ハーレムエンド
はーれむえんど
概要
特徴としては『一人の人間に対して複数の人間が好意を寄せている』、『好意を寄せているだけでなく行動で示している』、『好意を寄せている側は一途』、『好意を寄せている側は恋敵を認識しているが、それで極端な修羅場になったりしない』等の状態のまま結末を迎えること。好意を寄せられる側の特徴は、誰にでも優しくしてしまう優柔不断なヘタレか、もしくは完全に開き直っているかのどちらかが多い。
「○○エンド」という言葉の本来の意味は、「エンディングが複数ある作品」における「複数あるうちの1つの結末」である(稀に、エンディングが1つしかない作品においても、エンディングが複数あるゲームに例えられる形で「○○エンド」と表現されることもあるが)。
従って、ハーレムエンドと呼ばれる展開は基本的には、恋愛ゲーム(いわゆるギャルゲー・乙ゲー)、アダルトゲーム(エロゲ)で起こるものである。
言葉本来の意味(ハーレム)通りなら男性一人に対して女性複数であり、実際そういうパターンが多いが、男女逆の場合や中には全員同性という場合もある。
漫画やアニメにおいても、複数の相手から好意を寄せられるという展開は特別珍しくも無い。しかし、大抵の場合は結末までに一人に決めるか、始めから本命がいるため『ハーレムエンド』というのは意外に少ない。
これは好意を寄せられる側にはある種夢のような話である。が、あえて現実的な話をするなら、当然現代日本では、倫理的(不貞)にも法律的(重婚など)にも許されない(ただし、法律的には結婚さえしなければ複数の異性と関係を持つことに一応制限はない)。
ただし、アニメ化した際に、原作漫画がまだ連載中で結末をつけられなかったり、マルチエンディングゲーム原作で主人公をどのヒロインとくっつけるか判断が難しかったりすると、原作には無いハーレムエンドを作ってお茶を濁すというケースもある。
非R-18の作品では例外的に梶島正樹作品は、ほぼ一夫多妻・重婚等を想起させるハーレムエンド以外のエンディングは描かれない。
R-18作品ではエロ漫画や官能小説などでハーレムエンド的な物は多数描かれたが、エロゲーの世界でトラビュランスブランドが全員攻略後のおまけではあるが、全員とアレコレするハーレム作品を発表したのがブレイクスルーとされる。
複数の相手との恋愛関係維持 ≠ ハーレムエンド
ゲーム作品においては、恋愛要素自体があくまでおまけで本筋に一切関係がなく、正統なエンディングのはずだが裏では複数の女性と恋愛関係になりそれを維持したままという例も実はそこそこある。
だがこうした例の場合、複数いる恋愛対象はお互いを認知していないままであることが多く、「ハーレム」を形成できていないため、これはハーレムエンドとは呼べないであろう。
ハーレムエンドの反応の考察
上述のような、原作有りアニメで何とかケリをつけるために挿入されたハーレムエンドや、恋愛要素自体がおまけの作品における「複数の相手との恋愛関係維持」エンドの場合、それが非難されることは少ない。
前者においては「原作できちんとケリがつけばそれでよい」と割り切る視聴者が多く、後者では「あくまでおまけ要素なのにそこまで目くじらを立てることもない」と考えるプレイヤーが多いためである。
が、恋愛を主体にした作品でハーレムエンドにした場合は話が別で、概して叩かれやすい。その理由の大部分はやはり投げっぱなしエンドであるというのが一因であろう。
今まで誰に決めるかと読者や視聴者を期待させながら伏線も無しにハーレムの結末に持っていくのは、バトル漫画でどんな方法で倒すか分からないラスボスが主人公に倒されないまま、死亡するようなもので作者の「投げっぱなし」という印象がどうしても強いせいである。
またハーレム自体もハッピーエンドとは言い難い。
上記の倫理的な問題に加え、収入、家事、育児など多くの問題を抱えている。もちろん。これは結婚エンドで終わるラブコメにも言えることだがハーレムエンドだとヒロインの数だけ問題が増える。現に一夫多妻の国では離婚率も高い。当然「何処にでも居そうな平凡な主人公」にその諸問題を解決出来るとは思われないだろう。
…尤もエロゲーとかのハーレムエンドは大概「主人公の方が養われている立場(要はヒモ)」なので問題が無かったりする事も多いが。