高校生家族
こうこうせいかぞく
ストーリー
これが、新しい家族のカタチ。
季節は春……。晴れて高校1年生となった少年・光太郎。
さわやかな青春の気配に期待を膨らませていた彼の高校生活が、家族によってぶち壊される...!?
『磯部磯兵衛物語~浮世はつらいよ~』の仲間りょう新連載!!
家族ギャグ×学園ギャグの、今までありそうでなかった新ジャンルの笑いをご堪能あれ!!
作風
ギャグマンガとして
前作の磯部磯兵衛が時代劇を元ネタにしたシュールギャグだったのに対して、今作は学園ドラマとホームドラマをベースにシュールギャグを展開している。
前作が歴史上の偉人や、江戸時代そのものに対してトンでも設定やぶっ飛んだキャラ付けを行った、主にノリと勢いのあるギャグに重点を置いた作風であったことに対して、今作はシュールコントのような現代にありそうでなさそうな、でもやっぱりちょっとありそうな設定を基に、人間関係や一人一人のキャラクターを掘り下げたストーリーと言った、ストーリーテリングに重点を置いた作風になっている。
青春漫画として
ギャグマンガとしてもシュールなストーリーテリングから高いクオリティを誇る本作だが、話数を追うごとに意外なほど青春漫画としても評価されている。
特に家族全員がそれぞれ別の部活に入部してからというもの、それぞれのキャラクターの部活に対するスタンスの違いからギャグやストーリーにも大きな幅が生まれており、家族それぞれが各々の青春を送っている。その様を指して、ギャグマンガの体で複数の部活もののいいとこどりをしている漫画とも言われる。
また、Twitterではハイキューの後継者だの、アオのハコのライバルだの、20年代ジャンプの貴重なスポーツ枠だの言われてもいる。
ちなみに、各々が所属している部活と、その際のストーリー内容は以下の通り。
- バレー部所属:父・家谷一郎。「努力で才能を開花させる王道熱血スポコン」
- 男子テニス部所属:長男・家谷光太郎。「恋と本気の部活に揺れる学園青春もの」
- 将棋部所属:長女・家谷春香。「才能で弱者を薙ぎ払う修羅の道を行く将棋もの」
- 水泳部および野球部マネージャー:家谷静香。のぶかつ
評価
実は、連載開始当初はそこまで評価の高い始まりではなかった。
というのも、ジャンプでは往々にしてあることだが、本作が連載開始されたのと同時期に破壊神マグちゃんと僕とロボコの二大ギャグマンガが連載を開始しており、いわゆる新連載の潰し合いの中で本作は連載が開始された。
その中で、マグちゃんとロボ子の両作品ともがジャンプのギャグ枠の看板漫画とも言えるほどに人気を博し、次世代のジャンプを担う作品として注目されるようになった。
更に、同時期には、島袋光年、篠原健太、松井優征と言ったかつて少年ジャンプで連載を経験し、かつ複数のヒット作品を生み出した経験のある伝説とも言える漫画家たちが連載を開始していた。
そんな中でも本作は、良くはないが、悪くはないといった評価に留まった。
しかしそんな中、家族や仲間との人間関係に重きを置いたシュールだがどこか共感しやすいストーリーと、父である家谷一郎の、真面目で有能だがどこかズレたキャラクター。
そして家族全員の、青春を楽しむために全力を尽くす作風が徐々に受けていき、マグちゃん、ロボコと並ぶ三大ギャグマンガとして人気を博すようになった。
キャラクター
家谷一家
家谷光太郎(いえたに こうたろう)
家谷家の長男にして本作の主人公。15歳。高校生活初日に突然父・母・妹・ペットの猫が一緒の高校に通う事になってしまい、唖然としていた。
家谷一郎(いえたに いちろう)
家谷家の父親。中卒であった為に高校に行けなかった事をずっと後悔していて、会社を辞め息子と同じ高校に通う決意をした(しかも、受験当日は光太郎の後ろの席にて試験を受けていた)。
家谷春香(いえたに はるか)
家谷家の長女で光太郎の妹。本来小学3年生でありながら飛び級で兄と同じ高校に通う事となった(兄の受験当日、父の後ろの席にて試験を受けていたが、本来日本に飛び級システムは存在しない)。
夢は学校の文化祭で焼きそばを作る事。
家谷静香(いえたに しずか)
家谷家の母親。年齢は40代。夫同様中卒であった為に息子と同じ高校を受験し、高校に通う。
ゴメス
家谷家の飼い猫。猫なのになぜか高校に通う事になった。
一年三組
部活以外で主な舞台となる場所。
西 進
家谷一家の同級生。特に一郎と光太郎と仲が良く、学校だけでなく私生活でもよく遊んでいる。
目出高バレー部
父の一郎が所属する部活。
それなりに強いことで有名。
須崎 透流(すざき とおる)
バレー部の一年にしてエース。一郎のライバル。
バレーの才能だけでなくイケメンとしても有名で、バレー部のマネージャーから密かに好意を寄せられている。
目出高男子テニス部
息子の光太郎が所属する部活。
基本的に勝利よりも楽しさを重視する気風だが、それ故に試合に対してもあまりやる気がなく、一時は廃部寸前まで追い詰められた。
そんな中、一郎と光太郎の予期せぬ活躍により廃部を免れ、光太郎はテニス部に入部し、その後一郎はバレー部に入部する。
部活や学級以外での目出鯛高校の関係者
花沢 誠(はなざわ まこと)
上級生。怖い顔をしているが根はいい人。愛という名の妹がいる(しかも兄同様に顔が怖い)。
春香からは「運び屋さん」と呼ばれている(過去に肩車したことがある為)。
余談
ちなみに学業において、高校は義務教育に入っていない為、通える年齢に制限は無く成人しても通う者もいる。当然飛び級は日本には存在しない。