海狼
うみおおかみもしくはかいろう
海に棲む狼のような怪、もしくはその名を冠した組織や兵器。
曖昧さ回避
岡山の海狼
備中国哲多郡釜村(現:岡山県新見市)に現われて、この村に飼われていた二頭の牛に襲いかかって、バラバラに引き裂き食い荒らしたという化物。
その姿は青黒い毛色の子牛ほどもある狼のような獣で、鋭い牙が生えた口は耳まで裂けており、脚には水掻きがあって身体は岩のように硬かったという。
近隣の村人総出で山狩りを行い、最後は追い詰めて退治したと伝わる。
名が似たものとして島根県江津市渡津町には、牛狼(ウシオオカミ)という名の怪異が伝わっている。
あるとき一人の漁師が浜で木を拾い集めて持って帰ると、その中で大きなものがいきなり礼を言ってきた。
漁師は驚いて手にした刃物で切りつけると、木に化けていた牛狼が正体を現したのだという。
この怪異は牛鬼の一種であるとされる。