犬伏東
いぬぶしひがし
犬伏東高校バレーボール部
主人公の日向が1年生時の春高全国大会で、ベスト8に名を連ねていた広島県の強豪校。作中ではチームに所属する選手の詳細が殆ど明かされておらず、試合のシーンも一切描かれていないが、IH優勝という実績を持つ春高優勝候補筆頭であり、当時のラスボス的ポジションに位置していた井闥山学院高校をフルセットの末に下していた事で読者に鮮烈な印象を与えた。
実力と詳細
作中でもその試合結果は「波乱」 「井闥山が負けた」 と評されており、下馬評の予想を覆した番狂わせであったことが示唆されている。メンバーに関しても作中最終章で当時のMBらしき選手の描写が1コマだけ描かれた程度で有り、S,Li,WSらの選手の詳細は一切不明。
また、結果に至るまでの試合内容も少々複雑で、セットカウント1vs1の終盤で井闥山の正セッター且つ当時の主将が怪我で離脱した事による逆転負けであった事が明かされており、運の要素も大きく絡んだ末の試合結果だったと結論付けられる。故に、ファンの一部でも「井闥山の主将が離脱したから勝てた」と評する声も存在し、その批評もあながち間違いではない。
ただし、一括りに運の要素が大きかっただけのジャイアントキリングだったのかと言えばそんな事は一切無く、セット毎の点差から考察するに実力差はそう大きくなかったと推測出来る。事実、試合のセットカウントの詳細は
・犬伏東-22-25-29
・井闥山-25-20-27
の接戦であり、このセットカウントの差は都大会予選決勝時の梟谷と等しいレベルである。また、当時の梟谷はIHベスト8の実績を持つ全国トップクラスの強豪校であり、作中の春高でも既にベスト4まで駒を進めていた事から、犬伏東の実力もそれと拮抗している事を考えると一概に運が良かっただけと言い切る事は出来ない。
また、犬伏東は井闥山がベストメンバーで闘っていた1セット目、2セット目の時点でも互角の勝負をしており、2セット目に至ってはある程度点差を付けた上でセットを獲得している。にもかかわらず、全国的にそれほど有名なチームでは無かったであろう点から、犬伏東は白鳥沢や狢坂のように牛島や桐生のようなスーパーエースを主軸にしたり、鴎台や稲荷崎のように抜きん出た武器や華やかな戦術で相手を圧倒するチームと言うよりは、音駒のように相手の攻撃に柔軟に対処してひたすら拾って繋ぐチーム、もしくは「犬」という漢字が入っている点からスピードで相手を撹乱するチームだったのではないかという考察が多い。
ちなみに最終的な春高の結果は、準決勝で梟谷に敗れ全国ベスト4。鴎台との3位決定戦の結果は不明。