでもカーラはマリエから離れようとは思わず、カイルや5馬鹿と共に傷ついたマリエを支え、戦争を乗り越えた。
その後は一緒にリオンの保護下に置かれ、アルゼル共和国へ赴く事になる。
人物
ゲームでは「悪役の手下」というポジションだが、上述から解る通り根は普通の少女。
真面目なだけだった悪役令嬢アンジェとは違い、オフリー家令嬢が本当に悪人だった事もあってリオンは遠慮無くその一派を潰したが、カーラは加害者であると同時に圧力に屈した被害者だった。
当初はカーラも例に漏れず、ホルファート王国の貴族らしく平民を見下す負の部分もあるにはあったが、そんな彼女でさえ主人であるオフリー家令嬢の歪みきった人間性には辟易しており、事件後には逆らえない事情もあったとは言え、悪事に荷担した事を後悔している。マリエの取り巻きとなって以降は改心し、病気の犬の看病をするなど優しい一面を見せる様になった。
人間関係
実家がオフリー家の寄り子であったため、寄り親である伯爵家の令嬢の取り巻きをしてはいたが、カーラには主人に対する忠誠心など微塵も持っておらず、内心では醜悪な彼女を嫌悪していた。リオン達に罠を仕掛けたのも下手に逆らって酷い仕打ちを受けたくない、要するに次のイジメのターゲットになりたくない一心からで、目論見の失敗で実家から見捨てられた際には、元凶の元主人に対して恨みを抱いている様子が見られた。
そして、誰にもそう言った事情を理解されず、独りでいた所を救ってくれたマリエには心から感謝しており、偽聖女騒ぎや公国との戦争を経てマリエとの間には強い信頼関係を築く。
リオンやその婚約者であるリビアとアンジェに対しては、上述の一件の後ろめたさもあって味方側となって以降もギクシャクした関係となっており、顔を合せる度に微妙な空気となるのがほとんど。共和国編に入ってからは徐々に信頼関係を築いている様だが、リオンを敵にしてしまったピエールを見て「死ぬわアイツ」とも言える会話をしており、空賊の一件以降リオンを敵に回したらどうなるかが身に沁みている事が窺える。
5馬鹿による苦労も多いが、それでも以前の奴隷と大差ない環境に比べれば、人として幸せな日々を過ごしている。