CV: 木村良平
概要
絆達の異世界の眷属器の一つ、本の勇者。美少年だが身勝手で卑劣な性格で口も悪い。
どうせ滅ぼす世界なら有効利用すべきと波のマッチングで衝突している別世界の守護獣の力を奪うことを画策して尚文側の世界に乗り込み、霊亀を操って結界形成に使われる力を奪い、尚文たちと因縁ができることになる。
彼が従えていた女の一人であるヨモギはまともな人間であり、もしも彼がヨモギの話をちゃんと受け止める真摯な性格ならばグラスたちと尚文が共闘することはなく、絆もweb版のように無限迷宮に幽閉されたままであったため、ある意味では物語の大きな部分を動かしたキャラクター。
正体は波の尖兵の一人であり、本もチート能力で無理やり従えている。書籍版においてタクトよりも先に登場した転生者であり、魂と肉体の外見はかなり違うようで魂は痩せた三十代くらいのオッサン。
他の波の尖兵の転生者と同じく身勝手で自己中心的な性格ではあるが、引き際を弁えていたり、研究した力による応用やさまざまな罠を駆使するため他の転生者に比べると頭脳派である。作中内でも戦闘の面倒臭さをタクトを始めとした色んな敵と比較されるため、尚文の印象には強く残っていたことが窺える。異世界では卑屈そうな雰囲気をしているが善行を積むいい男と周りのハーレムに思わせる外面をして悪行を隠していたためか、転生者では珍しく自分の直接の戦いに取り巻きの女を介入させず一人で戦った(ただし同類のタクトも女相手にも表の顔しか見せていなかった時期があったらしく、時期がもう少し経っていれば、他の転生者同様取り巻きの女を連れていただろう)。
盾の勇者の成り上がり
初登場した際には本の眷属器や奪った霊亀や聖武器の力を利用して尚文たちを苦しめ、オストの協力あってのアル・リベレイション・オーラを付与した状態の尚文たちと戦って尚霊亀の力をまんまと奪って異世界に逃亡、さらに追手を想定して罠まで仕掛ける余裕まで見せた。
自身のホームグラウンドである絆の異世界で尚文たちを迎え撃ち、人為的に波を発生させる「厄災の波ディメンションウェーブ」を使い勇者の強制召喚を利用して乗り込んできた絆たちを分断させるなど絡め手を駆使した。戦いの末に本のカーススキル黙示録を放つもオストの心を込めた霊亀の心の盾のスキル、エネルギーブラストに打ち破られて自身の体を消滅させられ、魂も霊亀のエネルギーから作り出したクローンに乗り移ろうとしたところをラフタリアとリーシアの二人によって消滅させられた。
皮肉なことに他の世界の守護獣の力を奪うと危険であるという眷属器からの警告を無視して他の世界の守護獣に干渉した彼の存在が、当時敵対していた尚文たちとグラス達を共闘させることになった。また追ってきた尚文とリーシアを絆が幽閉されていた無限迷宮に落としたことで、結果的に絆が助かる事となる。
漫画版における霊亀内部・コアルームでの初戦では、リーシアに「あなた自身の性根が臆病だから、やる事なす事のことごとくが卑劣で陰湿なんです。そんなに自分の弱さが怖いんですか?」と指摘されて逆ギレしたのに始まり、勝ってもいない内から勝ち誇ったり、些細な事ですぐ頭に血が上ると周りが全く見えなくなったりと、のちに現れるであろう同類連中にも通じる悪癖を露呈していた。
(真)槍の勇者のやり直し
「槍の勇者のやり直し」のメルロマルク編・フォーブレイ編では書籍版同様に霊亀を操っていたと思われるが、霊亀を倒すために放った元康の攻撃に巻き込まれ、元康たちに存在すら知られずに死亡する(フォーブレイ編では開放されたことで飛んでいく本の眷属器だけ確認された)。
「真・槍の勇者のやり直し」のシルドフリーデン編では霊亀を見張っていたガエリオンに来訪直後に処分されたらしく、彼女のアドバイスを受けた元康により、以降のループでは何もできないままブリューナクで消し飛ばされる事が決定付けられてしまった。
台詞どころか姿が一文字たりとも書かれずに塵にされ、ある意味タクトより可哀想な男である。
余談
web版本編では三勇者が霊亀の封印を解いてしまったため未登場。
2月22日の原作者の活動報告によると、検索系の能力を授かっていて、その力を使う事で頭脳派の技術者や軍師っぽく見せつけているだけだったということが判明する。具体的にどのようなものか詳細は不明だが、彼が様々な発明や研究、作戦ができたのも、単独で初めて訪れたはずの世界(しかも別世界に渡る際、最初はレベルが1になっていたはず)で、霊亀を操って力を奪うところまでうまく立ち回れたのも(尚文たちが絆たちの異世界に来た際は、キョウが張った罠のせいもあるが、現地の住民である絆やグラスたちの協力がなければ活動が困難な状況であった)、最終決戦時点で、絆たち側の知っている武器の強化方法をすべて把握していたのも(最近まで行方不明になっていた絆の狩猟具や、所有者が見つかったばかりのラフタリアの刀の強化方法まで把握していた)、すべてこの能力で得た情報によるものだったと思われる。