概要
再放送によって放映当時よりも爆発的な人気を博したルパン三世PART1。それを受けてファンの要望に答える形で5年後より製作・放送開始。
放送に辺り、前作がやはり放映当時は失敗としかいいようのない成績を叩き出したことから、放送局から多くの要望が出され、レギュラー声優の一部変更もこの一部に入っている。
前作では回によっては登場しないキャラが居たが、本作では現在においてルパンファミリー+銭形として知られる5人を主軸とすることを打ち出しており、本作の影響でルパンのレギュラーメンバーは完全に定着したと言っていい。
前作の「続編と思って作るな」という命令もあったが、本作の第1話は前作第1話と関係のあるエピソードであった。
こうした施策の多くは子供向けとしての意向が強く、作風も前作後半のコミカルな内容になっていった。ルパンは前作よりもヒロイックになり、ルパン役の山田康雄はこの変化を快く思わなかったようである。
とはいえ子供向けということはそれだけ万人受けするマイルドな作品ということであり、快活に見ることが出来る活劇として非常に高い人気を得た。このため総話数は155話に登り、次点はPART3の全50話、それ以外は1クールか2クール(全12話~24話)と考えると異例の長寿番組である。
これは前作とのブランクの間に人々の意識が時代によって変化したからと言える。前作は「アニメルパンは大人向けを目指したが、アニメは子供が見るものという一般認識の壁は崩せなかった」……ということが失敗の原因の一つとなった。
しかし本作の前後で意識にやや変化。宇宙戦艦ヤマトのヒットでアニメブームが起き、大人にも(おおっぴらではないが)アニメを見るという選択肢が自然と生まれた。皮肉にも大人向けを狙って失敗したルパンは、子供向けを狙ったことで幅広い視聴層を得ることになったのである。
人気を受けて『ルパンVS複製人間』と『カリオストロの城』が劇場製作されている。今ではあまり意識されていないが、この二作はPART2放送中に公開された作品であるため、言わばPART2の劇場版である。
『ルパン三世のテーマ』が初めて使われたのも本シリーズで、このシリーズだけで4バージョンが誕生している。
本作品の成功はルパン三世のアニメに大きな影響を残しており、特にTVスペシャルの多くは本作のノリの影響下にある物と言っていい部分が多い。つまり良く言えば明朗快気で見やすい作品だが、裏を返せばあくまで子供向け・ファミリー向けの作品特有の毒気の薄さは否めない。