概要
世界は現代よりもはるかに進んだ技術で作られた動物型の機械が闊歩しており、一方で人類は弓矢で狩猟をする時代に逆行している。
プレイヤーはノラ族の女戦士アーロイとなって、機械を狩りながら、自身の出生の秘密や、この世界の真実に迫る。
開発はゲリラゲームズが担当し、完成までには6年を要している。販売はソニー・インタラクティブエンタテインメント(旧SCEI)。
PlayStation 4 Proにも対応しており、4K画質でプレイ可能である。
高画質を最大限生かした雄大な景色の最中を機械が蠢く本作特有の光景は、それだけでも一見の価値あり。
アーロイが所持するフォーカスは機械をスキャンし、弱点部位や属性を暴き出すだけでなく行動ルートまで予測可能な分析装置となっており、フォーカスによる情報収集に隠密行動、多彩な武器、罠を駆使すれば、大型の機械を一方的にハメ殺すことも可能となる。
ただし裏を返せば適切な武器で弱点部位を狙わなければ大きなダメージを与えられることはできないという面もあり、さらにアーロイの防御力は最大限強化しても安心できる水準には程遠く、準備を怠ると簡単に死亡する極端なゲームバランスをしている。高難易度ほどこの傾向は強くなるため、簡単に脳筋、無双プレイができるわけではない。
次回作「Horizon Forbidden West」がPS5およびPS4のソフトとして2021年に発売が予定されている。
登場人物
- 主要人物
今作の主人公。自身の出自を知らず、ロストという男性に育てられる。ノラという部族の一員だが、幼少期から異端者として差別を受けて生きてきた。部族の掟などの決まり事には無頓着で、他人に対しても割とぶっきらぼうだが、基本的には優しい性格である。
謎の集団「エクリプス」に襲われて養父・ロストを殺されてしまう。それを切っ掛けに自身の出自を探る旅に出る。
サイレンス (声:堀内賢雄)
アーロイにフォーカスを通して接触してくる謎の人物。バヌーク族の男性。
自身の知識欲、好奇心に基づいてのみ行動し、その過程でのアーロイの感情などには全く頓着しない合理主義者。ただ結果として起こったことが悪い方に転がったことには、多少なりとも罪悪感はある模様。
世界の真実を探るためにアーロイに指示を出す。アーロイも結果的に自身の出自を知ることになるため、この指示に従っている。
- ノラ族
草原を中心に暮らしている部族。山を母と見立てた山岳信仰がある。そのためか母親を重要視し、母親が存在しないアーロイを「母無し子」として差別的に扱う。他部族と比べて女性が重要な地位についているが、男性が軽んじられているわけではない。
ロスト (声:立木文彦)
アーロイの養父であり、狩りの師匠。ノラ族の一員だが、彼自身も異端者である。彼が異端者となった経緯については、物語終盤あたりでティルサに聞くことができる。
エクリプスからアーロイを護って命を落とす。
ティルサ (声:沢田敏子)
ノラ族の大長老の一人。他のノラ族がアーロイを差別的に扱う一方で、彼女は対等に接する。それ以外にも、大長老しか入れない領域へ入る許可をくれたり、アーロイを「天命の使者」という特別な地位を与えて旅に出られるよう便宜を図ったりと何かと手を尽くしてくれる。
彼女以外にもランスラ、ジェザという2人の大長老がおり、ランスラは批判的、ジェザは中立の立場をとる。
- カージャ族
森の中に石造りの巨大な都市を持つ部族。太陽を信仰しており、その国をサン王国、首都をメリディアンという。現在領地内にいる者たちを指して「サン・カージャ」と呼ぶ。信仰対象の太陽を男性としているため、男尊女卑の傾向がある。なお祖先はノラ族らしい。
アヴァード (声:阪口周平)
カージャ族の王。前代の王である父・ジランが太陽神を自称し、横暴の限りを尽くしていたため、彼を殺害して王位に就いた。かつて父が他部族に対しても迫害や侵略を行っていたため、他部族との信頼関係を取り戻そうと努力している。
- オセラム族
鍛冶、工芸を得意とする部族。本拠地はクレイムという町だが、劇中では登場しないためどのような暮らしをしているかは不明。しかし自立心の強い女性にとってはあまり居心地がよくない模様。
エレンド (声:宮内敦士)
アヴァードに仕える精鋭部隊「ヴァンガード」の男性。ノラ族へカージャ族の特使として来ていたことからアーロイと知り合う。任務を終えてメリディアンに戻ると隊長であり姉であるエルサが死んでいたため、ヴァンガードの隊長に就任した。
旅に出たアーロイがメリディアンに到着した際は、通行許可を出し、エルサ殺害の実行犯を見つけて欲しいと頼む。このクエストをクリアしていると、最終決戦で駆けつけてくれる。
- シャドウ・カージャ
かつてジランに従っていた臣下や兵士、その家族たちの部族。現在はカージャ族の領土を追い出され、それよりも北の荒野で暮らしている。アヴァードの異母弟・イターメンをカージャ族の真の王であり、太陽神であるとしている。一応敵ではあるが、一般の民と会話することは可能。領土へも自由に出入りできる。
ヘリス (声:星野貴紀)
シャドウ・カージャの戦士で、エクリプスの首領。狂信者。ロストを殺害した張本人。
ジランに仕えていた時からその凶暴性は顕著で、何人も殺害して「サンの死神」と恐れられている。自身の戦闘能力の高さを神の加護、作戦失敗などを神の試練と捉えるなど、悪い意味でポジティブな男。
バハヴァス (声:あべそういち)
シャドウ・カージャの大司祭。イターメンが幼いことをいいことに政治を掌握している。特定のサブクエストをクリアすると死亡する。
イターメン (声:武田華)
シャドウ・カージャの王子。まだ年端もいかない子供であるため、政治をバハヴァスに乗っ取られている。ストーリーの途中で母親と共にメリディアンへ亡命する。
- バヌーク族
雪原、雪山を中心に生活している部族。完全な実力主義、個人主義で協力すると感謝されるどころか罵られることがほとんど。血縁もあまり重要視されておらず、「ウェラック」と呼ばれる集団単位で生活している。宗教はシャーマニズムで、シャーマンは青いケーブルを皮膚に縫い込んだ独特の姿をしており、その効果なのか酷寒の地でも半裸で過ごしている。メインストーリーではほとんど登場せず、DLC「The Frozen Wilds(日本語版:凍てついた大地)」で彼らの生活圏へ行ける。
オーリア (声:渡辺明乃)
DLCで登場するシャーマンの女性。かつてジランによって捕らえられていたが、後に逃げ出し、放浪の末にシアンと出会う。
アラターク (声:楠大典)
DLCで登場。ウェラックの族長であり、オーリアの兄。勇猛な戦士だが排他的。メインストーリーをクリアする前にDLCをクリアすると、最終決戦に駆けつけてくれる。
- その他
ハデス (声:麦人)
エクリプスが信仰する謎の存在。フォーカスを通じてアーロイの殺害命令を出す。
エリザベト・ソベック (声:高垣彩陽)
フォーカス内の情報で写真が表示された謎の女性。容姿はアーロイに瓜二つで、世界変革のきっかけとなった「プロジェクト・ゼロドーン」の立案者。
テッド・ファロ (声:桐本拓哉)
世界をこのような状況にした元凶。ただし本人が悪意をもってやった事ではなく、気付いた時には最早手遅れだったらしい。
ガイア (声:高乃麗)
エリザベトが中心となって開発したAI。現在は機能停止している。
シアン
DLCで登場。放浪していたオーリアを助けた謎の存在。オーリアの隠れ家で会うことができる。電子音声で話すが、感情があるように聞こえる。現在はヘファイストスによって支配され、自由を奪われている。
ヘファイストス
DLCで登場。シアンを支配している謎の存在。デーモンとも呼ばれる。
用語
- 機械
21世紀よりはるかに進んだ科学技術で作られた動物型のロボット。
基本的に友好的ではなく、人間を見かけると逃げ出すか襲い掛かるかの二択。人間の命を奪う最大の脅威であると同時に、その死骸から様々な物資を入手できる恵みでもあり、防具、武具、建材などに使われ人類の生活を支えている。
元より危険な存在ではあったが、ある時期を境に殺傷に特化した新種が多数出現し危険度が増しているらしい。また、有機生命体(人間以外の動植物も含む)をバイオエネルギーとして摂取し、更に自己を複製する機能がある。
本作においてもっとも遭遇する敵キャラであり、アーロイの資金源、素材源、そして経験値源でもある。
更に一部の機械から武装を剥ぎ取ってアーロイが使用することも可能。
- フォーカス
耳に装着して使用する古代の小型AR端末。
かなりの量のデータを保存しており、機械の行動パターンや弱点を解説し、弱点部位をハイライトしてくれる優れもの。あらゆる地形を透かして機械や動物、人間を発見することができる。
他にも地図機能やフィールド上の採取素材を指示する機能もあり、人間の残した痕跡を追尾することでちょっとした事件捜査も可能。
その分析能力は千里眼と称されるほどで、本作のゲーム性を支える最重要アイテム。古の時代では大量にあったらしい。
- オーバーライド
機械をハッキングして使役する機能。
最終的には大型種のものも含め大半の機械がオーバーライド可能となる。
ほとんどの機械は自動で索敵し発見次第戦闘を仕掛ける。共に戦うもよし囮にして逃げるもよし。大型機械同士が対決する様は端から眺めているだけでも見物である。
三種類だけ騎乗可能な機械がいる。
余談
準備を整え大型の敵を狩るゲームスタイルはモンスターハンターシリーズに重ねられることも多いが、本作はMHWとも実際にコラボした。DLCも同じく凍土が舞台となったアイスボーンでカバーされている。