概要
土佐錦魚=土佐錦金=土佐金。一般的には「とさきん」と呼ばれる。
丸い卵型の琉金体系を持ち、最大の特徴は平付反転尾(左右両端からは前方に柔らかく反転し後方は扇のように水平に広がる独特の尾型)。その独特的な尾のため、柔らかな尾を左右にふるわせてゆったりと泳ぐ姿は品があり、「金魚の女王」と称されることもある。
体色は素赤か更紗だが他の品種に比べとにかく色変わりが遅く成魚(一般的に3歳以降)でも色変わりしないのもざら。最近はキャリコ土佐金とか桜土佐金とかも出てきているが、本気で土佐金に取り組んでいる愛好家の方々にとっては「邪道」とかもはや別品種ととらえているとのこと。
実は一度絶滅寸前になったことがあり、太平洋戦争後に戦火から免れたわずか6匹から現在に至る。
その6匹や子孫をもとにひたすら近親配合してきたせいなのかとにかく体が弱いのが欠点。調子がいいときはさすが南国の金魚という感じで高水温でも元気良く育つが何かの拍子で体の調子を崩すとあっという間に死んでしまう。良形の入手も難しく(つまり高価でもある)、そもそも飼育も難しいのでそこそこ金魚を飼ったことがある方でも生半可な気持ちでは手を出さないのが吉。
前述の通り体質的に成魚まで育てあげるのも難しいが、それに加えて最大の特徴の平付反転尾を作る(この尾は飼育しながら人為的に作る必要がある)過程がめんどくさく、かなり特殊な飼育形態になるためさらにハードルが高い。
このハードルの高さが逆に土佐金の愛好家にとっては最大の魅力ということで現在ではらんちゅうと並び愛好会や保存会も多く、日夜愛好家が切磋琢磨して良形の土佐金を作り出している。
飼育方法
基本的に屋内飼育は不可。
屋外でのみ育てられると考えたほうがいい。日射は絶対必要だが度を越えた高水温は注意。
当歳は日の当たる場所で丸鉢飼育。ろ過、エアレ等は入れない(尾の形成に支障が出る)。
毎日朝に全換水。給餌は生きているイトメのみ(他の餌は体形形成に支障が出る)。
冬越えした二歳以降から大きなプラ舟青水飼育(給餌は鮎餌のような植物性のもの)。
簡単そうだがこれがとんでもなく難しい。
本気で取り組んでみたい方はまず日々研究されている方のHPをよく読むか、地域の土佐金愛好会や同好会に入ることをまずはお勧めする。信頼できる筋や愛好会などで選別漏れやハネを入手してまずは練習。5年育てられれば一人前。
優美な姿に反してとんでもないハードルが要求される、それがトサキン。