CV: 木村良平
概要
尚文達の異世界とは別に存在する風山絆達の異世界の眷属器の一つ、「本の眷属器」の勇者。
どうせ滅ぼす世界なら有効利用すべきと波のマッチングで衝突している別世界の守護獣の力を奪うことを画策して尚文側の世界に乗り込み、霊亀を操って結界形成に使われる力を奪い、尚文たちと因縁ができることになる。
彼の行動(詳細は「活躍」を参照)は様々なところでweb版と書籍版とのターニングポイントを生み出しており、ある意味では物語の大きな部分を動かしたキャラクター。
(彼が従えていた女の一人であるヨモギはまともな人間であり、もしも彼がヨモギの話をちゃんと受け止める真摯な性格ならば以下のような事態には発展していないため。)
活躍
盾の勇者の成り上がり(書籍版)
初登場した際には本の眷属器や奪った霊亀や聖武器の力を利用して尚文たちを苦しめ、オストの協力あってのアル・リベレイション・オーラを付与した状態の尚文たちと戦って尚霊亀の力をまんまと奪って異世界に逃亡、さらに追手を想定して罠まで仕掛ける余裕まで見せた。
しかし、皮肉なことに他の世界の守護獣の力を奪うと危険であるという眷属器からの警告を無視して他の世界の守護獣に干渉した彼の存在が、当時敵対していた尚文たちとグラス達を共闘させることになった。
(web版本編では三勇者が霊亀の封印を解いてしまったためキョウ自体が未登場であり、グラス達との共闘はかなり先である。)
また、追ってきた尚文とリーシアを絆が幽閉されていた無限迷宮に落としたことで、結果的に絆が助かる事となる(web版では尚文達がきていないため、無限迷宮に幽閉されたままであった)。
自身のホームグラウンドである絆の異世界で尚文たちを迎え撃ち、人為的に波を発生させる「厄災の波ディメンションウェーブ」を使い勇者の強制召喚を利用して乗り込んできた絆たちを分断させるなど搦め手を駆使した。戦いの末に本のカーススキル黙示録を放つもオストの心を込めた霊亀の心の盾のスキル、エネルギーブラストに打ち破られて自身の体を消滅させられる。しかし、魂は死んでおらず、予備の体として霊亀のエネルギーから作り出したクローンに乗り移ろうとしたが、尚文には読まれており、予備の体に入ろうとしたのを邪魔され、悪霊化して襲い掛かるも、ラフタリアの霊刀・断魂とリーシアの使役するソウルイーターによって消滅させられた。
漫画版
漫画版における霊亀内部・コアルームでの初戦では、リーシアに「あなた自身の性根が臆病だから、やる事なす事のことごとくが卑劣で陰湿なんです。そんなに自分の弱さが怖いんですか?」と指摘されて逆ギレしたのに始まり、勝ってもいない内から勝ち誇ったり、些細な事ですぐ頭に血が上ると周りが全く見えなくなったりと、のちに現れるであろう同類連中にも通じる悪癖を露呈していた。
最終決戦の際エネルギーブラストによって体を消滅させられた後、予備の体に入ろうとしたが、フィーロの蹴りで潰されてしまい、それにキレた歳に悪霊化し、リーシアの使役するソウルイーターに貪り食われ、尚文達に命乞いするが当然受け入れられず、その後散々罵ったヨモギにも命乞いをするも、失望によるものか、暗い目でただ食われる様を見ているのみで、そのままま彼女の前で食い尽くされた。
アニメ版
アニメ版では、(原作とは違い)尚文達とはぐれていなかったラフタリアを敵地に取り残されるように罠にはめて、何もできない尚文をあざ笑ったり、最終決戦では尚文を挑発しまくった結果、尚文が怒りのあまりラースシールドを暴走させて魔竜に体を乗っ取られそうになる等、戦闘面よりも自身の毒舌で尚文たちを精神的に追い詰める描写が目立った。
一見セコイように思えるが、精神面に憤怒という危うさを持つ尚文には効果は覿面だった(特に後者はもう少しで尚文が自滅するところだった)。
一方で、尺の都合か戦闘があまり行われず、予備の体も用意してなかったため、エネルギーブラストでそのまま倒された。しかし書籍や漫画版とは異なり、悔しがる素振りを見せず、最期まで尚文達を嘲笑い続けていた。
(真)槍の勇者のやり直し
「槍の勇者のやり直し」のメルロマルク編・フォーブレイ編では書籍版同様に霊亀を操っていたと思われるが、霊亀を倒すために放った元康の攻撃に巻き込まれ、元康たちに存在すら知られずに死亡する(フォーブレイ編では開放されたことで飛んでいく本の眷属器だけ確認された)。
しかしその後、転生者達による波の襲撃時には、相手は描写されなかったが、最初の世界ではなかった本の眷属器のものと思われるページ攻撃がされていた事から、書籍版の様に魂だけの状態のまま本と一部の霊亀の力を持って帰還し、ホムンクルスの体で復活したと思われる(流石に書籍版ほど力を持ってこれなかったと思うが)。
「真・槍の勇者のやり直し」のシルドフリーデン編では霊亀を見張っていたガエリオンに来訪直後に処分されたらしく、彼女のアドバイスを受けた元康により、以降のループでは何もできないままブリューナクで消し飛ばされる事が決定付けられてしまった。
台詞どころか姿が一文字たりとも書かれずに塵にされ、ある意味タクトより可哀想な男である。
正体
正体は波の尖兵の一人であり、本もチート能力で無理やり従えている。書籍版においてタクトよりも先に登場した転生者であり、魂と肉体の外見はかなり違うようで魂は痩せた三十代くらいのオッサン。
他の波の尖兵の転生者と同じく身勝手で自己中心的な性格ではあるが、引き際を弁えていたり、研究した力による応用やさまざまな罠を駆使するため他の転生者に比べると頭脳派である。作中内でも戦闘の面倒臭さをタクトを始めとした色んな敵と比較されるため、尚文の印象には強く残っていたことが窺える。異世界では卑屈そうな雰囲気をしているが善行を積むいい男と周りのハーレムに思わせる外面をして悪行を隠していたためか、転生者では珍しく自分の直接の戦いに取り巻きの女を介入させず一人で戦った(ただし同類のタクトも女相手にも表の顔しか見せていなかった時期があったらしく、時期がもう少し経っていれば、他の転生者同様取り巻きの女を連れていただろう)。
漫画版
思い通りになる今いる世界を「死んだら終わり(ゲームオーバー)になること以外は気に入ってる」と言ったり、元居た世界を「現実(クソゲー)」と言ったりと小説以上に彼が日本から転生したという事を仄めかす言動や表現をしている(ヨモギや他の者はおかしくなったと思われていた)。また魂だけの状態になった際、最初はキョウの姿のままだったが、徐々に明らかに別の顔に変化している描写がある。
アニメ版
第2期第12話冒頭で、転生者であることや前世でどのような生活を送っていたかを独白している。
こちらでは薄汚れたシャツを着た太めの男性として描かれ、「ゲームは俺の人生そのもの」と称して日夜ネトゲに勤しんでいる。
また、相手を見下す性格は前世の時点から変わっていなかったようで、思い通りにいかない現実に八つ当たりするかの如く掲示板に誹謗中傷を書き込み、通報される事態にまで発展している。
しかし、そんな生活に次第に嫌気が差し、自宅の窓から飛び降りる。
その後、自身がゲームで使用しているアバターと同じ姿に転生し、現在自身が拠点としている異世界(絆達の異世界)にやってくることになる。
「俺が望んだ第二の人生」と称し、転生したことを喜んで好き勝手して現在に至る。
なお、尚文も異世界に召喚される前、どのような生活を送ってたのかを独白しており、『ネトゲは楽しみの一つであり、広く浅くオタクライフを満喫していたが、召喚され勇者という与えられた役割に縛られ苦悩している尚文』と、『ゲームしかないネトゲ廃人で、現実に強い不満を持っていたが、転生し勇者の役割をせず、好き勝手に楽しもうとするキョウ』の双方が交互に描写され、二人が対照的な存在である事を強調されていた。
余談
2月22日の原作者の活動報告によると、黒幕によって「検索系」のチート能力を授かっていて、その力を使う事で頭脳派の技術者や軍師っぽく見せかけているだけだったということが判明する。
具体的にどのようなものか詳細は不明だが、彼が様々な発明や研究、作戦ができたのも、すべてこの能力で得た情報によるものだったと思われる。
具体例
- 単独で初めて訪れたはずの世界で、現地の世界の住民すら霊亀の事を十分に知らなかったのに、短い期間で霊亀の封印を解いて操り、力を奪うところまでうまく立ち回れた(強さに関しても、異世界に移動するとステータスが別枠になり、当初はLv1となり、装備やアイテムはその世界に互換性がなければ使用不可となるはずであり、尚文たちが絆たちの異世界に来た際は、キョウが張った罠のせいもあるが、現地の住民である絆やグラスたちの協力がなければ活動が困難な状況であった)。
- 最終決戦時点で、絆たち側の知っている武器の強化方法をすべて把握していた(最近まで行方不明になっていた絆の狩猟具や、所有者が見つかったばかりのラフタリアの刀の強化方法まで把握していた)。
- アニメでは、次の守護獣である鳳凰の事まで知っていた。
関連タグ
盾の勇者の成り上がり 盾の勇者の成り上がり登場キャラクター一覧
キョウ(曖昧さ回避)