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サスペリアの編集履歴

2021-11-11 21:13:42 バージョン

サスペリア

さすぺりあ

『サスペリア』(原題:Suspiria)とは、1977年にダリオ・アルジェント監督が製作したイタリアのホラー映画。あるいは同映画のタイトルからとられた秋田書店のホラー・ミステリー系専門の月刊漫画雑誌。

概要

監督ダリオ・アルジェントと当時のアルジェントの内縁の妻で俳優のダリア・ニコロディが脚本を担当したイタリアンホラー映画

イタリアンホラーによくある「物語よりも登場人物がいかにむごたらしく死んでいくか」が売りで、本作以降日本に多くのイタリアンホラーが輸入されるようになった。

本作はまだストーリーがある方だが、見る人を選ぶ内容ではある。原色を多用した鮮やかな闇の描写、一種の閉鎖空間であるバレエ学校という舞台装置、プログレッシブ・バンド「ゴブリン」が手掛けるメインテーマを始めとした名曲の数々は、一躍アルジェントの名を世に知らしめた。

公開年の国内映画興行収入で12億円を達成、洋画部門第5位にランクインしている。

日本では「決して、一人では見ないでください」のキャッチコピーが有名になった。


物語

ニューヨークからドイツ・フライブルクにあるバレエの名門校に入学するためにやってきたバレリーナ志望の少女、スージー・バニオン。


豪雨の中、タクシーを捕まえて学校に到着したスージーだったが、玄関で一人の少女が「秘密が、扉の影に、アイリスが3本、青を回して」と叫び、入れ違いに飛び出していく。気を取り直してスージーはベルを鳴らすが、インターフォン越しに応対に出た女は「聞いていない、帰りなさい」の一点張り。やむを得ず待たせてあったタクシーに乗り、一夜の宿を探す羽目に。


スージーが見た少女パットは、憔悴した様子で友人のソニアが暮らすアパートに転がり込んだ。ひどく怯え、明日にでも町を出て二度と戻らないと語る彼女をソニアはなだめ、ひとまずバスルームに通す。

激しい雨が降りしきる窓の外を不安げに伺うパットだったが、不意に窓を割った異形の腕に捕まえられる。ナイフで何度も心臓を刺され、首を吊られ、アパートの天窓から突き落とされるパット。助けを求めて逃げ出したソニアも、降って来た天窓の枠とガラスによって無惨な死を遂げた。


翌日、改めて学校を訪れたスージーを、教師のタナーと副校長のブランシュが出迎える。出張で不在の校長に代わり、行き違いを謝罪するブランシュをよそに、刑事たちが殺人事件の調査の為に学校を訪れ、物々しい雰囲気となっていた。

刑事達の会話を聞いたスージーは、正直に昨夜パットが出て行った事を話す。あれこれあって下宿も決まり、その日からレッスンが始まるが、やがでスージーの周りでは不可解な出来事が起こり始める……


余談

冒頭、雨の中スージーがタクシーに乗るシーンで幽霊が映っていると話題になったが、実際にはアルジェントが自身の顔を映した演出である(あまり作品的に功を奏した様には見えないが)。

この事は後にアルジェント自身がインタビューでばらしたにもかかわらず、未だにTVの怪奇特番では本作のアルジェントの顔が心霊映像と称して紹介されている。


リメイク版

2018年に『君の名前で僕を呼んで』のルカ・グァダニーノが監督・製作に携わって再構築。音楽はトム・ヨーク。

ダコタ・ジョンソンがスージーを演じ、オリジナル版でスージー役だったジェシカ・ハーパーもある役で出演している。

舞踊団の教師マダム・ブランをティルダ・スウィントンが演じる一方、リメイク版オリジナルの精神科医クレンペラーはティルダが「ルッツ・エバースドルフ」なる初老の男優に扮した上で演じている。全身に渡る特殊メイクを施し、この作品の為にわざわざプロフィールを作っている力の入れようである。

ちなみにティルダは終盤に姿を見せる「魔女」ヘレナ・マルコスも演じているが、こちらでも特殊メイクによってとんでもない変身ぶりを披露している。


舞台は米ソ冷戦真っ只中の1977年の西ベルリンに、バレエ学校は伝統ある現代舞踊団に変更。スージー達が踊るダンスはバレエからモダンダンスに、登場人物が惨殺される手口は呪術要素の濃い描写となった。

物語の主軸も、スージーよりもクレンペラーに比重が置かれている。


現在ではアルジェントの著作権が切れたこともあってか、リメイク版製作の際グァダニーノが断りの一つもなく製作した上にオリジナル版を酷評したため、アルジェントはリメイク版には辛辣である。

とは言えトム・ヨークのエモーショルな音楽、野性的・前衛的なモダンダンス、舞踊に合わせて肉体を破壊される描写、オリジナル版とは違う真相とエンディングは見どころの一つかも知れない。


関連作品

サスペリアPART2/紅い深淵:PART2とあるが、実際には本作の方が先に作られた。配給側がサスペリア人気に便乗してPART2なんて邦題にしたせいである。

他にもイタリアのホラー・サスペンス映画で「サスぺリア~」と付いたタイトルの映画があるが、全部配給会社が勝手につけたものですべて本作とは無関係。


インフェルノ:こちらはれっきとした続編。本作はシリーズ3部作の第2作目という位置づけで製作されたが、諸事情で最終作サスペリア・テルザが作られたのは本作より20数年後になった。


外部リンク

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