ハッブル宇宙望遠鏡(Hubble Space Telescope)は、1990年にスペースシャトル・ディスカバリーにより地上600kmに打ち上げられた宇宙望遠鏡。打ち上げ以来、長年にわたって宇宙の画像を送り続けている。
名称は、宇宙の膨張を発見した天文学者エドウィン・ハッブルにちなむ。世界で初めて、目で見える光の波長(可視光)での観測ができる宇宙望遠鏡で、宇宙望遠鏡の中でも最も成功を収めたものと言われる。宇宙望遠鏡は大気や天候による影響を受けないため、地上からでは困難な高い精度での天体観測ができ、ハッブルの観測結果をもとに今まで1万本以上の論文が書かれたという。
打ち上げ以来30年が経過する現在も、数度のサービスミッションによりその機能を保ち続けている。
後継機
老朽化が進むハッブルに代わる、新たな宇宙望遠鏡として、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(James Webb Space Telescope)がある。当望遠鏡とは違い、可視光は検出出来ない(主に赤外線で観測を行う)が、より精度の高い観測が出来ると期待されている。
また、地球近傍のわずかな塵や、太陽や地球から放たれる電磁波を避ける為、月の軌道の外側にある、ラグランジュ点(L2)と言う地点に置かれる。それ故に当望遠鏡の様な打ち上げ後の修理は不可能となっている。
開発自体は1990年代より始まっており、当初は2010年頃(資料により数年の差がある)に打ち上げの予定であったが、技術的・資金的な問題から延期。2016年に望遠鏡自体は完成したが、動作確認に数年を要し、試験中にネジの緩みが発覚し延期、その後ようやく打ち上げといった所に新型コロナウイルスの影響により更に延期、打ち上げロケットへの搭載時のトラブルによりまたまた延期、打ち上げ地点(仏領ギアナ)の悪天候の為にまた更に延期された。最終的には2021年12月25日に打ち上げられた。