以下、『takt op.Destiny』アニメ11話以降のネタバレが含まれています。未見の人は注意。
CV:三石琴乃
解説
オッフェンバック作曲のオペレッタ『地獄のオルフェ』を宿したムジカート。
2人のムジカート・天国と地獄が合体(融合)することで誕生した。ザーガンの回想では地獄のオルフェは出ておらず、天国と地獄の二人であった事から、この融合が天国と地獄の切り札のような技であったのかも知れない。
武器は白黒2台の巨大なハープ。銃撃を繰り出せる他、腐を繰り出しての妨害・拘束も可能。
桁違いの攻撃力のみならず再生能力も有しており、隙をついて高火力のダメージを与えない限り再生までのタイムラグを利用することは不可能。また、上半身を吹き飛ばされても復活できる圧倒的な生命力・回復力を有している。
当初はハープで朝雛タクトと運命を追い詰めるも、運命との契約で身体能力が底上げされていたタクトが蹴りを入れた隙に運命が零距離で銃撃。上半身を吹き飛ばされて動きが一時的に停止、タクトをザーガンの元へ向かわせた運命と復活後に激突する。
当初は右手で刃を造り出して運命と剣戟を繰り広げるが、徐々に拳での殴り合いに発展していく。
一見狂気的な彼女(達)だが、その背景にはザーガンの歪み・絶望へのある種の共感・諦観があり、「D2をアメリカに集め国民の悲鳴と共に滅ぼす」自分達の行いこそが世界を救うことだと主張して運命を追い詰めるも、「貴方が救いたいのは世界ではない」「貴方は救いたいものを諦めてしまった」と運命は反論。
タクトの望む「音楽を奏でられる世界」を作り、何者にも屈せず心のままに生きる彼の未来を守りたいと、願いと希望を訴え戦う運命の拳にオルフェの身体は徐々に白化。オルフェは逃げることができず、最終的に彼女の拳を真正面から受け止めた。
この打撃が致命傷になったのか、運命の主張の前に自らの敗北を悟っていたのか全身が白化して活動停止。タクトがザーガンの身体を貫いた後、歪みから解放されたかのような、自らの行いを止めてくれたタクトと運命に感謝したかのような笑みを浮かべ、ニューヨーク・シンフォニカ中を蝕んでいた黒夜隕鉄と崩壊を共にした。
その顔には、涙がつたっていた。
余談
元々「天国と地獄」は帝国劇場での初演時日本で付けられた題名であり、「地獄のオルフェ」はフランス語の原題を直訳したものである。
デザインや言動は曲の元ネタになったギリシャ神話の詩人『オルフェウス』に由来しており、ハープは彼の持っていたリラという楽器(こと座のモデルといえばお分かりいただけるだろう)が元ネタ、「決して振り返るな」というセリフはハーデスがオルフェウスの妻エウリュディケを冥界から連れ帰るための条件として提示したもの。冥界を出る寸前に振り返ってしまった為にエウリュディケは冥界に連れ戻されてしまったのだ。
ちなみに、身体が白化するという最期はオルフェウスと同じく背後を振り返った為に妻が塩の柱と化したという旧約聖書のエピソード『ロトの妻の塩柱』に由来する。