タレント(ドラえもん)
たれんとどらえもん
概要
かつて、アニメ『ドラえもん』で放送されたと言われる謎の回。
作画が滅茶苦茶な上に、ストーリーも意味不明、そもそも公式記録上に放送されたという証拠はなく、それにも関わらず多数の目撃者がいる。そして具体的な放送日時も知られているという不気味なエピソード。
作品自体の知名度も高い為、アニメ関連の都市伝説としては特に有名なものと言える。
-それらを踏まえた上でスクロールしていただきたい-
ストーリーと説明
「地下世界の商店街に行きたい」
その回はドラえもんが、雨の日の校庭で傘を差しているのび太から「地下世界の商店街に行きたい」という旨の頼み事をされるところから始まる。
のび太の頼み事を聞き入れたドラえもんは、例のごとく四次元ポケットからひみつ道具を取り出す。
出てきたのは通常よりも大きな「通り抜けフープ」のようなひみつ道具。しかしその名前が紹介されることはなかった。
謎の女の子
フープの中へ飛び込んだ後、ドラえもんとのび太はしばしば降下し、やっと地面に着く。
たどり着いた先は明らかに人工的な部屋、場所は地底のはず。さらにライトらしきものが見当たらないのに、その空間は明るく照らされている。
その部屋にはベレー帽を被った女の子がいた、その女の子はどちらかといえば、かわいく描かれていない。
彼女はドラえもんとのび太に封筒、インク瓶、えんぴつを渡してくる。2人がそれらを受け取ると、彼女はなんと壁の中に消えていた。
案内人
壁に消えた女の子を追って、ドラえもんとのび太も壁に飛び込む。
見事、壁を通り抜けることができたが、あの女の子はもうそこにはいなかった。
代わりにそこにいたのは、警察官のような格好をしたおじさんと、白と黄色の縞模様の学ランのような服を着ている青年。青年はなぜか泣いている。
彼らはドラえもんとのび太を見ると「君たちは撮影か?撮影ならアチラだ」と言って、床の板が木琴のように並べられている通路を案内してくれる。
割れた地球
その通路の先には大きな地球のミニチュアがある。
ほどなくそれはパックリと割れ、中から黒い血液のような液体が流れていた。
その様子をみたドラえもんとのび太はびっくりし、恐怖で抱き合う。
話はここで終わりになる
ちなみにネットでは「終始無音だった」とされる事が多いが、その一方で「地下世界の商店街」等妙に具体的な台詞が判明していたり、「ドラえもんやのび太の声が違っていた」という報告があったりと音声の有無についてはあまり一貫しているとは言い難い。
放送日時
このようなアニメの失われた回、幻の回はその放送日時が明らかになっていないものが多い。
しかし、「タレント」に関しては、1984年7月20日(金曜日)19時に放送されたという、妙に具体的な日時が明らかになっている。ちなみに日付と曜日に食い違いはなく、当時『ドラえもん』の放送日時は金曜19時だったので矛盾はしていない。
しかし公式記録上では、1984年7月20日(金曜日)に放送されたエピソードは「のび太の童話旅行」と「四次元ポケットのスペア」とされている。
複数の回が混在していた?
有力な説として、「複数の回が混在していたのではないか」という物がある。
何らかの理由で映像が乱れていたために、本来はバラバラの映像があたかも一続きのエピソードに見えてしまった、という物だ。
一例を挙げると、
・タイトル→「夢の町 ノビタランド」(1979年放送)
・冒頭→「地底の国探検」(1998年放送)
・ラスト→「地球製造法」(1984年放送)と「風船が届けた手紙」(1994年放送)
以上の回にそれぞれよく似たシーンが存在する事が指摘されている。
更にそこから発展して、「タレントとは複数の放送事故の記憶が混ざった物ではないか」とする説もある。
作画がおかしかったという点はキャラクターデザインが定まっていなかった最初期(1979年~1981年)とそれ以降の作画が混在していた為と考えられるし、音声についての情報が一貫していないのも、音が入っていた回と終始無音だった回が別に存在したとすれば一応説明はつく。
また、「夢の町 ノビタランド」作中には、ひみつ道具(ガリバートンネル)を使って縮小化する描写(演出が不気味で、地下へ行くようにも見える)、ポラロイドインスタントミニチュア製造カメラで商店街などを「撮影」する描写がある。更に「風船が届けた手紙」のラストシーンは、目撃談とそっくりなうえに不気味かつ唐突(家の扉を開けると外が真っ赤に輝いており、恐怖して抱き合ったドラえもんとのび太を映したまま画面がホワイトアウトする)な結末だった為、これらのシーンが目撃談の元になっている可能性もある。
ただし上記の回の放送年は最も古い「夢の町 ノビタランド」が1979年なのに対し、最も新しい「地底の国探検」は1998年と20年近い開きがあり、普通に考えれば簡単に記憶の混在が起きるとは考えにくい。
「別のアニメの記憶が混ざった物」という説も存在する。
・パーマン特番「コピーワールドの謎」(1984年10月1日放送)
・キテレツ大百科第44話「ウルトラ迷路でウロウロどっきり!?」(1989年3月26日放送)
・21エモン第31話「目玉と口が散歩する?エモン・ゼロ次元の恐怖!」(1992年1月30日放送)
いずれも異次元世界へ行くシリーズ屈指のトラウマ回であり、原作者も共通している。
ただし上記1作はタレント放映時から数ヶ月、下記2作は数年程離れており、こちらも記憶の混在が起きるとは考えにくい。
他にも、「ビデオテープによるもの」という説もある。
これには2説あり、TVアニメ版『ドラえもん』も、世間にDVDが普及するより前からレンタルビデオ店でビデオをレンタルできたのだが、当時のレンタルビデオのテープが前に借りた人のイタズラか何かでごっちゃに重ね録りされており、滅茶苦茶になったものをそうと気づかず観た人が「タレント」という回と誤認して語ったという説。
もう1説として、ドラえもんの各話を録画しておいてそこから編集して作成し、オープニングやコマーシャルなどは1984年当時のものをそのまま使用して、普段どおり放送を見ているつもりが実は改変されたビデオだった…という家族などによるイタズラという説である。
タレントは崩し字で「死ね」
その回の作画が不安定だったことから、タイトルの作画も歪んでいて正確なタイトルを把握できなかったのではないかという説もある。
この説によると「タレント」はある2文字が崩れたものである。
その2文字とは、『死ネ』
[pixivimage:60795713_p0_master1200]
常識的に考えてこんなタイトルを採用する可能性はまずないが、本当に存在していたとすれば、放送されたこと自体が異常な回だと言えるだろう。
↑これがタレント(仮)の再現動画