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マクワウリの編集履歴

2021-07-23 00:05:36 バージョン

マクワウリ

まくわうり

マクワウリとは、ウリ科キュウリ属の蔓性植物。 メロンや漬け物でよく知られるシロウリとは近縁種にあたる。

概要

ウリ科キュウリ属の蔓性植物で、学名はCucumis melo var.Makino。

果物として有名なメロン(C,melo)や漬け物でよく知られるシロウリ(C,melo var.conomon)とは近縁種にあたる。

現在まで原種の特定はなされていないが、おそらく中近東辺りと考えられ、東洋に伝わりできたのがシロウリやマクワウリ、西洋に伝わりできたのがメロンとする学説が有力視されている。

原種として推定されているものに雑草メロンと呼ばれるものがあり、うずらの卵から鶏卵ほどの大きさで色も様々である。しかし、果実は猛烈な苦味を持ち、熟しても甘くはならない。

歴史

日本への渡来時はおよそ弥生時代ごろと言われ、当時の遺跡から炭化した種子と果実が発見されている。名の由来は美濃国真桑村(現岐阜県本巣市)が一大産地であったことから。当時から水菓子として食されており、有名な例では奈良時代の歌人・山上憶良が「子らを思ふ歌」にマクワウリを詠んだ例がある。織田信長が朝廷にマクワウリを献上したことも当時の史料に残っている。

江戸時代には特に人気があり、当時はスイカやキュウリよりも好まれていた。

こうして、戦後までマクワウリは庶民の果物として好まれていたが、昭和三十年代の終わりの頃マクワウリとヨーロッパ系メロンの交配種であるプリンスメロンが世に出てからはマクワウリはほぼ顧みられなくなった。

現在は地元の農家の方々が農協に出荷しているくらいだが、地産地消のブームもあり再注目されている。

品種

地方ごとに色や形が様々な品種がある。

黄マクワ

果皮が鮮やかな黄色をしており、果肉は白。

愛知県の金俵まくわうりや奈良県の黄金まくわうりがこのタイプ。

銀マクワ

果皮が黒みがかった黄緑色で、果肉は鮮やかな黄緑色。

新潟県の甘露マクワウリ、滋賀県のなり駒、東京都の本田ウリがこのタイプ。

真渡瓜

福島県会津地方で明治時代から栽培されていた品種。銀マクワの系統とされる。果皮は鮮やかな緑色をしている。果実は甘味はさっぱりとしていて美味しいが柔らかくなりすぎやすいので一時栽培が途絶えた。

菊メロン

果実が上から見るとキクの花のように見える珍しいマクワウリ。カボチャのようにたて溝が走り果皮も果肉も純白である。色は違うが岩手県の南部金マクワ(黄マクワ)や滋賀県のなりくらマクワ(銀マクワ)は形がよく似ている。

虎御前

滋賀県で栽培されてきた品種。果皮はペールグリーンで不規則な黒っぽい緑色の縦じま模様が入る。熟した果実を果物として食し、未熟果を漬け物に加工して食用にする。

バナナマクワ

果実が細長く成長する品種。メロン類には珍しいねっとりとした食感がある。果皮は黄色。

銀泉マクワ

黄色地に白いたて溝が入る富山県の伝統品種。韓国にも同形の「チャメ」という果物が栽培されている。

コヒメウリ

新潟県で古くから栽培され、お盆のお供えや子供のおもちゃとして利用されてきた。

未熟果を漬け物とし、完熟果を果物として食す。

ナシウリ

梨のようなしゃきしゃきした食感が特徴。果皮も果肉も純白である。果実は芳香が強くあまり大きくはならない。若い果実を漬け物にして食べることもある。

シマウリ

マクワウリの中でも大きい部類で、黄色地にスイカのように緑色の縞模様が入る。果実は甘い香りが強いにもかかわらず果肉には果汁が含まれず甘味がなく、粉っぽいためこれを食べたお婆さんが喉をつまらせむせることからババゴロシという物騒な地方名もある。現在は八丈島と福江島に見られる。コンデンスミルクや蜂蜜、砂糖など甘味の強いものと食す。

網干メロン

兵庫県網干で栽培されているマクワウリ。マクワウリと西洋メロンの交配種が栽培されていくに伴い固定化したものであるとされる。

果肉はきれいな黄緑色で、マクワウリの中では甘味が強い。

タイガーメロン

果実は俵型で、黄色地にスイカのように緑色の縞模様が入る。シマウリとよく外観が似ているが関連性は不明。

さっぱりとした味が特徴で、果肉は黄緑色。

ニューメロン

ころんとした球形が特徴のマクワウリ。戦前に育成され、マクワウリの中でも栽培が容易。果皮は白っぽい緑色だが熟すと黄色みが出てくる。果肉は黄緑色もしくは白色。甘味は比較的強いもののベタベタの甘さではなくさっぱりとしたほどよい甘さ。家庭菜園で人気の一種で固定種であるため美味しかった果実の種をとっておいて来年の春に栽培できる(ここで紹介したマクワウリはすべて固定種で翌年栽培しても形質に変化が見られにくい)。

利用法

果実を割って種を取り出し、そのまま生食する。一番甘味が強いの中心の部分であるから、切り分けるのには多少の注意を要する。しっかり熟して食すとスイカよりも甘くなるという。完全に熟すと蔕の回りを囲むようにヒビが入る。

また、未熟な果実は漬け物や炒め物等、シロウリのように食べる。

他にも、丸くくりぬいてコンポートにしてもよい。

また、未熟な果実や蔕を瓜蔕(かてい)として漢方薬に利用し、催吐剤に用いる。

備考

家庭菜園についての書籍では、メロンの栽培法に準じて記載されることが多い。現在では通販やホームセンターでマクワウリの種や苗を購入することができる。

関連項目

野菜 果物 メロン 甜瓜


まくわうりデカ マクワ 甜瓜(鬼灯の冷徹)

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