概要
オランダの呼称の一種。オランダ語ではNederlandと綴り、正確には「ネーデルラント」と発音される。英語読みの「ザ・ネザーランズ(the Netherlands)」あるいはこれが転訛した「ネザーランド」の呼称が用いられる事もある。
「ネーデル(neder)」はオランダ語で「(標高が)低い」という意味で、「ネーデルラント」全体では「低地」を意味する、文字通りライン川河口域の低地を国土とするオランダにとってはまさに名が体を表した呼称と言える。ただし元々が一般名詞に由来する名称のため、歴史的にはオランダに限らず同じく低地に国土を有するベネルクス三国全体の総称として用いられた事もある。
なお、日本語での国名である「オランダ」は同国北部のホラント地方に由来する。ホラント地方はオランダの三大都市アムステルダム・ハーグ・ロッテルダムを擁するまさにオランダの中枢的存在の地域であり、歴史的にもスペインからの独立の中心的役割を果たした地域であることから、俗にオランダを指して「ホラント」と呼ぶことも多かった(日本語の「オランダ」もポルトガル語でのホラント地方の呼称 Holanda に由来している)。
2020年、オランダ政府は自国を指しての「ホラント」という呼称を廃止、諸外国に対しても「ホラント」ではなく「ネーデルラント」系あるいは「低地」を意味する語を用いた呼称を用いるよう要請している(ただし日本など例外もある)。