イエメン
いえめん
現在、日本外務省の危険情報レベル4:退避勧告が出ている国です。
概要
以前は北イエメン(オスマン帝国より独立)・南イエメン(イギリス植民地より独立)の2国があったが1990年に統一された。
かつては王制だったがクーデターや内戦を経由して共和制となった。
モカという港町があり、日本でもこの港から輸出されていたことにちなむモカ・コーヒーの名で知られる。ただしモカ・コーヒーには同じくモカ港から輸出されていたエチオピア産も含み、モカ・マタリなどがイエメン産ブランドである。
そのコーヒーやソルガム(モロコシの一種)などの農業が主産業だが、原油がとれないこともあり中東の中では貧しい国である。
宗教的にはイスラム教が大多数を占める。
また、女性の参政権が認められてはいるものの未だ地域住民の人権意識は高いとはいえず、9歳未満の幼い少女達を結婚させたり性行為をさせるなどの風習が問題視されており政府も対応に苦慮している。
北イエメン大統領から統一後も大統領として長年独裁を続けたアリー・アブドッラー・サーレハがアラブの春で退陣した後、政変と混乱が続く。北イエメンはイスラム教フーシ派の武装組織が制圧し、南イエメンは民選大統領派とスンニ派諸部族が離合集散している。
長い内戦で治安は極めて悪い状態であり、2015年から日本大使館も閉鎖中。日本外務省からの勧告も「レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)」がイエメン国内全域対象となっている状態が続いている。
済州島の難民問題
近年、内戦下のイエメンから多くの亡命を希望する難民たちが、韓国の済州島に入ってきている。これは済州島がリゾート観光促進のためにビザの発給が不要とされていたためであり(現在は改められている)、数ヶ月で約550人のイエメン難民が済州島に到着し、滞在している。
これは紛争によって100万人以上が逃れてきたドイツなどと比べれば遙かに少ないが、これが原因となって韓国社会ではかつてない国民的な外国人嫌悪が起こっており(元々外国人が少ないため関心が薄いこともあり)、ソウルにおいて彼らを『偽の難民』と称して追放することを韓国当局に求める、数百人によるデモが起こっている。
更には、韓国発のポータルサイトである『Naver』に投稿された「政府は狂っているのか?やつらは私たちの娘をレイプするイスラム教徒だぞ」というコメントには、数千人が賛同を示している。