概要
旧版より実装。
グリダニア周辺、東アバラシア山脈に広がる大渓谷ゼルファトルを領する獣人族。
痩せた体に鳥類を思わせる頭部と角、飾り羽と尾が特徴。
気性は荒く、口調はヤンキーそのもの。ややもすると暑苦しい傾向にあるが、一概に馬鹿という訳ではなく、切れ者も少なくない。
命名規則が存在し、名前で性別を判断できる。
個人名は生まれた時に吹いていた風の方位。支配者階級の「天下りし者(Skysent)」を筆頭に、戦士階級「風乗りし者(Galeborne)」、労働者階級「舞い上がりし者(Windrisen)」と続き、それぞれに属した家の姓を名乗る。
上記の出自に基づいた社会が構築されており、「天下りし者」のノモトル家・バフォトル家・ジロトル家・ファトトル家に連なる血筋の者が「群長」となり、「群れ」と呼ばれる集団を指導している。
さらにその上に「王」が存在するとされるが、現状では作中に登場していない。
エオルゼアの遥か上空にある浮遊大陸「アヤトラン」をルーツとする。
その後地上へ降り、「ティノルカ(母なる森)」こと黒衣森に集落を形成。しかし生活圏を拡大した事で精霊の怒りをかい、今から550年前にゼルファトルへの移住を余儀なくされた。
かつては自らの羽で空を飛ぶ事が出来たが、この環境変化によって遺伝子異常が引き起こされ、ヒナが先天的に風切羽を持たずに産まれてくるようになってしまう。こうして現在のイクサルは飛翔能力を失ったが、これを補うために気球を開発し、空から黒衣森へ遠征して資材となる木々を伐採するようになった。
グリダニアはその後に精霊の許しを得て入植する形で作られており、イクサル族から見ればティノルカに勝手に移住してきた侵略者である。1360年頃にイクサル族はティノルカへの回帰を試みたが激しい反撃を受けて撤退、以来にらみ合いと小競り合いが続き、一触即発状態となっている。
気球を用いている為に神出鬼没であり、グリダニアの治安維持を担当する神勇隊や、レンジャー部隊である鬼哭隊も手を焼いている。
自分達が失った「風」を取り戻すべく、嵐神ガルーダを信奉している。
アシエンから与えられた「神下ろし」によって顕現した「蛮神」ガルーダは血を好む残忍な性質を持ち、気性の荒さと高い矜持ゆえに、信者からの願いをかなえる事はほとんどない。
「無慈悲な女王」として恐れられながらも、再び空へ回帰する為、信者達は生贄とクリスタルを捧げ続けている。
そうした行いに背を向け、自分達の力で「アヤトラン」への回帰を目指す「エカトル空挺団」が存在する。
「親方」ことセズル・トトロック率いる技術者集団で、北部森林の谷間を工房とし、超高高度への到達を可能とする気球「デズル・クワラン号」の完成を目指している。
プレイヤーは成り行きで彼らの作業を手伝う事となり、クラフター・ギャザラーとしての腕を磨く事となる。
ここに飛空艇運行会社「ハイウィンド飛空社」の跡取り息子で、誰よりも飛空艇を愛するタタラムが参加。種族を超えて夢をかなえようとするアツい物語が展開される。
その後、「紅蓮のリベレーター」にて新たな事実が判明する。
Lv70ID「暴走戦艦 フラクタル・コンティニアム(Hard)」。
「魔大陸」ことアジス・ラーの一角、アラグ帝国の技術を一般人に披露する為に建造された博物艦。そこにエカトル空挺団の一員ケズル・イツカンは、デズル・クワラン号の試作品を使って辿り着く。
だがそこで彼が発見したのは、魔科学の粋を集めたキメラ生物がずらりと並ぶカプセルであった。
その中に「イクサリオン」と命名されたカプセルがあり、ケズルは驚愕する。
それはイクサルと酷似した姿をしており、説明によればアラグ帝国の空挺師団用に開発された「兵器」だった。
兵器として、特定の個体の命令に対して絶対服従するよう創造されたモノ。イクサリオンを率いた空挺師団のトップは女将軍であり、かの無慈悲な女王との関係を想起せずにはいられないものだった。目指したアヤトランは何処にもなく、生まれによって支配者と被支配者が定められているイクサル族は、最初からそのように「設計」されたものなのだと悟り、ケズルは絶望する。
しかしその知らせを受けたセズルはその意見を一蹴。自分達が何者であれ、「空の高みを目指し、いつか必ずアヤトランを見つける」というこの熱い気持ちは変わらないとし、二度と血迷った事を抜かすなとケズルを叱咤して尻を叩くのであった。