パイオニアLDC(現:NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン)がAICと組んで企画した一連の複数作OVAシリーズである「PAC」の一作。シリーズ上の同期作に天地無用!シリーズなどがある。
企画原案そして監督は北爪宏幸。
月刊少年キャプテン(徳間書店)で漫画版が連載された。作画者は『楽勝!ハイパードール』『大正野球娘。』で知られる伊藤伸平。
徳間アニメージュ文庫より小説版(ライトノベル)も出された。執筆者は『メイド刑事』でおなじみ早見裕司。
近未来を舞台にしたSFバトルヒロインもの。ゆかな(野上ゆかな)の初期抜擢作として知られる。
実は
発売当初、広報ネタにかなり力が入れられていた作品。
と、簡単に例に挙げるだけでも多くのネタに彩られていた。
それは、実はもともと本作がPACレーベルの旗艦作品として位置付けられていたため。
ところがフタを開けてみると、PACレーベルとしての人気は『天地無用!』に一極集中し、結果として本作は北爪(あるいはメディアミックスに関わった各作家、もしくはゆかな)の濃いファンやジャンルのマニアのみが知る佳作に落ち着いてしまった。両作に関わったプロデューサーは後にまさしく「どうしてこうなった」と嘆いたとか、嘆かなかったとか。
漫画版
上述のように、伊藤伸平の手によって漫画版が連載された。
作者が作者(伊藤は知る人ぞ知る、めっちゃ濃い「特ヲタ+ミリヲタ」)であるため、普通の人には絶対に理解不可能なネタ振りが凄まじい作品となっている。なんせ「お茶請けはエダマメ」クラスのネタがポコポコ出てくる。
連載元である『少年キャプテン』では原作OVAにおいて叩き出した、自虐がネタになるほどの商業成績がウソであったかのように、大好評を博した。なんといっても同時期に連載されていた『強殖装甲ガイバー』(高屋良樹)と雑誌の人気を二分したというエピソードがあり、これを自らネタにしていたのである。
結局、連載はOVA側のメディア展開終了により、あえなく最終回を迎えたが、物語はオリジナル展開とはいえ見事な大団円を迎えている。(一方で最後の最後でライバルが逃げるなど「続編狙い」の終わり方にもなっている)
そして『モルダイバー』終了後も、その人気の高さから後継連載は同傾向となる『楽勝!ハイパードール』となった。(つまり、それだけ『少年キャプテン』での『モルダイバー』の看板ぶりがスゴかったのである)