概要
『大正処女御伽話』(タイシャウヲトメおとぎばなし)は、桐丘さなによる日本の漫画作品。
『ジャンプSQ.19』Vol.18に読み切りとして掲載された後、『ジャンプSQ』2015年8月号から2017年10月号まで連載。単行本は全5巻。
また、2018年8月から2020年5月にかけて、Webコミック誌『少年ジャンプ+』にて、本作の数年後を舞台とした作品『昭和オトメ御伽話』を発表している。
版元・運営元は全て集英社である。
なお、メイン画像は、作者である桐丘によるものである。
あらすじ
※少年ジャンプ+公式サイト内作品サイトから転載
時は大正——。事故がもとで母と右手の自由、父の期待を失い田舎に養生という名目で家を追われた青年・珠彦。世の中の全てに嫌気がさし、引き籠もりの厭世家(ペシミスト)となり果てていた珠彦のもとに、夕月という少女がやってきた。彼女は父が珠彦の世話をさせるため買ってきた嫁であった。
登場人物
明治三十八年九月一日生マレ。身ノ長五尺九寸(177センチメートルくらい、志磨家の者は男女を問わず高身長)。事故で母・右手の自由・父の期待を失う。17歳(第1話時点)。
実家から半ば追い出される形で千葉の田舎にある別荘でひっそりと暮らしていたが、夕月との同棲生活の中で少しずつ生きる希望を取り戻していく。夕月の優しさや明るさに触れれば触れるほど己の存在価値について深く思い悩むが、いつしか彼女に心惹かれていき、本当の妻として側にいてほしいと思うようになる。
明治四十一年十二月三十一日生マレ。四尺七寸(141センチメートルくらい)。珠彦の嫁(世話係)として志磨家に1万円(読み切り版、本誌第1話では20万円)で買われた少女。14歳(第1話時点)。
志摩家の人間
明治四十四年二月一日生マレ。五尺五寸(165センチメートルくらい)。女学校に通う珠彦の「血の繋がった」妹(次女)。12歳(第7話時点)ながら高身長で、夕月よりも遥かに大人びた美貌を持つ。久しぶりに再会した珠彦だけでなく、初対面の夕月にも悪態をつきまくる悪女だが、その裏で長兄と長姉から受ける扱いに寂しさを感じていた。
駅から珠彦の住む家(志磨家の別荘)まで何十里も荷物持ちに運ばせ、一人5円(10万くらい)ずつ払った世間知らず。
とある出来事がきっかけで夕月を「ユヅ姉様」と慕うようになり、珠彦に対しては以前よりもいわゆるツンデレ寄りな態度を見せている。
夕月の看病を行った後、一念発起し医者になることを目指し、神戸の叔父の元へ向かう。
志磨珠義(しま たまよし)
志磨家の当主、珠彦の父。七人兄弟の長男。独特のくずし字を使う。
志磨珠樹(しま たまき)
志磨家の長男、珠彦の兄。震災で重傷を負い、療養中だったが間もなく死亡。葬式の後、帰りの電車に揺られていた珠彦の夢に現れる。
志磨珠代(しま たまよ)
志磨家の長女、珠彦の二歳上で腹違いの姉。1話の珠彦の回想では非情で気が強い性格だったが、22話では上品でおっとりとしながらも被災した街や負傷の身内でさえも嘲笑う冷血な性格となっている。6歳の珠子に芋虫の“活け造り”をさせ、恐怖で失禁した様を見て楽しんだりと、狂気的な一面もある。
志磨珠央(しま たまお)
志磨家の三男、珠彦の弟。
曲直部珠介(まなべ たますけ)
珠義の弟、珠彦の叔父。七人兄弟の末弟。39歳。神戸在住の外科医(入り婿)。珠子の留学先。
その他の人物
明治三十八年七月十七日生マレ。村はずれに住み、酒浸りの父親を見て育った。第11話で登場し、「人喰い志磨家」に身売りされた夕月が幸せそうに暮らす姿を見て二人の間を裂こうと画策する。18歳(第10話時点)。3人の弟を母親代わりに面倒をみている。得意料理は太巻き。
その後、二人との関係が良好となると、夕月不在のあいだ珠彦の生活を支える。
渥美綾太郎(あつみ りょうたろう)
綾のすぐ下の弟。尋常小学校卒業後、東京の大店へ奉公に出ることになり村から離れる。出発にあたって珠彦を「先生」と呼び慕う。算数が苦手。
美鳥(みどり)
夕月の女学校時代の親友であり、珠彦と住むようになってからも文通を続けている。第15話で登場し、当時は東京在住。夕月のもとに妊娠したので結婚して九州に行くとの手紙が届き、会える内に会っておこうと夕月が東京へ向かうきっかけとなる。
明治三十八年七月七日生マレ。今をときめく19歳の歌手。ギターの弾き語りが老若男女問わず人気があり、夕月や珠子も大ファン。震災後、被災した村を回って即興ライブをしたことが新聞に載り、世間に疎い珠彦も存在を知る。
ことりの双子の兄。五尺七寸弱(170センチメートルくらい)。眼鏡をかけた陽気な青年で、珠彦と同じ学校に転校してくる。
テレビアニメ
2020年12月20日にテレビアニメの構想があることが明らかにされた。
2021年秋アニメとして、テレビ東京、テレビ大阪、AT-XおよびBS11にて放送予定。
スタッフ
原作 | 『大正処女御伽話』桐丘さな(集英社 ジャンプコミックス刊) |
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監督 | 羽鳥潤 |
構成・脚本 | 福田裕子 |
キャラクターデザイン | 渡辺まゆみ |
美術監督 | 松本浩樹 |
色彩設計 | 瀬戸治子 |
撮影監督 | 坪内弘樹 |
編集 | 村井秀明 |
音響監督 | 郷文裕貴 |
音響効果 | 山田香織 |
音響制作 | ビットグルーヴプロモーション |
音楽制作 | ポニーキャニオン |
音楽 | 高梨康治 |
制作 | SynergySP |