概要
CV:松岡禎丞
16歳の高校生。「剣」と「保身」の勇者
脳波に干渉して五感に擬似的な感覚を伝えるダイブ型VRなどが存在する近未来的世界の日本から召喚された。
殺人犯から幼馴染を庇って刺され意識を失ったところを、自分の遊んでいたVRMMOゲーム『ブレイブスターオンライン』そっくりの異世界に召喚された。
盾の勇者の成り上がり
樹や元康同様に、自分は死んだと思ったところを、都合よく遊んでいたゲームそっくりな世界に召喚されたためゲーム感覚を持っている。
序盤は尚文に対して冤罪の件や盾を弱職という考えから、基本的には距離を置いて少々蔑んでいる。
一方で疑り深さから国やマインの主張に関してもあまり入れ込まず、中立な立場として尚文の擁護に回ることもある。
国から派遣された仲間で最終的に定着したのはウェルト、バクター、テルシア、ファリーの4人。最初から「勇者の仲間」であることを笠に着て勝手放題する気しかなかった面従腹背の奴輩どもとは違い、少々妄信ぎみではあるにせよ錬に対しては心からの信頼と忠誠を捧げていた。
錬も本人なりに四人に仲間として接し、ゲーム知識を元に適切な狩場を指定し、適正レベルまで上げさせた上で強敵と戦う時は同伴し「敵の攻撃は絶対に受けないように気をつけろ」といつも指導していた。
しかし元の世界にいた頃の基本ソロプレイでたまに初心者プレイヤーを指導する域から脱しておらず、その上錬と同等以上の攻撃力の仲間と共に戦う時もそれを行ってしまうなど柔軟性もなく、客観的に見て周りをタゲ逸らしの駒と扱うのと変わらないような戦闘スタイルになってしまっていた(ゲーム知識に目が曇り、周囲の能力の高さを信用していなかったこともある)。
錬の仲間たちは錬を信頼して邪魔をせずに戦う戦法に異議が無かったため、それでも基本的に問題が無かったのだが、錬のゲーム知識が通用しないどうしようもない強敵の前には当然なすすべなく……。
ゲーマーとしては格闘ゲームなどの個人でも遊べるものを多くやり込んでいたり、MMO系でもあまり集団で行うプレイスタイルでなかったため異世界でもソロプレイが目立つ。
ゲームのような世界に来たことで「最強」になる目指しており、ブレイブスターオンラインがレベル補正の大きいゲームだったこともあってレベル至上主義傾向がある。
そのため効率の良い魔物を倒しすぎて生態系に影響を与えてしまったこともある。
経験値稼ぎや腕試しといった目的で東の村のドラゴン(親ガエリオン)を倒すが、死骸を処理しなかったために後に大きな災害をもたらしてしまい、後そのことを知った時は自分より早くこの件を収めてくれた尚文にラフタリアがドラゴンゾンビ戦で怪我を負った事も含めて謝罪をしている。
(ただし、この件に限れば地元民の仲間が他の冒険者のために素材を残してやろうと発案したことであり錬の考えなしではないし、更に村民も錬から後処理を引き受けた上で金儲けのために観光資源として利用した死骸になんの処置もせずに腐らせたことで疫病が発生したため村人の自業自得の面が大きく、尚文もそれを聞いて納得している。が、アニメではこの辺の事情はスルーされ、錬が一方的に悪者にされてしまった)。
三勇教の暴走事件ではメルティや尚文の説得により国に疑いを持ち、樹と共に三勇教や尚文たちの解決した事件について直接村人たちに聞いて回ったことで三勇教の『裁き』により殺されかかるが「影」により助けられ、教皇との闘いに加わった。
カルミラ島では年相応に温泉で覗きについて樹や元康と共に(書籍ではラルクも加わった)はしゃいで女性陣からお説教を受けた。
その後ゲームではお手軽な強さだった霊亀に挑むが、ゲーム知識より何倍もの強さだったことで惨敗し、仲間は全員死亡し更に世間からは「霊亀から守ってくれなかった」という理由で追い立てられてしまう。
罪悪感と後悔に潰されそうになり、尚文に話を聞いてもらうも責任転嫁を口にしてしまったことで図星を衝かれすぎて激昂する。
自分を信じてくれた(と騙され)マルティと共に逃げるがその翌日尚文と殆ど同じ手口で裏切られたことで絶望。強欲のカースシリーズが発動し、精神を蝕まれ盗賊に成り下がる。
その後尚文達と戦うも、カースシリーズの影響で先程喋っていたことまで忘れるなど支離滅裂な状態になり、一度倒しても最強を求めて暴食のカースシリーズを更に発動させ全く話を聞かないようになっていたため尚文に見捨てられかけるが(web版では殺そうとした。書籍版でも手足を落として再起不能にして捕縛するべきかと考えた)、エクレールに技量で圧倒された上で、錬の暴走の根幹が「失った仲間や信頼を取り戻したい」であることを看破され諭されたことで解放される。
ちなみにこの戦闘で対峙したエクレールに、カース武器の自動回復で実質無敵であることを律儀に説明していた。
正気に戻った後は尚文たちと和解し、自分が死なせてしまった4人の仲間が求めた平和な世界のために尽力すると誓う。仲間を重要視するようになり、この世界がゲームではないと理解するようになり、四聖勇者の中では冷静になりさえすればちゃんと話を聞いてくれる方だったこともあり尚文の一番の相方となる。
(と言うより他の勇者は鳥のことばかり考えそれ以外の存在には極端に無関心になったり、自分の意志が全くなかったりして、尚文は敬遠していた)
カースシリーズの呪いで仲間になった直後は強欲の代償でレアアイテムを全くドロップできず、
武器や硬貨も触っただけで崩れ去ってしまう貧乏体質になってしまい、暴食の代償で経験値も入らなくなってしまう。
例としてヴィッチに元の装備を取られてから安物の鎧を使用していたが、その際の鎧がすぐにボロボロになってしまって使えなくなったり、Web版では霊亀の素材を鍛え上げて作られたゼルトブルでオークションにかけられていた高級品である霊亀剣を盗んだマルドとの戦いの際にウェポンコピーで剣を一瞬握ったものの、刃こぼれして見るに堪えない程に剣を劣化させた。
(これでも呪いは時間経過で少し弱まっており、完璧に剣が折れたわけではない。)
書籍版では呪いのせいで物に触れないことを忘れて元康二号が作った桜天命石の剣をウェポンコピーした際にボロボロにして元康二号は絶叫させてしまい、謝罪していた。
樹(の配下)とマルティによるメルロマルク革命の事件では、同じ剣つながりで呪いの武器の正体を暴くのに一役買い、樹戦ではリーシアと共に樹を説得し、まるで熱血主人公のような台詞を言い放ち、尚文が奴隷を使役していることを指摘する樹に対して「尚文は村の子の親代わりだ!」と言い放ったりカースシリーズを経験し、尚文のように上手くいくものではないと説得を試みたりと、この頃からすっかりと熱血漢になっていた。
鳳凰戦では戦闘不能になった尚文に代わり(簡単ではあるが)戦場に指示を出したりもした。
また、アトラ死亡時にカースシリーズの憤怒を解放していることを明らかにした。
タクト戦ではガエリオンと組んで竜帝であるレールディアと戦闘。この頃にはカースの呪いがほぼ完全になくなっていて、武器をなくした尚文に剣を渡したりもした。
web版終盤の女神戦では女神からの攻撃を受けて死亡してしまい、剣の精霊の機転で元の世界へと帰還する。しかし、尚文の世界より時間の流れが速いため、尚文に迎えに来てもらう頃には2年ほど経っていた。その間、いつか戦う時が来た時のために一人修行に明け暮れており、2年前の錬を迎えに行こうとした尚文に今の自分を連れて行くよう頼み込む。
尚文と共に異世界に戻り成長した剣技を見せたが、容姿も成長してしまっていたためエクレールから「誰だ、お前は!」と言われてへこんでしまった。
※原作者がなろうで連載していた『魔獣戦記ブレイブスター(仮)』(未完)にアゾットというキャラクターが登場しているが、言動や能力からしてこの空白の2年間の錬と示唆される。
書籍版では
書籍版では尚文たち同様に若干マイルド化している。
例えば、最初の波の後には尚文が騎士団では手が回らなかった村人の救助に活動していたことやギルドの仕事が回されていないことを聞いて援助金を受け取ることについて擁護側に回り、ラフタリアからも樹と共に正しい判断に感謝されている。
また、尚文が王女暗殺未遂犯に仕立て上げられた森の攻防ではマインの魔法からメルティを守り、「助けなきゃいけない王女を殺す気か!」と叱咤、メルティが自分たちに本気で攻撃をしてないことにも気づいているなど、比較的冷静に状況を分析していた。
他にも女王の帰還で三勇教を巡る騒動の真相が判明した場面にも同席し、各地の村で話を聞いて回った結果尚文たちが差別される謂れはないと納得もしている。
しかし、尚文の冤罪が晴れて樹と共に尚文たちと一応の和解をしたあたりから、元康と樹ともどもゲーム感覚であることへの不協和音が目立ち始めてしまう。
カルミラ島の波のボスの後に現れたラルクたちの圧倒的な強さと、それに唯一対抗できた尚文が語る強化方法の共有で強さがそれまでの4倍になれたということが信じられずチート行為だと決めつけて、地道で長い時間が掛かるエクレールや変幻無双流のババアの指南にも身が入らず、
封印を解いて早期解決するのではなく時間経過で現れる霊亀素材の武器を手に入れて尚文の強さに追いつこうとしてキョウが操る霊亀に挑み敗北、仲間を失い捕獲され聖武器のエネルギーを悪用されてしまった。
その後は若干の展開の差はあるもののエクレールとの戦いを通して改心、web版同様に四聖の中では常識的かつ真面目で熱血な性格となっていく。
書籍版ではカルミラ島の海底神殿の龍刻の砂時計が告げる波がweb版より大幅に早く発見され、協力して挑もうとする他の三人に対して一人だけ否定的な態度を露骨に取ったためカナヅチであることがバレてしまい、砂時計に波の登録をする際は行きで水中呼吸の魔法が解けて溺れかけたため帰り道は尚文からペックルの着ぐるみを借りることになったり、
波のボスである次元ノ勇魚戦でも元康が海中戦で直接ボスに張り付いて戦ったり、樹がウェポンコピーしたバリスタで継続的に攻撃を加えて善戦する中で、泳げず遠距離攻撃も効率が悪いことから波で出現するボス以外の敵を倒すことに専念するなど、わりと残念なことになっていた。
改心直前のカースシリーズに蝕まれていた時に書籍版ではガエリオンがまだサンクチュアリを使えなかったり魔竜のせいでラースシールドとの連携が取れないため、前座は元康になっており、色欲のカースに目覚めた元康と強欲のカースの錬が戦っている。
カースVSカース、とかなりの好カードだったが、フィーロへの熱すぎる程の想いで一発でラストスピアⅣまで開花させた元康とほぼ自殺防止に近い形で目覚めて少しずつグロウアップしてきた錬では感情自体に差が開いており、感情だけでなく四聖の強化方法を共有して実践した元康相手には根本から太刀打ちできずほぼ一方的にやられていた。(それでも戦闘不能にさせられず持ちこたえているが)
web版で改心後に鍛冶を学ぶようになっていたもののあまり目立った成果は出せていなかったが、書籍版では武器屋の親父の師匠こと元康二号と出会い師事を受けるようになったこともあり、実用的なラインの高品質な武器も作っている。
書籍版では後述の体調不良が原因で尚文の村で休養していた際に尚文と共に過去の世界へと強制転移させられたメンバーに含まれ、ラフタリアに並ぶ主戦力かつ鍛冶担当になっている。
また、鍛冶の腕を上げるためのアドバイスとして卒業していた自分の中二病と向き合う羽目になったり、中二病のフィロリアの影響で突発的におかしな行動が無意識に出るようになりつつある。
(真)槍の勇者のやり直し
メルロマルク編前半までは中立(国の明らかな不正のため、やや尚文寄り)
本編と同じくレベル至上主義で、強くなることに目がなく、フォーブレイ編以降は元康に強くなる方法を教えてもらう代わりに尚文の一部始終を見せられ、仲間に加わる。
シルトヴェルト編では、最初こそ三勇教に気に入られていたのもあり従順だったが、今ある現状とメルロマルクの言動と矛盾があまりにも有りすぎたため、段々不審感が高まり一回目のリユート村の波の終了時の祝いの宴会でメルロマルクを不審に思いゼルトブルへ姿を消す。
メルロマルク編では、尚文への差別を最初は自分には関係ない事、弱職だからとまるで無関心だったが、(元康の策略で)クラスアップの際の異なりすぎる条件の他、樹との理不尽すぎる決闘、中間報酬の減額等、目にあまりすぎるものがあり尚文側へとだんだん片寄っていくが、カルミラ島でのパーティー交換イベントにおける身勝手な振る舞いから自身が以前殺害したガエリオンの義娘であるウィンディアを怒らせてしまい、彼女からボコボコにされたのをきっかけに対立。直後の勇者会議では元康・尚文の言葉を全く聞かず信じなくなったどころかウィンディアの境遇に対して「親子共々殺しておけばよかった」と非道な言葉を投げかけ尚文を激怒させた。決別後パワーアップして元康達を出し抜くために霊亀と鳳凰を復活させてしまい、次の周へループした直後の元康に世界を壊した腹いせとして即座に殺された。
その後樹同様世界中から追い立てられ、降りかかる火の粉を払う内に手が血に染まっていき、盗賊王やがては大量殺人鬼へと変貌。尚文達の目の前で剣の聖武器に見限られて失ってしまい、心も人格も責任に押し潰されて壊れて人の世では生きる事ができなくなり、ウィンディアとガエリオンの手でドラゴンへと新生した事が後述する真・やり直しの四聖勇者編でのガエリオン(メス)の証言で判明した。
書籍版(漫画版)ではWeb版と概ね同じだが、カルミラ島でのパーティ交換の件や四霊の結界が完成出来ない(シルエットしか明かされていないがコイツのせいだと思われる)ということもあり、その最期は大きく変わっている。
四霊を撃破して手に入れた力で更に強くなってその罪を償おうとしたが本編同様失敗してしまい、仲間たちも失ったことで精神を病んでしまう。
結果、カルミラ島での四聖勇者の会議で元康たちから聞いたループの条件である「四聖勇者が一人でも死亡する」を満たし、ガエリオンが死んだことや四霊が暴れている状況をなかったことにしようとする。
しかし、聖武器は自殺を許さずにカースを発動させてしまう(なんのカースかまでは言及されていないが、本編同様失ったものを取り戻したいことからの強欲か、自分への怒りを込めた憤怒)。
最終的には尚文の仲間たちを襲い、ウィンディアが抵抗した結果刺さった短剣を自身の手で強く押し込み、カースによる自殺防止の制限を無理矢理に突破する。
ウィンディアの父親代わりでもあったガエリオンを殺してしまったことなど、自分が犯してしまった罪をまとめて背負い込んで解決することを吐露し、そのまま息を引き取ってしまった。
フォーブレイ編以降は、メルロマルクの陰謀を知り、勇者一行に加わり旅をしているうちにチームプレイの何たるかを理解し、弟子を取るまでになる。
また、共同生活をしていく上で多芸すぎる尚文に対抗して、戦闘以外で何か手に職をという発想で、剣繋がりで魔物の解体を覚える。
樹に音楽の才能があると露見した時は恨みがましい目で樹を見ていた。
また、カナヅチであるため海へ狩りへ行く際はかなり嫌がった。
真・やり直しでは扱いがバラバラで真・チュートリアル編では直接登場しないどころかタクトに殺されて剣の聖武器を奪い取られてしまった。
シルトヴェルト編アフター→シルドフリーデン編ではホムンクルスとして復活したタクトによって前周同様剣の聖武器を奪われてしまい、人体改造によって歪んだフィロリアルのように体を改造させられ、タクト一派の拠点にて監禁されていた。
幸い殺されてはいなかったため、タクト撃破後に無事救助され元康はともかく尚文とも久々に再会、剣も自分の元へ戻った。
手術で身体を元に戻せるようになったにもかかわらず、先延ばしにした挙句鏡の前でポーズを決めるほどに改造された身体を気に入ったらしい。
伝説のフィロリアル編では恐らく今までで一番ぶっ壊れた模様。
クールぶっていても一応ながら厨二病を隠し通していた所を(元康がけしかけた)ブラックサンダーと出会ったところで、覚醒方法として強化方法を教えられたり、厨二病を解放したりで元の錬の面影はもうない。
作者曰くまだ50%しか解放していないようであるものの、本編の錬よりも攻撃力がかなり高くなっている。
(本編の錬は厨二を抑え込んでいるために力が-50%だが、こちらの錬は+50%となっている)
また、元康の配慮で最初の仲間たちも出来れば生かすようにと考えられているおかげで仲間達は今までのループに比べて一番マシな待遇を受けて最後まで生存した(本編も含め基本空気な上、特にフォーブレイ編ではクズの命令に逆らえず錬達と敵対してしまい程なくして元康に皆殺しにされた)。
厨二ぶりのおかげか、ラフタリアと連携して戦った際には厨二ポーズの伝授や技名を厨二っぽくアレンジしろと指示したおかげでラフタリアからの評価はがた落ちしている。
一方サディナの雷を纏う魔法を見た時には大興奮しており、やっぱり錬は雷系が好きな模様。
フォーブレイ・ゼルトブル前編アフターこと四聖勇者編では前周での元康の行動を樹と共にそうだそうだ!と非難し、ブラックサンダーを避けつつわざと格好悪い装備を着込んだりと厨二病路線から離れる行動を取るようになった。
人物像
四勇者の中では比較的だがまともな感性と正義感を持っており、東の村のドラゴンの二次災害を聞いたときは顔を真っ青にしながら尚文に手間をかけたことを謝罪もしている。
しかし、自分にどうしようもなく甘い面があり追い詰められるとそれが顕著となり、女王の権威を振りかざしたり、地道な鍛錬を怠っており、書籍版では武器の力を使わない純粋な剣の技量のみの試合ではエクレールを相手に無様に立ち回るしかなく、スキルを使うという反則で倒した上に言い訳ばかりと段々地金が晒されていく。
序盤で尚文に多少のフォローをしたときも後出しジャンケンのようなタイミングや、責任を負わずに済む場合しか行わないため、実質尚文の益とならず、尚文からの印象も良くなかった。
後の分析では彼の人物像で大きな割合を占めているのは強すぎる責任感と、これまた強すぎる自己防衛本能であるとされている。
自己防衛本能に関しては改心前はとにかく前に出て来がちで、一度敵だと認識した相手の言葉は全く聞き入れず、成り上がりでもやり直しでもそれで災厄を呼び込む事が何度かあった。
一方の責任感と言うのは一見上述の彼の振る舞いと相反している様に思われそうだが、それらは実際には強すぎる責任感故に、「責任を負いたくない」と言う自己防衛本能が働いてるためだと作中でも推測されている。
実際改心前も村の疫病で顔を青くしてすぐに村に向かおうとした事以外にも、先述の様に霊亀に殺されてしまった仲間の事を悔やむ言葉を漏らしたりと、一旦背負ってしまった責任に対しては強く気にかける言動が見られていた。
総じて、改心前も改心後も外部から正しく支えて貰わないと心のバランスを取るのが苦手で、両極端に走ってしまいがちな傾向がある。
本編(盾の勇者の成り上がり)中でも度々クールぶったりまるでサブカルの主人公が言いそうな厨二病のような言動が目立っていた彼だが、「槍の勇者のやり直し」のゼルトブル後編では正式に厨二病を患っていることが発覚し、クロとコントを繰り広げる。
ただ本人的にはその手の物は卒業したと思っており、人前でそう言う言動をする事や、あからさまに厨二厨二したモノに対しては拒絶反応を示す。
しかし根っこが中二病であるのは確かで、本人がフルスペックを発揮できるのもそう言う振る舞いをしている時である。
書籍版ではより鍛冶の腕を高めるため、尚文のアドバイスで意識的に厨二を引き出そうとして苦慮しており、その訓練の一環として重度の中二病であるフィロリアと触れ合う事になったが、その結果時折本人の意思とは無関係に厨二が暴発するようになった。
ラフタリアがいない時には代わりに尚文の悪事にツッコミを入れたりする。
特に、web版の本編中盤ではラフタリアが修行のため長期離脱してしまい、実質尚文の相方となっていた。
書籍版では彼女が離脱しないため出番は大幅に減ってしまっているが、彼女からも他の二人よりマシと思われているのか、たまにではあるが「レンさん」と名前で呼ばれている。
元の世界にどこか尚文に似た知り合いがいるらしく、書籍版21巻冒頭ではそのことに触れている(おそらく、上記の魔獣戦記ブレイブスター(仮)の主人公の「三浦勇」と思われる)。
能力・戦闘スタイル
四聖勇者のため当然聖武器である剣を使った戦闘が主体。可能なウェポンコピーの範疇として刃のある武器全般が該当するが、主に刀剣を使う。投げナイフなども使用可能。
元の世界でダイブ型VRゲームの経験があるため、四聖では比較的武器の取り回しには長けていた。
が、ゲーム感覚なためスキルやステータス面以外の純粋な技量面への意識が低く、それに頼らない実戦的な技術や経験を積んだものからすれば無駄が多い(それでも序盤はラフタリアより剣の腕前はあったが)。
改心後は強化共有を実践したり、避けていた鍛錬や文字の勉強など(書籍版では鍛冶も勉強している)にも精を出すようになり、第一線で戦えるようになった。
特に集中力は眼を見張るものがあり、個人としての技量では相当なレベルになっている。
努力家であるが、元の世界での友人がフロート武器の達人であったためか苦手意識を持ち、実際ろくに動かせない。
エクレールからも意欲的に戦いの技術を学んでおり、書籍版では変幻無双流の技である多層崩撃も使ってみせた。
カナヅチだが、適性のある魔法は水と援護。また、氷魔法も水の一部なので適性がある。
氷を出せるので槍の勇者のやり直しでは砂漠地帯での猛暑に重宝された。
また勇者の武器は使い手の心の影響を強く受けるため、彼が心の底からノっている時、即ち厨二を解き放っている時が一番武器の性能が引き出せる。
理性で厨二を遠ざけている本編では武器の性能に制限がかかっている事が示唆されており、書籍では自分の厨二を引き出して打った強力な剣をコピーした所、勝手に無難な形に修正されてしまっている。
また真・やり直しの伝承のフィロリアル編では元康の暗躍で早期からクロことブラックサンダーと触れ合った結果厨二が解放されつつあり、作者曰く「技術面は盾本編の剣が一番、剣の中で上ですが武器の攻撃力はこの周回の方が何故か高いかもしれない」との事。
書籍版では剣をもう一本出すスキルを使用して二刀流になる場面もあり、二つのスキルを同時に放っていたりするためにますます彼っぽくなっている。
スキル・魔法
ここでは代表的なもののみを挙げる。
雷鳴剣
雷を纏った剣から光を放って攻撃するスキル。
発動まで時間がかかるものの、威力は高く、元康が流星槍を放っても砕けなかった魔法障壁を破っている。
流星剣
流星のようなエネルギーとそれに伴う星々を飛ばして攻撃する。近・中・遠距離、一対一から複数相手にも対応できる、他の聖武器や眷属器にもある「流星シリーズ」のスキル。
錬が好きなスキルのようで、暇さえあれば使ってるなと思われている。
流星剣の場合は斬撃属性があるようで、やり直しフォーブレイ編で鍛え上げられた流星剣は元康から「切れない物は無いとばかりの必殺剣となっている」と称されている。
類似技に刀の眷属器のスキル「スターダストブレイド」があり、web版でも登場しているが書籍版ではラフタリアが選定された関係でそちらもわりと出る。
ハンドレッドソード
エネルギーで作られた無数の剣を空中に浮かせ、対処に降り注がせる遠距離&範囲攻撃。
最大強化すると一本一本が大ダメージになるため汎用性も高いスキル。
また、槍の勇者のやり直しではどの時間軸でも使用されている描写があるため、汎用性の高さは最初から最後まである模様。
アニメ版では剣がどう見ても百本でなかったためにMMOゲームにあるあるな名前詐欺技に。
ハイドソード
ラフタリアの使う幻影剣と似たようなスキルで、自分の姿を消すスキル。
元康のクローキングランスと似たような技でありながらもシリーズは違う。
ラフタリアの方が精度が高いらしい。
閃光剣
強烈な光を剣から放つスキル。周囲の目を眩ませて撹乱が可能。
カースシリーズに侵された錬が多用したが、使いすぎて対策されてしまった。
それでも何度も逃げられた尚文の印象には残っていたようで、書籍版では類似スキルのシャインシールドの光が期待より弱いことに対して「錬の閃光剣みたいにならんのか!」と愚痴っている。
真槍なおし四聖勇者編では未来のゴーレムが道具を出す時の演出としてネタに使っている。
重力剣
霊亀の素材から作られた剣のスキルであり、文字通り重力を発生させるスキル。
剣自体にも威力があり、入手してからはそれなりに使用されていた。
鳳凰烈風剣
剣を振るうことによって、エネルギー化した鳳凰を飛ばして攻撃をするスキル。
こちらを手に入れてからは重力剣を使わなくなってしまった。
ギロチン
剣のカーススキル。拷問・処刑器具の名を冠す尚文のアイアンメイデンや樹のファラリスブルに相当する攻撃スキル。
アイアンメイデンと同じく拘束スキルからの連続コンボが発動条件で、チェーンバインドで標的を拘束後、チェーンニードル(チェンジチェーン)で鎖を変化させた後に放たれる。
代償は不明だが、放った後に比較的すぐにスキルを使用したり、尚文のアイアンメイデンにはない当たった相手のSPを削る効果があるため、アイアンメイデンの代償(SP全消費)とは異なると思われる。
羅刹・流星剣
カースシリーズでおかしくなった錬が使用した流星剣。
何か効果や威力に違いがあったのかもしれないが、強化共有が済んでいない状態だっためあったとしても誤差でしかなく、ぶっちゃけ普通の流星剣の色違いのような扱いだった。
ゴルトアオフシュタント(ゴールドリベリオン)
強欲のカーススキル。金銀財宝が集まり形成された趣味の悪い金の像が形を変えて降り注ぎ攻撃する。
カーススキルのため威力はそれなりに高いと思われるが、精神を蝕まれた錬は相手にろくに隙も作らずにぶっぱしたため簡単に攻撃範囲外に避けられてしまった。
代償は金銭の喪失。呪いは「自分の物」として触れたものや作るものが劣化し、ドロップも品質が酷いものしか出なかったりする上に、武器の強化が思うようにいかないなど。
シュタルクファアファル(ストロングディクライン)
暴食のカーススキル。
地割れが起きて、割れた先がまるで牙が生えた口のようになって対象を捕食しようとする。更に腐敗する液体を地割れの中から放出する。
オマケでハエの化け物を生み出して対象に向けて放つなど、尚文のブルートオプファーと比較しても効果が非常に多いため、避けられてもまだ先があったりはする。
使用の際には自身の経験値を代償にして放ち、使用後は経験値が一切入らなくなる呪いが付与される。(錬が使用した際にはレベル95から85まで下がっている)
因みに剣を奪ったタクトも元康とガエリオンに向けて使用しているが、錬がエクレールに噛みつきからハエまで全て避けられたように、元康やガエリオンにも全て避けられている。
ある意味では不遇スキルだが、錬の暴食がショボかったり尚文みたいにカース慣れしていない故なので、ちゃんと強化出来ていたら、あるいは……?
マジックエンチャント
錬の専用支援魔法。尚文におけるオーラ、元康におけるアブソーブ、樹におけるダウンに相当する。
効果は剣で受け止めた魔法を自分の制御下に置いて魔法剣として威力を向上させるというもの。スキルの威力も上がる。魔法属性ならばドラゴンのブレスなどにも有効。
自分や味方に魔法をかけてもらって合体スキルなどに昇華させる魔法などは他にも存在するが、この魔法は敵味方を問わず自分の魔法剣に変えてしまうので使い方や状況によっては攻防を同時に兼ねる魔法。
受け止める魔法のランクによっては受けきれないが、リベレイションで使うことで儀式魔法といった大規模な集団魔法も自分の力へと変えることができる。
書籍版では味方の放った合唱魔法の攻撃後、魔法が完全に消える前にこの魔法で集約して強化したスキルを放つといった連携も見せている。
バリアブルメサイア
web版終盤で元の世界に戻されていた空白の2年間の間に他の異世界に行った際に習得したスキル。
刀身が巨大な光輝く刃と化す。
クラウ・ソラス
槍の勇者のやり直しのシステム・エクスペリエンスとの戦いで登場したスキル。
槍のスキルであるブリューナクとそっくりの光線が放たれる。
しかし当の本人である錬は最初は使用方法を間違え、振りかぶって放ってしまっていた。
クロからは「光の剣」と書いて「クラウ・ソラス」と読むように称された。
苦労人?女難?
改心後はそれまでとは逆に責任感の強い性格になったのだが、強くなりすぎてすっかり苦労人キャラとなっている。
例えば書籍版ではグラス達の異世界に尚文や樹達が渡った際、村の留守を任されたのだが、残ったメンバーが元康やガエリオンといった問題児ばかりだったため、ストレスと胃潰瘍で倒れてしまった。
16歳の若者が胃潰瘍を発症するのだから、どれだけ精神的負担が酷かったか容易に想像できる(帰ってきた尚文も、話を聞いたときは呆れたものの、実際に錬のやつれ具合を見て怒るに怒れなかった)。
ちなみにこの際自分の鍛錬や修行も睡眠時間を削って行おうとしたオーバーワークだったことが後に判明してる。
さらには、自覚のないままラフタリアをはじめとする女性陣にモテまくる尚文や、やはり自覚がないのにリーシアと相思相愛になった樹に比べて(元康は論外)女性問題でも恵まれない。
自分を救ってくれたエクレールには思いを寄せているのだが、恋愛に興味のない彼女からは仲間としてならともかく、異性と見なされていない。また、上記の自分が倒したドラゴンの養女であるウィンディアには責任を感じており、何かと気にかけているが彼女からも煙たがれている(最初は嫌われていたので、まだマシになった方)。
web版では決戦後のパーティーでエクレールに告白するものの逃げられてしまい、その勢いでウィンディアにも告白して攻撃スキルを放たれるなどグダグダなことになった。
後日談にあたるweb版番外編では、上記の通りリーシアと上手くいっている樹を羨ましがっている。
もっともエクレールもウィンディアも錬のことは憎からず思っており、公私ともに三人で行動することも多く仲は悪くないのだが、あっちはあっちで恋愛に向いていないという面がある。
クリスマスではエクレールとウィンディアが「サンタは実在する」と信じており、錬への約束より「サンタにお礼を言いたい!」と言う事を優先していたせいで錬は半泣きしながらシングルベル。
親ガエリオンや尚文からも哀れに思われ、尚文からは助け船を出されるがあたりの魔物は安心できないようで、錬の方を気にしてピリピリしていた。
バレンタイン編ではエクレールとウィンディアは錬にチョコを作るものの、二人ともとてもお出しできない出来になったせいで尚文が代わりに作った物を錬の家に届けることになったが、そのせいで錬は「十倍にして返さないとな」と錬の世界でのバレンタインの風習通りにホワイトデーでとんでもない数の贈り物を用意していた。
果たして彼に春は来るのだろうか‥‥。
サイドストーリーでの扱い
公式設定資料集にあるサイドストーリーの中では、ラフタリア、リーシア、フィーロ、マイン、元康など尚文へ大きな影響を及ぼしたキャラクターたちにのみ視点が当てられていたりするため、彼が主役のストーリーはない。
と言うか出番すらも薄く、やり直しでもマインの操り人形にされることはかなり面倒な手順を踏んでいたりするためどう言う意味でも尚文の大きな運命を変えることがないキャラクターとなってしまう。
ちなみに登場した話では、
走り屋と化したフィーロと競争するためにグリフィンに騎乗していた(樹は馬、元康はドラゴン)。
最初から強かったリーシアと戦って腕に重傷を負う(発動の早い流星剣すら出せずに瞬殺された)。
尚文の着ているペックル着ぐるみを欲しがった(泳げる+優秀なステータス欲しさ故か?)。
メルティにデレデレしている尚文にロリコンと呟いた(本当にこれだけ)。
盾と槍の聖武器の所持者が入れ替わった事で尚文と立ち位置が逆転した元康に尚文へ言った台詞と同じことを言った。
砂浜でやるスポーツ=野球と提案した(違う日本から来ているので仕方ない)。
樹ですら尚文と出会っていたり多少話題に出ているのにもかかわらず、錬は語る程度しか出番がないうえに、グリフィンに乗っていたことも尚文の「錬はグリフィンだったか」としか思われておらず本当に出番が少ない。
14.5巻の店舗特典書き下ろしではメルティの領地経営の手伝いに失敗したエクレールの稽古の相手をしつつ彼女を慰める錬の姿が描かれた。
スピンオフ漫画『盾の勇者のとある一日』や『盾の勇者のおしながき』では端役として登場。初期のころの孤高を気取っていた時ではあるが、他の三勇者と比較してだが多少マシに描かれている。
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盾の勇者の成り上がり 盾の勇者の成り上がり登場キャラクター一覧
キリト・・・作者がモデルにしたようで、黒系の色が好き、VRMMO、ソロプレイヤー、剣、二刀流、中の人繋がりと様々なところが共通している。
美樹さやか・・・武器、攻撃方法、イメージカラー、想い人に振り向いてもらえない、人に裏切られたような気持ちで闇堕ちする等が似ている。
その他の四聖勇者
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