前置き
Web版と書籍・漫画・アニメ版ではそれぞれ行動や考えに違いがある場合があり、この記事では特記のない限りWeb版について記載している。
概要
CV:鈴木達央(ドラマCD)/石川界人(アニメ)/billy_kametz(アニメ英語版Season1)
演:宇野結也(舞台)
「盾の勇者の成り上がり」の主人公。
元はオタクな20歳の大学生だったが、図書館に来たときに「四聖武器書」という本を読んだのをきっかけに、その本と世界観が似た異世界に「盾の勇者」として召喚された。
ここから夢の異世界冒険が始まる・・・と思いきや、なんと尚文は召喚されてから3日で、唯一の仲間であったはずのマインと、彼を召喚した国メルロマルクに裏切られ、冤罪で強姦魔の烙印を押されてしまった。
金も信頼も勇者としての名声も全て失った尚文は他人を信じることができなくなり、さらに何を食べても味がしなくなってしまうほどの怒りと不信感に呑まれた。
自力で攻撃できない尚文は、世界を脅かす「波」と呼ばれる災害から生き残り、
元の世界に帰るために、絶対に自分を裏切ることのない人材――奴隷を購入するのだった。
人物像
元々はお調子者といった感じで穏やかな雰囲気だったが、上記の裏切り以降一変した。
傷心の末、憤怒を抱える
他人に裏切られた経験から人を信用できなくなり、マインと国への憎悪からく目つきが鋭くなっている。
武器屋の親父曰く「やさぐれた」状態になり、奴隷としてラフタリアを選んだ動機も
「マインと重ねて、死ぬ瞬間をあざ笑ってやりたい」というものであったほど。
元康との決闘のときには(不正行為と言う事もあり)さらなる怒りが噴出しており、この怒りが「憤怒の盾」を解放した。
一方で、ラフタリアの心からの信頼を受けてからは彼女を信頼する様になり(この時、味覚が戻った)、また終始尚文の味方であった武器屋の親父をラフタリアの次に信頼するなど、受けた恩はきっちり返す。
逆にマインことマルティ=メルロマルクに対しては裏切られたことに対する報復として名前を「ビッチ」(後に「ヴィッチ」)に改名させるなど、
いい意味でも悪い意味でもやられたらやり返す性格である。
このように自分がされたことに関して根に持つタイプだからか、ビッチや三勇者などの嫌いな相手はとことん嫌い、その嫌いな相手が苦しんでいる様子を見て喜ぶところもある。
また冒険二日目で購入・着用しマインに盗まれ元康の物になった鎖帷子にも強姦冤罪に根付くトラウマの象徴として嫌うようになり、武器屋の親父から勧められた時に激しい怒りを見せている。(書籍版では異世界の四聖勇者・風山絆に勧められた時にも「そんな下らないものを勧めるな!」と突然怒鳴って彼女を困惑させ、後半の敵として相対した鎖の勇者・セインの姉がスキルで鎖帷子を装備した際には嫌悪感を催した)
人間不信極み、人心を欠く
裏切られたという経験から、嘘や裏切りなどを極端に嫌うようになり、尚文が復興している村の奴隷は「裏切りなどは死をもって償う」ようにしている。
ただし、相手を騙すこと自体は嫌っていないようで、嘘は言わないが大事なことも言わない、都合のいいようにごまかす、誘導するといったことはむしろ尚文自身がよくやっている。
他に仲間と言えるほど信頼を抱いた相手であっても調子を合わせて表面だけの色仕掛けにもっていけたらと考えたり(流石にマクラをやらせようとまでは考えないが)と自分の利益のための発想は良識から外れる事も。
冤罪のせいでせざるを得なかったということもあるが、脅迫や盗賊の身ぐるみと金品を剥いでリリースするといった邪道な行為も躊躇いなく行う。
ちなみに言葉が使えず意思疎通が曖昧になるペットそのものに対する癒しと愛着を見せており、愛玩動物などは嫌っておらず、特にラフちゃんのことを気に入っている。(小学生の飼育係でも動物から好かれる性質だったらしく、人型になっていなかった頃のフィーロにも無防備な笑顔を見せていた)
利害や目的が一致している相手とは良好な関係を築けるが、上記の性格から他者に対する同情などと言った感覚が薄れてしまっているので、感情的な問題には事情に興味を持たず逆撫でしないよう宥めるだけで、他の3人の勇者が落ちぶれた際は彼等の心境に歩み寄れず(それどころか、理詰めで尚文が折れているようで容赦なく追い詰める)、それぞれ別の人物が説得した。
この面は尚文が時に騒動に巻き込まれる要因であり、嫌った相手や色事など忌避した情報から展開した中の話題を(周囲も秘密主義で多かれ少なかれ情報を秘匿するせいもあって)噛み砕いて理解に務めないせいでもある。
異性への拒絶
冤罪事件で女性にハメられたトラウマから、女性に対して一定の距離を置き、性的な思考や発想は断つようになった。これは商売などで一切の愛情と結びつかず、ただ性欲処理と言う関係すら断っている。
そのため、積極的にアプローチしてくる女性をうとましく思い、自分のベッドに潜り込んでくるアトラに奴隷紋を発動して追い出そうとしたこともあった。
ラフタリアに対して拒絶反応が出ないのは父親代わりになることを考えていたためであり、
ラフタリアが自分に恋愛感情を抱いていることに気付かないばかりか、ラフタリアは色恋沙汰を嫌っているとまで思ってしまう程の鈍感でもある。
また、ラフタリアが亜人の特性で急成長した時も、心に余裕がないせいかしばらく成長に気付かず、
周囲がラフタリアに色目を使うのを「ロリコンばかりなのか?」と勘違いしたほど。
ただ、いくらなんでも彼女が大人の姿になったのをわからないというのは普通ありえないため、認識障害に近い状態だったかもしれない(漫画版やアニメ版ではラフタリアが子供の姿のままに見えている場面がある)。
本編終了までにはある程度改善されており、ラフタリアからの思いにも徐々に向き合うようになっていたが、後日談に当たるweb版番外編のバレンタイン回では、チョコレートモンスター(体がチョコレートのスライムのようなもの)とこいつらのせいで貞操の危機に会い、事件解決後も軽くお尻を触られただけでフラッシュバックで30分も茫然自失するなど、別の意味で性的なものへのトラウマを植え付けられてしまった。
それでもなお残る勇者の素質
勇者の中では物事を客観視や俯瞰出来る冷静さと先見性を併せを持っており(これは、他の3人が元の世界でこの世界に似たゲームをやり込んでいたために、「ゲームの世界」と思い込んでいたのに対し、尚文のみ事前知識という先入観がなかったことと、冤罪によりこれが現実だと思い知らされたことが大きい)、世界全てを憎みながらも無関係な者への犠牲そのものを看過するほどには落ちぶれてはおらず、波では民間人の犠牲を最小限に抑えるべく、ボス退治を優先する他の3人とは異なり最寄りの村の避難誘導の優先、災厄後の復興を妨げる報酬は拒否する(ただし、ただ働きは極力しないようにしており、現金の代わりに現物等、相手が困らない形で対価は取っている。どうしようもない時だけ無償で助けたこともある)など、人々の信用を積み重ねていく。
彼は盾の勇者の制限により自分が敵に攻撃することさえできないことなどから年若い亜人の少年少女を奴隷として使役し、村の開拓などで働かせたり、魔物などと命がけで戦わせたりしていることから、自分の事を地獄に落ちて当然の「悪人」だと考えているが、マインに騙されて歪んでしまってからもその本質的な優しさは失っておらず、奴隷にした子供たちを必要以上に酷使しようとしなかったり、衣食住の面倒をしっかり見たりと半ば自覚のないまま率先して世話を焼いており(リーシアと錬曰く「むしろナオフミさんこそが奴隷であるかのように働かされている」「村の子たちの親代わり」。本人は否定している)、ラフタリアをはじめ、最初の頃に出会った武器屋の親父やアトラなどにはそのことを見抜かれている。
また、クズや三勇者のように、一度は殺したいほど憎んだ相手でも、更生の兆しや改心、反省していればなんだかんだ言いながら受け入れたりする一面もある。
簡潔に言えば、露悪的にふるまっているが、面倒見がよく根は優しい人。ただし、改心していない敵対者を徹底的に追い詰め破滅させることを喜ぶ精神や、そのためのやり口と言った邪悪な性質を持ち合わせる事は自他共に認めているため、善人扱いされると否定したがる。
性欲について
元々は上でも述べた通りお調子者のヲタクであり、本来の尚文の世界の彼の部屋の中にはギャルゲーのポスターやフィギュア、グッズなどを飾ってある。
他にもラブコメの漫画本や同人誌、エロシーンのあるゲームがインストールされているパソコンなどを所持しているなどかなり重症な二次ヲタ。
一方で三次元の女性に興味がないわけではなく、召喚直後は可愛い女性を見て鼻の下を伸ばすなど異性への興味が人並みにあった。
マインの冤罪の一件以降はトラウマとして異性への興味はほぼ皆無となったが、親ガエリオン戦(ラースドラゴン戦)では、敵の特性によって「マインやクズや世界に対する怒りの感情」…『憤怒』が吸収され一時的に記憶を失い性格が変化して性欲が戻った。
※書籍版ではガエリオンではなく絆の世界の魔竜によって似た事件が起きるが今の性格のまま戻ることはなかった。
しかし怒りに関する感情が記憶ごと根こそぎ吸われたせいか、非常に浮ついた煩悩全開の性格になっており、目付きや笑い方も変な状態になり、
ガエリオンが暴走仕掛けているにもかかわらずパーティーメンバーを可愛いとかツンデレとか萌え要素と称したり
挙げ句「ふふ、エロゲで言えば寝取りだ」「自己犠牲なんて死んでもイヤだね。だって、そんなのやりたくないし」など酷い思考の持ち主に成り果てた。
更にラフタリアが他のメンバーと比べて可愛いと意識してからはラフタリアの困惑や雰囲気を無視して口説き落そうとしたり夜は一緒に寝ようとしていた。
当然他のメンバーが止めようとするが、その時止めに入ったメルティにもキザなことを言って顎クイを実践していた。
これらの様子をみて、当のラフタリアをはじめとしたその場にいた仲間は「気持ち悪い」「こんなのナオフミ様じゃない」と評し、彼を元の?やさぐれた状態に戻すために倒して溶けていたラースドラゴンの死骸に放り込む程ドン引きしていた。
当の尚文も、死骸に放り込まれて憤怒の感情を取り戻した時には、この時の自分の行動を「気持ち悪い」と評しており、憤怒が無くなったことで冤罪前の元の性格に戻ったわけではなく、怒りの感情が欠落したことで煩悩の抑えが全く効かなくなってたと思われる。
新・七つの大罪の盾の尚文
カースシリーズの一つ「新・七つの大罪の盾」が勝手に発動したことで、本来の尚文に入れ替わって誕生した尚文の別人格。web版にのみ登場。
(新・七つの大罪の概要については七つの大罪のページを参照。)
一人称が「ワシ」になり、世界征服を宣言するなど、その言動はどこかコミカルな悪のマッドサイエンティスト。
新・七つの大罪の盾の力で生物を遺伝子レベルで改造することができ、ラフちゃんをはじめとして魔物を新たに作ったり、自分に従うフィーロやキール達を改造し、異変に気づき止めようとするラフタリア達と戦った。
その一方で、尚文本来の優しさはそのままどころか、本物以上に持ち合わせており、ラフちゃんを作ったのも、自分を止めようとしたラフタリアを「本物を殺して入れ替わっていた偽物」と思い込み、「本物のラフタリア」を甦らせようとしたため。他にも、フィーロ達を改造した時にも必ず本人の同意を得たり、必要以上に負担がかからないように改造したりと常に皆を気づかっており、フィーロ達も本心から従っていた(事件後も「本当に優しかった」とキールが涙するほど)。
最終的にラフタリアの説得を受けて「偽物」なのは彼女ではなく自分だったことに気付き、新・七つの大罪の盾と共に消滅。元の尚文に戻った。
最期に、本物の尚文に「後悔しないよう自分の(ラフタリアへの)本心に早く気付くべきだ」と呼びかけているが、その声が届くことなく消滅した。
上記の通りweb版のみの登場だが、書籍版では過去の世界の盾の勇者である「城野守」と仲間の錬金術師「ホルン=アンスレイア」が代わりにこのポジションに収まっている(「本人の同意を得たうえで仲間を改造する」、守のほうはそれに加えて「失った大切な人を取り戻そうとする」といった面が受け継がれている。ただし守のほうはコミカル要素なし)。
書籍版では
書籍版でも基本は同じだが、ほんの僅かだがマイルドになっている。
例を挙げると、無理やり奴隷契約を解除されていたラフタリアが書籍第2巻冒頭で「もう一度契約してほしい」とお願いした時には
web版では「変な奴だなぁ」「何故かマイン(=マルティ)の顔が浮かんで腹が立った」と思っており、「普通だったら別の感情が‥‥芽生えるのか?」と戸惑っているのに対し、
書籍版では「純粋にこの子を守りたい」(ただし、保護者として)と思っている。
他にも、web版で「裏切ったら殺す」「手駒として使える」等と思っている部分が変わっており、改心前の他の勇者(特に錬)に殺意を抱くこともなくなっている。
さらに、上記の城野守が自分を見失い、尚文たちに襲い掛かってきたときは、事情があることを察して、返り討ちにしたりせずに盾の勇者として諭し、戦いを止めさせ、事情を知った後は守に協力するという一面も見せている。
ただしあくまでほんの僅かなマイルドであり、恨み深いという本質的にはそこまで変わっておらず、書籍で追加されたエピソードでの新たな問題行動もきっちり増えている。
例えばカルミラ島での波での戦いで協力して戦っている元康に暴言を吐いてラフタリアから争ってる場合ですかと怒られたり、作戦を聞こうと寄ってきた元康を海に突き落とすなどもしている。
漫画版では
基本的には書籍版準拠であるが、表情やセリフが荒々しく憎悪に満ちたキャラクターとして強調されている場面が多い。またオタク的な側面はほぼカットされている。
周囲のセリフや行動も尚文の憎悪に合わせるように、web及び書籍より問題が増えている場面もあり、特に敵対者に対しては自身の脳内で歪めて認識している一面が多く見られた。
例えば三勇教会で法外な料金を要求された挙句、王の勅命状までも引っ張り出してクラスアップを断られた場面において「話も聞かずに第二王女を突っぱねたのは早計にすぎたか?」と、自らを省みる余裕もある程度はあった書籍版に対し、漫画では「やっぱりこの国の王族はクズばっかりだ…!!」と第二王女までをも勘定に入れて毒づいたり、フィトリアのアホ毛による強制特殊クラスアップにも、強い反発感を見せる場面もある。
三勇者との関係も、若干web版よりマイルド化している書籍版どころか、web版以上に悪化してるような描写が多い。
例えば錬や樹との酒場での会話も早々に切り上げて不機嫌に立ち去ってしまい、原作で行われていた東の村の事件の真相や樹が判断を保留にするような会話をせず、三勇教を探るように託す場面が「お前なら理解してくれるはずだ」と一定の信用と懇願をしているが、漫画では険しい表情で「考えろ」と伝えるだけに留まったり、
webや書籍で教皇と戦うために力を貸して欲しいと一時休戦と共闘を求める元康に対して、本気で決別する気はないが今までの恨みから「死ね♪この下半身でしか考えないクソ野郎」と煽る場面が、自らがそれまで尚文にしてきた事はすべて棚に上げ、力を貸すと勝手に決めつけて一人で教皇に突っ込んで窮地に陥った挙句助けを求めてきた元康に、三勇教も元康も大した違いはないとして「お前らは勝手に死ね」と本気の決別の言葉を述べたりしている。
原作では協力して教皇の強烈な攻撃を凌ぐ場面などもあったため教皇戦のあとでは他の勇者がいないとおそらく勝てなかったと尚文は分析しており、書籍版ではフィトリアからの指摘や忠告もありweb版より三人との和解には前向きなのだが、漫画版では逆に三人を「足手まとい」と認識している。
三人と交流しようとするのはフィトリアとの約束による義務でしかないという面が強くなり、web版以上に三人との関係が悪い。
書籍では勇者会議後の強化方法の共有の場面で三人の言うことを自己暗示じみたやり方ながらも一つ一つ強く信じようとすることで強化方法を解放していったり、信じれば使えると伝えれば三人もすぐに強化方法の共有を使えるようになるとある種の楽観視をしていたり、次元ノ勇魚への攻撃が一番重かったのが三勇者の攻撃ではなくラフタリアのバリスタだったことに困惑するなど、「信じないだけでは進めない」と三勇者にも信頼や期待を寄せようと努力を始めていたが、
漫画版では三勇者への不信が強すぎたのかウェポンコピーすら当初は発動せず、「三勇者は信じず盾を信じる」と認識の方向をずらして勇者の武器の強化方法や機能を一挙に解放し、三人を最後まで信じようとしないまま終わってしまい、三人が強化方法の共有を使えるようになるか不安視しているラフタリアに対しての返事も適当で、次元ノ勇魚戦では最初から三人に期待していないという内心も出してしまっている。
一方で「軽々しく波と戦うなんて言ってはダメです。だってキール君は私より弱―――」と言いかけたラフタリア(傍らでは「弱いから」という理由で樹に解雇されたリーシアが表情を強張らせていた)を「幼馴染に無茶させたくない気持ちは汲みたいところだが、それを最後まで言ったらお前はヤツと同類になっちまうぞ」と窘めたり、霊亀の使い魔に苗床にされかけ足腰立たなくなるほど衰弱したキールに対し「被害拡大を未然に食い止められたのはお前のお陰だ…よくやった」と労いの言葉をかけたりするなど、仲間の心情を思いやっての発言もみられる。
アニメ版では
アニメ版一期では書籍版を基本として、漫画版の描写も取り入れられているが、深夜枠とはいえ地上波アニメのせいか、ラフタリアですら嘆いたり叱っている尚文の勇者らしからぬ賛否ある点について多くが抹消または改変されており、美化されたとも言えるキャラクターとして描かれる。また、漫画版同様にwebや書籍より周囲の行動や言動に問題が増えたり、フォロー部分がカットされてる場面もある。
例えば、書籍ではラフタリアの復讐に対して「力を貸したい。力になりたい」を考えて、実際尚文が動きを止めたところをラフタリアが剣で刺してなお戦意が衰えない仇(イドル)を窓から落としているが、アニメでは逆に窘めて仇の自滅という形になったり、
クズたちの断罪の時に処刑を強く推し、女王の交渉と仲間を助けられた借りを返すために命だけは保証するのに乗るというものだったのが、アニメでは逆にミレリアが処刑しようとして尚文が「生かして苦しめたほうがいい」と止める流れになっている。
なお、アニメのミレリアは尚文が動かなかった場合は自身の命と引き換えに進言する気だったとも語っているが、書籍ではメルロマルクを世界的な批判から守るためなら自分の命を尚文に差し出す覚悟を告げて慈悲に頼った場面で、尚文は当然ながら女王に恨みは無いため「クズやビッチの首が取れるなら頷きたくもなるが別に女王の首なんて欲しくない」と考えている。
第3の波でのグラス戦でマルティから魔力水と魂癒水をくすねてグラスから非難されラフタリアから嘆かれフィーロから悪人みたいと言われていた場面が、アニメでは錬が落としたものを拾って使うだけになっていたり、
父親のことで不安になっていたメルティの前で婿養子なことを馬鹿にして「お前を捨てた」と不安を煽って泣かせた上にその姿を見て笑っていたことをラフタリアから「子供を泣かせて笑うなんて最低ですよ」と叱られる場面も、メルティが不安から涙ぐむだけに改変されている。
普段の態度でも特に書籍では尚文の癖としてオタク的なおかしなことを考えて、そのことを見透かしたラフタリアや周囲からたびたび「あの顔は関係ないことを考えている顔です」「なんか失礼なことを考えていますね」などと指摘されているのだが、アニメでは寡黙な男の人って格好良いと褒めている。
作者いわく「原作より尚文は冷静で、ラフタリアは乙女」「アニメはラフタリアの視点で物語を見ているようだった」
一方で新たな問題点がないわけでもなく、webや書籍・漫画では一度言ったあとは追求しなかった三勇者が関わっている騒動への恨みを、三勇教の身勝手な理屈に便乗して教皇の前で長々とぶち撒けてチャージ時間を与えてしまったり(原作web漫画と違い、三勇者がそれぞれ他の二人に誰が悪いかでマウントを取り始め、尚文に不快感を与えたのもあるが)、
勇者会議で強化方法についての食い違いで三勇者が喧嘩を起こしたのを見ても喧嘩を全く止めず、自分だけ情報を何も語らないまま一人で見限り、結果的とはいえ情報の持ち逃げのような形で退席してしまったり(三勇者は原作web漫画共に揉めはしたが自分たちで喧嘩を止めて尚文の話を聞く体制になってるので、アニメ尚文の問題というより三勇者がアニメで多くの下方改変を受けている結果とも取れるが)、
webや書籍ではウェポンコピーを試す際に、武器屋の親父には恩と信頼があるため事前にきちんと話して許可を取るなど誠意を持って対応している場面が、相手が困惑している状態で勝手にコピーを進めて事後承諾して貰う形になったりもしている。
アニメ第2期では四聖勇者の命を狙うラルクたちがいつ現れるかわからないにもかかわらず強化方法の共有ができていない三勇者を放任したり、奴隸による成長補正も行おうとしないなど、良く言えば落ち着いた、悪く言えば原作より大幅に危機感が足りないような場面が多くなっている。
原作に比べて感情表現が減っているが、キョウ=エスニナを信じようとするヨモギや、彼女と話し合おうとする絆に激怒したり、キョウに論破されそうになってカースに飲まれかけてリーシアに暴言をぶつけるなど、怒りをぶちまける場面もある。
その他の特徴
勇者になる以前から以下の特技や性質を持ち合わせており、本人にあまり自覚はないがいわゆるリアルチートキャラであることが判明している。
とにかく酔わない(酒も乗り物も)
慣れない内は昏倒してしまう程の酔いを発生させるフィーロの馬車の中で調合や細工を行ったり、元康が一粒食べて倒れたルコルの実(高濃度の酒気を含むブドウに似た果実。一粒を樽一杯の水で薄めてやっと飲める。常人は生で食べると最悪急性アル中で死ぬ)を何粒食べても平然としているなど、もはや人間離れしている。あまりに酔わないので、樹からは異能力だと言われる。
動物に好かれる性質
こちらの世界では尚文が奴隷商から購入し村で飼育していた魔物たちも心から尚文の事を慕っていた(村の亜人や獣人に好かれているのにもこの性質が関係してるのかは不明)、そのことから樹からはその性質も異能力かもしれないと言われた。
ちなみにこの体質は野生の魔物にも良くも悪くも作用しており、尚文は野生の魔物と遭遇しやすい。物語の序盤で尚文は貧弱な攻撃力でもかろうじて倒せるバルーンと大量に戦って生計を立てていたが、実はメルロマルク周辺のバルーンの数はあまり多くない。
なので、この性質がなければ早々に詰んでいたと思われる。
商才(話術・交渉)
商売の才能もあり、仲間確保の交渉や癖のある人物との交流も得意。
日本ではネットゲームでの商売を趣味でやっていただけだったが、こちらの世界では当初のオルトクレイからの差別のせいで国からの支援を受けられない代わりにフィーロの引く馬車で行商を行っていた。
尚文にそこまで大きな展望はなかったが、運良く手に入れたバイオプラントを改良して食糧問題解決に繋げたり、努力して身につけた薬の調合、盾の薬の効果上昇のスキルなどで「神鳥の聖人」と呼ばれて結果的にメルロマルクの人々の信頼を勝ち取った。
盗賊をキャッチアンドリリースしてまた金を稼ごうとするなど「どんな時も金に繋げようとする」として、ゼルトブルのアクセサリー商から気に入られたりもしている。
村を復興する時にも行商で資金を稼ぎ、大公になろうと金儲けのことを考えるのは辞めない。
書籍版では過去の世界でも資金稼ぎと転移先のシルトラン国の復興支援のため行商を行っている。
料理上手
一度食べたことのあるものはおおよそ再現でき、料理に関しては一度見聞きした知識を忘れず、更に食べる人の味覚や好みに合わせてアレンジできてしまう料理の天才。
ただ無造作に肉を焼いただけだったり余り物を適当にパンに挟んだりしただけでも、食べた者からは「店が開ける」と激賛されるが、本人は趣味の延長くらいにしか思っておらず、異世界で大好評なことは盾による技能上昇効果だと思っていた。
しかし、『家族からも大学に行かないのであれば調理の専門学校に行くよう勧められていた』
『大学の友人からダチョウの肉やアンコウ等の珍しい食材を持ち込まれて調理させられた』、『回らない寿司屋に家族と共に赴いて寿司の握り方を覚えさせられ、以後は店ではなく自分で握らされることになった』等々、盾の補正無しでもぶっ飛んでいた様子。
上記の冤罪を受けて味覚を失っていた時期でもその腕は健在で、店舗特典SS(書籍版公式設定資料集に掲載)では食用向きでない毒のある魔物を、毒を除去したうえで見事に料理し、食通を絶賛させている。
また、スピンオフ料理漫画『盾の勇者のおしながき』では、見た目はトマトで味は柑橘系に近い「バイオプラントの実」でコンポートやパイを作るわ、バニラ風味の「ガゴッコの卵」でプリンを作るわと、異世界ならではの未知の食材相手に存分に腕を振るっている。
本人は別に料理好きという訳ではなく、面倒だから毎日作ることはあまりないのだが村の子供たちなどには大好評で、彼らのやる気にもつながるのでたまに作っている。
他の家事もおおよそ得意。
後に「盾が鍋の蓋に見える」ことから「飯の勇者」の異名を獲得する(本人は嫌がっている)。
書籍版では、後述の鏡の眷属器の勇者に一時的になったのだが、鏡の強化方法が、
「料理を食べる事でレベルと能力が上がる」
「この強化法を知る勇者が意識して作った料理を食べることで、仲間も強化できる」
というものであり、仲間一同はパワーアップのために尚文の料理を連日食べることになったのだが、尚文が気合を入れて作ったことで満腹になっても美味すぎて手が止まらなくなってしまい、ほぼ毎日食べ過ぎで倒れる羽目になってしまい、一同を恐怖させた。
※ただしこれにより一同の舌が肥えていたため、「波の尖兵」の一人である料理人・セーヤの中毒性の高い料理に魅了されることがなかった。
webでは最後まで自分の料理の才能についての自覚が薄く、カカオの実からチョコを作っても誰でも出来ると思っていたため錬から嘘だッ!と某ヒロインのようなリアクションをされたが、書籍では樹が音楽に関して尚文の料理と同等の無自覚な天才であることが発覚。とてもイラッとしたため、自分の料理や酔わないことについて周りに当然のように語るのを辞めようと考えるようになった。
『槍の勇者のやり直し』でもその才能をいかんなく発揮し、どのループでも同行者に料理を求められるほど。
『真槍の勇者のやり直し』とあるループでは彼の包丁をウエポンコピーした錬が、その武器の効果でゼルトブルの裏料理界で無双し、尚文から(欠点の指摘込みだが)評価されるぐらいの料理上手である元康にまで圧勝するほどの大活躍を成し遂げた。なお、『敗北を知りたい』と言った直後に現れた次なる挑戦者の手で内容省略で敗北を知った
他にも本人の器用さもあるが盾の技能補正もあって、金策のために覚えた薬の調合・アクセサリーの制作技術はかなりの腕前に上達する。家事全般も得意。
魔法を習得するためメルロマルクの文字をラフタリアと一緒に「異世界文字理解の盾があれば楽なのに」と考えながらも覚えたり(結局、最後までそんな盾は登場せず、他の勇者の武器にもなかった)、複雑で唱えるのが難しい龍脈法を面倒くさがりながらも習得したりと、必要な努力をやり遂げられる性格であることも分かる。
名前にこだわらない
これは今までと違い、短所に当たる。
フィロリアルの雛を「フィーロ」と安直な名前を付けたのに始まり、ともに行動することになったメルティを当人が指摘するまで「第二王女」と呼び続ける、樹の仲間の一人であるマルドを格好だけで「鎧」、元康の仲間の女を「女1」「女2」と呼んだり(ただし女1ことエレナは商売人として気に入ったのか珍しく名前を覚えた)、エクレールやウィンディアを名前がわかって以降も「女騎士」「谷子」と呼び続けるなど、悪い意味で相手の名前にこだわらず、ネーミングセンスもイマイチ。
書籍版ではエクレールとウィンディアの呼び名は改善されているが、web版とは違い名前が作中で明かされている武器屋の親父はやっぱり親父と呼んだり、ラフタリアの従兄弟のルフトミラを「ラフタリアの従兄弟」とそのままで呼ぼうとしてラフタリアに止められている。特に敵(主に波の尖兵とその関係者)への呼び名がひどく、言動が似ている(もしくはよく聞き取れなかった)という理由で「クズ二号」「クズ三号」「錬二号」「女2二号」などと呼んでおり、挙句の果てには「今週の敵」とテキトーに名付けられた敵もいた。
ラフタリアや錬にそのセンスへのツッコミや自身をネタにされた事への嘆きを入れられるのみならず、先述の女2二号ことライノがヴィッチを目の前で殺したことから意気投合した際にはラフタリアからは(意気投合の早さを指して)「ルフトくん二号」とまんま真似された。
外伝『槍の勇者のやり直し』では
きれいな尚文
周回ごとに中心である槍の勇者・元康の動向が違い、またそれによって岩谷もそれぞれ影響を受けるので一定したキャラクターではない。
ただ、状況を把握した元康は基本的に「お義父さん(岩谷)を助けよう・そして好かれよう」&「ヴィッチ豚は殺そう・その悪影響の残滓は消そう」を目的として動くという習性がある。
よって大半の岩谷は冤罪事件のときに元康に助けられるため、本編のようなやさぐれている状態ではない。
むしろ元康に助けられたことで優しく、穏やかな口調になっていて、奴隷を使役することにも強い抵抗を覚えるなど本編の尚文とはまるで別人である。
女性にハメられたことに対するトラウマが生まれないためか、本編では嫌っていた下ネタを言うこともある。
もちろん人間不信にも陥らず、むしろ話好きでノリもいい。大抵にこにこしてるが他人と仲良く出来ないと落ち込む。
それどころかいくつかの周回では恋人まで作っている。
一言で言うなら「きれいな尚文」。
物語的に元康の次に出番が多く、本編以上に強調された料理が得意などの家庭的な面、癖のある味方へのアドバイスや悪い意味でフリーダムな味方への教育、
さらに憎しみに囚われそうになった元康を抱きしめて慰めるなど、もはやお母さんである。
また、本編の尚文が性格が歪んでしまってもその本質的な優しさを失わなかったように、こちらの優しい尚文も本編の彼と同じ、敵に対する容赦のなさはしっかりと持ち合わせている。
本編の尚文と比べると彼はかなり温厚なため、自分の命を狙ってきた敵だろうと何とか話し合える余地や分かり合える可能性はないか模索するが、相手が自分の身勝手や欲望や野望を満たすために平気で他人を傷つけたり、殺したりするような敵だと判断した場合はスイッチが入ったように冷酷になり、確実に相手を仕留めるための方法などを考えるようになる。
そのため、普段は優しくいつも微笑んでいるような彼が本気で怒った時のギャップは凄まじく、その容赦のなさもあって尚文が本気で怒った時は仲間達も震えるほどに怖がっていた。
このような尚文の性格の変化を知る元康は、「お義父さんは世界を映す鏡のような人」だと考えた。
パワーレベリングによりほぼ無敵
勇者同士が近いと経験値が入らないため、まず元康が卵からフィロリアルを育てる→育ったフィロリアルが尚文を育てるという手間こそ掛かるが、レベリングによる成長促成により3日もあればフィロリアルは成鳥になり、ランクアップ可能なほどレベルが上がる。さらには人間不信になってない尚文は12の強化法をあっさり習得。スキル解放に必要な素材集めは元康が行うため一瞬で集まり、防具も同様。レベリング&レベルを犠牲にした素質上げを繰り返すことでランクアップせずともレベル200以上相当のステータスとスキルを身に付けている状態になる。
この状態になった尚文の防御を突破できるものはほぼ存在しない。
サイドストーリーでの扱い
公式設定資料集収録のサイドストーリーでは、「成り上がり」や「やり直し」同様とにかく出番が多い。
主人公であるから、と言うのもあるが誰が主役のサイドストーリーでも登場しており、起こっている出来事がかなりはちゃめちゃで、元康がループを無駄にした時の尚文並みに人格がブレブレである。
尚文を主軸としたサイドストーリーでは
『もしも尚文が槍で元康が盾の勇者だったら』『もしもラフタリアが幼いままだったら』『もしもたまごガチャの景品で孵った卵がバルーンだったら』『もしもメルティが最初から仲間だったら』『もしもマインが清楚な性格だったら』とかなり多く
最初の尚文が槍だったら~では、弱職と蔑まれてもいなければ仲間だっているので精神的余裕を奪われていない、ほぼ「素」の状態。ただし潜在的な疑り深さは錬と同等かそれ以上のものがあり、また元来の面倒見のよさもあって冤罪をかけられた元康に飯を恵んであげたりしている。
ラフタリアが幼いままだったら~では、父性が強く目覚めて過保護になり、ラフタリアに玩具を買い与えたり着飾らせたり「ウサピルやエグッグのような雑魚を倒しまくって地道に強くなろう!」と宣言していたり、「お前は俺を盾にして生き残るんだぞ」等と言っており、完全にお義父さんそのものである。
もしもたまごガチャでバルーン~では、バルーンをラフタリアに持たせたりバルーンで空を飛んでメルロマルクの国境を離れたり、便利な移動手段を獲得している。
もしもメルティが最初から~では、メルティと一緒に地道なレベルアップと旅をすることになり、メルティを命に代えてでも守ろう、と思っていたり最初から仲が良好なためにメルティのトゲトゲした感じがなくなる上に尚文もやさぐれずロリに目覚めたりとある意味一種のハッピーエンドである。
もしもマインが清楚だったら~では、メルティの時同様に地道なレベルアップと旅をすることになるがこちらはメルティと違って真っ向からオルトクレイに立ち向かおうと考えた旅となっているが、マインやエレナに雑用を任せられきりでやさぐれる前の尚文とも本編の尚文とも微妙に違うせいで完全な別人と化している。
能力・戦闘スタイル
四聖武器の制限として盾以外の武器を持てず、攻撃力のある動作もできない(ダメージを与えない拘束は出来るが、関節技は使えない。また、倒した魔物の素材回収の為の解体や料理の場合は適用されない)ため、盾と魔法だけで戦うスタイル。
四聖武器はそれぞれに得手不得手はあれど総合的には同格であり、盾の聖武器は四聖武器の中では防御力は最も高い代わりに攻撃力は最下位。
他の武器はある程度攻守両方にステータスが振られているのだが、盾は高い防御力の代わりに攻撃力がほぼゼロという防御特化仕様になっている。
高い防御力のお陰で低レベルかつ武器の強化もあまり進んでいない弱い頃でも、序盤の魔物の攻撃はほとんど効果がなく、魔物に噛まれたまま持ち運んだり、郊外で野宿して噛まれながら眠ると言う事も可能だった。逆に攻撃力は最弱なバルーンを倒すのにさえ何十回も殴る必要がある有様な上に、さっぱり上がらない。
たとえ1でも攻撃力が上がったことでテンションを上げて喜んだり、攻撃力が上がることを期待して裏切られると腹を立てたり落ち込んだりする。
書籍版で出会った過去の盾の勇者の守は防御力は尚文に比べると劣るものの攻撃力があるという性能の違いがあり、そのことについて羨ましがり、盾の聖武器に不満をあらわにしていた。
そのため戦闘で戦闘では防御で様々な効果を持つ盾や結界を操り、敵の攻撃や移動を阻害して味方を守ったり、盾のカウンター効果、更に魔法で戦う。
適性魔法は回復と援護。どちらも同レベル帯では高い効果を発揮するが、逆に攻撃性のあるものは全く使えないサポート特化である。
攻撃性の低さを隙とみなされているのかモンスターに狙われやすいが、ある程度知能の高い魔物は何度か攻撃して尚文の防御力の高さを察すると攻撃対象を変えるため、工夫が必要。
聖武器共通のカースシリーズは「憤怒」を解放し、精神汚染や代償、呪いが使用者や味方にまで降りかかりかねないハイリスクながら、攻撃力以外のステータスの上昇、強力なカウンター効果、攻撃力が貧弱な尚文でもダメージが発生する仕様の攻撃カーススキルが使えるため、仲間が少なく弱い序盤・中盤は多用せざる得なくなっている。
書籍版では風山絆やグラス達の異世界で盾の力が封じられた際に、適性があり一時的にその世界の眷属器の一つ「鏡」の勇者となる。ちなみにその適正とは『その人としての性質が相手を映す鏡のような物だから』である。
もっともその性質は鏡が光を集め束ねるが如く増幅してしまう極端かつ残り続けるものではあるが、それ故に高い適性を持っていたと思われる。
性能としては尚文の残っていた盾と融合した為か、前の持ち主と違って攻撃技は使えず、盾の勇者の時と同様に攻撃力なしの防御特化型の性能を持つ。
ただし、相手の攻撃を反射させたり、鏡を媒介に転移したりという鏡特有のスキルもある。
『新やり直し』で槍の精霊によると、尚文の攻撃力が低すぎる理由は、「夢幻に属する尚文の性質によるもの」と判明している。精霊の宿った武器を持つだけで攻撃力にマイナス補正が働くらしい。そのため守が所持していた際の盾の性能の方が本来のものらしく、鏡の眷属器も盾に融合されたから防御特化になったのではなく、尚文の性質による影響らしい。
タクト戦でクズ(旧名:オルトクレイ)から杖を借りた際は、元々の所持者のクズの攻撃力を借りて戦っていた。またその時の杖がタクトのような不正者に効果的なフェンリルロッドに変化していたのもあって攻撃力がプラスされていた。
ただし精霊の宿った武器を持っていなければ攻撃は可能であり、タクトに盾を奪われた際やタクトにわざと杖を奪わせた際、書籍版で盾を封じられていた際は攻撃し、ダメージを与えていた。また気を使えるため、攻撃に気を込めることもできる。
スキル・専用効果
ここでは代表的なもののみ挙げる。
()内の名称は書籍版における名称である。
エアストシールド
周囲の空間の任意の場所に盾を1枚出現させる。
防御に使えるのはもちろん、足場にしたり、動く敵にぶつかるように出現させて転倒させたりも出来る。
書籍版ではラルクやキョウといった強敵に対し、動きを制限させるような使い方もされた。
ソウルイーターシールドからこれの2枚目が出せる「セカンドシールド」、書籍版では次元ノ勇魚から出た盾で3枚目が出せる「ドリットシールド」まで開放された。
シールドプリズン
任意の場所に複数の盾で構成された檻を作り出す拘束スキル。
自分や味方を囲んで守ったり、敵を囲んで動きを封じたりなどが主な使い方。
持続時間も強度もあまり無いが、気(エネルギーブースト)で強化すると魔力やSPを大きく消費するが持続時間も強度も上がる。
チェンジシールド
エアストシールやフロートシールドなどで出現させた盾を、尚文が変化させられる盾に変化させるスキル。
カウンター効果のある盾や防御力の高い盾に変化させることでそれらの使い幅を広げられる。
亜種スキルにシールドプリズンからの連携で使える『チェンジシールド(攻)』が存在する。
流星盾
自身の周囲を取り囲む防御結界を展開する。ステータス魔法でパーティー登録した味方は通れるため周囲の味方をまとめて守ることも出来る。
隕鉄の盾で習得できる便利な防御スキルで、ウェポンコピーで習得後の霊亀戦以降はこちらがメインに。
結界の防御力自体はエアストシールドよりも低いが、効果に対してSP消費量やCTなども低くとにかく使い勝手が良いスキル。
自分の体に取り付いている敵などを結界の外まで弾き出すことなどもできる。
ちなみに、流星と名の付くスキル(所謂流星シリーズ)は他の四聖武器にもありそちらも便利な万能スキル。
尚文は流星シリーズを多用する他の三人を三馬鹿と呼んでいたが、自分も習得したことで「これで俺も加わって四馬鹿か?」と自嘲していた。
流星壁
慈悲の盾によって解放された流星盾の進化した姿のようなもの。
ステータス魔法で登録したパーティメンバー全員に流星盾を展開、つまりは流星盾が一人に一つず付くようになる。
しかし難点として、「誰か一人でも流星盾が破壊されると全員の流星盾が砕けてしまう」と言う条件がついている。
しかしその条件がついていても守る範囲が広いために流星盾の上位互換とも言える。
Web版最終決戦ではディフェンスリンクと合わせて使用されまくった。
ポータルシールド
いわゆる移動系のスキルであり、
自分が行った先で任意の転移点を三箇所まで登録することができ、
自分と近くにいる仲間の中から最大6名までを登録した場所に転送することができる。
物語の後半では馬車の強化方法で移動箇所と人数も増やせるようになった。
非常に便利なスキルであり、他の勇者の武器にも名称こそ違えどこれと同様の効果のスキルが出る。
ただし、便利なスキルな反面制限も多く、
・馬車などの大型の荷物は転送することができない
・洞窟や建物の中での転移点の登録は基本的に不可能
・儀式魔法の効果範囲内や一部の魔物の縄張りあるいは聖域の中等では発動できない
・クールタイムが一時間と長め
そのため、このスキルを使いたい時に発動できなかったという状況も多い。
龍刻の砂時計の砂を武器に入れると出る武器で習得できるスキルであり、管理者が三勇教だったため他の三人は比較的早い段階で頼んで砂を貰い開放している。
web版では霊亀事件の後に元康を捕縛した時に発覚し、書籍では勇者会議の際に転移スキルについても教わっている。
セルフカースバーニング
呪いの炎を周囲に放つ、憤怒の盾の専用効果。
自発攻撃ではなく、敵意を持った近接攻撃に対するカウンター。
治癒魔法を阻害する呪いの効果を持っており、最高品質の聖水をもってしても治すのにはかなり時間のかかる強力な呪いを秘めている。
しかし教皇戦では一瞬で無効化されている。
ダークカースバーニング
憤怒の盾IIがグロアップしたラースシールドの専用効果。
セルフカースバーニングの強化版で近接攻撃にしか反応しない欠点もそのまま。
ステータス魔法で強化するとSと言う部分が追加されている。
また、アニメ版では何故か憤怒の盾の状態でも使用されており、その際の炎の色は緑色だった。
憤怒の盾II以降に内包されたスキル。
自分から攻撃可能な、カウンターではない貴重スキルだが、コンビネーションスキルとなっており、
シールドプリズン→チェンジシールド(攻)→アイアンメイデン
と、この順番でスキルを唱えることでしか発動できない。
敵を盾の檻で囲み、敵を囲む盾を針の盾などに変化させることで内部の敵に攻撃し、最後に自分の持つすべてのSPを代償に巨大な拷問器具を出現させ、盾の檻ごと敵を閉じ込めて貫かせる、
という流れのスキルである。
ブレスシリーズである慈悲の盾の解放とともにラースシールド以外でも使用可能になった。
前提となるスキルが2つもあることと、下記のブルートオプファーの存在で、実はあまり使われていない。
web版ではグラスを撤退させたものの、次の戦いで教皇に使おうとするも前提のシールドプリズンが教皇のスキルの余波にすら耐えられず破られてしまったため発動できず、
書籍版・漫画版では波のボスであるソウルイーターこそ撃破したが、その直後に現れたグラスにはろくなダメージを与えられずに内部からあっさりと打ち破られてしまう。
その後の出番はほぼブルートオプファーに取られてしまっていることも相まって、不遇のスキルと言えるかもしれない。
書籍版ではメルティをめぐる森の攻防で、メルティをマインに受け渡して気が逸れた元康を殺そうと放たれるが、閉じる前に樹と錬に迎撃されて動きが鈍ったところ集中攻撃で破壊されて不発に終わった(なお代償のSP全消費はきっちり支払わされた)。
アニメではSP全消費ではなくなり、グラスから逃亡する時にエアストシールドを発動する程度の余力が残っている。
ブルートオプファー(書籍版では「ブラッドサクリファイス」に改名)
ラースシールドに内包されたカーススキル。
自身への大量出血を伴う激しい呪いの傷を代償に、巨大な多重層式のトラバサミを召喚し対象を血肉の塊になるまで噛み砕く。発動後は長期間のステータス低下の呪いも受ける(尚文の場合は防御力は低下しない)。
呪いダメージは聖水などで清めることが出来るが、ステータス低下の呪いはカーススキルの代償として時間経過でしか回復できない(これは他の勇者が使用した別のカースシリーズによるカーススキルの代償でも同様)。
ディフェンスリンク
尚文の防御力を味方全員と共有するスキル。
本来なら制限時間のあるスキルだが、神となった尚文は制限時間を∞に出来る上に神となって尚文自身の防御力も神の攻撃を受けて平然としていられる程の高さがあるために、尚文とは相性抜群である。
尚文以外が使えた場合は完全に自殺スキルと化すらしい。
Web版最終決戦では流星壁と組み合わされて使われまくっている。
最初に効果を試すために付与された錬からは「生きた心地しないぞ………」と言われた。
魔法
こちらも代表的なもののみ挙げる。
ヒール
基本的な回復魔法。
回復と援護の魔法適性だけあって単純な回復力は四聖で最も高く、リベレイションで放つことで呪いにも効果を発揮する。
オーラ
カルミラ島の石碑を読み取って覚えた、対象の全ての能力を上昇させる魔法。
特にリベレイション・オーラⅩともなると250ものLv差を余裕で覆す程の強化性能となる。
終盤でとても重宝され、この魔法がかかっているのがデフォルトのような状態になった。
特技(スキルとは別枠)
壁/集/玉
変幻無双流という武術の理屈を独自に解釈してアトラと作成した、簡単に言えば気功みたいなスキル。
壁で弾き、集で敵の攻撃を一点に集め、玉で跳ね返す。
使用防具
作中で尚文が使用した防具などについて。
鎖帷子
尚文が異世界に来て最初に購入し身に着けた防具。
斬撃耐性があり、序盤ではそれなりに使えるオススメの防具らしい。
マインに盗まれて元康に着られたせいで上記の通り冤罪に根付くトラウマの象徴となっており、周囲からどんなに勧められても絶対に着ようとせずその度に怒りを見せる。
また「槍の勇者のやり直し」での元康は尚文にトラウマを植え付けた事に心を痛めており、「お義父さんに笑顔で鎖帷子を受け取ってもらいたい」という願いからフォーブレイ編とゼルトブル後編では冤罪事件の際に尚文に返している。
蛮族の鎧(初代)
エルハルトにオーダーメイドで作って貰った初の防具。
性能は鎖帷子と同等程度………らしい。
尚文曰く「世紀末の雑魚が着てそうな鎧」だが、肩にトゲは生えてない。
書籍版での挿し絵を担当している弥南せいら氏曰くファーがついているのはマントではなく鎧自体の模様。
アニメ版や異世界かるてっと2ではマントについてしまっている。
蛮族の鎧+1
ドラゴンゾンビの骨や核石を取り付けて作った鎧。
闇耐性や防御力の上昇等と無印の時とはかなりの差がついており、ドラゴンゾンビの核石のおかげで憤怒の盾のグロウアップや憤怒の衣(中)等とリンクするようになった。
自己修復機能付なので多少は壊れても直ぐに直る模様。
憤怒の衣
グロウアップした憤怒の盾を使用した際に出現した鎧。
蛮族の鎧と一つになったかのようになっているためかアニメで変化した際には少しずつ形状を変えていた。
専用スキルにSPを消耗して暴走した眷属を操る「竜の咆哮」やカーススキルの「ブラッドサクリファイス」を使用出来るようになる。
アニメ版ではコレを発動させると憤怒の盾のサイズが変わる様子。
蛮族の鎧+1?
書籍版でフィトリアによって加護を与えられた蛮族の鎧+1。
炎と風、カースシリーズの精神汚染への耐性が付与されているが、防御系のため地味な効果。
それでも直後の元康戦では炎と風の合成スキルで攻撃されたため、これがなかったらどうなっていたかわからないほどの威力だったのもあってピンポイントで役に立った。
甲冑
書籍版のみに登場。
絆の異世界で蛮族の鎧が機能しなくなった尚文が現地で稼いだ金を使用して購入した鎧。
イラストを見る限り、中世日本の足軽用の甲冑に近い。
性能こそショボいが現地に溶け込めるメリットを持つためにそれなりに使用していた。
バルバロイアーマー
書籍版のみに登場。
絆の異世界へ乗り込んだ尚文たちの武器や蛮族の鎧が機能しなくなったため、ロミナと言う鍛冶師に四聖獣の素材と魔竜の核石を用いて改造して貰った物。
性能は良いが呪いの力を持っているため着用していると常人なら肋骨が全部折れる程締め付けられるらしく、体が頑丈な尚文でないとまともに着られない。
蛮族の鎧+2
書籍版では絆の異世界からの帰還後に脱いだバルバロイアーマーを、web版では霊亀戦の際にボロボロになった蛮族の鎧をエルハルトに預けたことで作って貰った新たな蛮族の鎧。
様々な効果を付与されており、web版での下記の蛮族の鎧EXと比較した尚文曰く「これでも神に負けないくらいの性能なんだけどな」と述べており、かなりの専用効果を持っている。
蛮族の鎧EX
web版での最終決戦の際にエルハルトが作り上げた最高傑作。
霊亀・鳳凰・麒麟素材や尚文の世界から持ち込まれた書籍の知識から作ったカーボン素材等、様々な素材を用いて作成されている。
様々な耐性や恩恵を受けられるほどのハイスペックな鎧であり神獣、フィロリアルクィーン、応竜レベルのドラゴン、精霊からの加護を得ている。
そのためか尚文が装備した際の防御力上昇量は尋常ではない模様。
その上に空を飛ぶことも出来るようになるので、正にこの作品のラストに相応しいとも言える防具。
使用した盾
作中で尚文が使用した盾などについて。
スモールシールド
盾の初期状態。
普段から肩についていたり腕についていたりと色んなところについている。
第二の波の際にはこちらを使用している。
ロープシールド
ロープを盾に入れたことで解放された盾。
ロープ射出やエアストシールドが使えたりロングフック付きだったりと割と便利。
ライトメタルシールド
ライトメタル鉱石を盾に入れたことで解放された盾。
魔法防御力が上がったりするようで、第二の波でラフタリアを魔法攻撃から守る際に使用しており、元康との決闘時も最初はこの盾を使用していた。
双頭黒犬の盾
ラフタリアが撃破した双頭黒犬を盾に入れたことで解放された盾。
専用効果でカウンター技のドッグバイトが使えるようになったことで、元康との決闘やカルミラ島でグラスと戦った際に使用している。(アニメ版)
キメラヴァイパーシールド
第2の波のボス、次元ノキメラから取れた素材を盾に入れたことで解放された盾。
カウンターで相手に毒を浴びせたり、チェンジシールドが使えるようになったことや高い防御力を持っている事からも尚文からかなり高い評価を受けている。
憤怒の盾
元康との決闘での妨害行為によって敗北した尚文の怒りの感情が限界にまで達したことで解放された盾。
初使用したのはドラゴンゾンビ戦。
竜の核石を取り込んだことでグロウアップをしたり、憤怒の衣、セルフカースバーニング、アイアンメイデン等のカーススキルを使用できることから強いことには間違いないものの使い勝手は尋常ではない程に悪い模様。
アニメ版や異世界かるてっと2ではラースシールドとの使い分けが出来るのか、ラースシールド取得後でも使用されていた。
ブックシールド
薬屋からもらった薬の中級レシピ本を読み終えた後に盾に入れた事で解放された盾。
見た目が本の形になる盾で防御力は物凄く低いが、行商を行う際に自身が盾の勇者である事を隠すための偽装として用いていた。
ソウルイーターシールド
波のボス、次元ノソウルイーターから取れた素材を盾に入れたことで解放された盾。
カウンターで発動するソウルイート、SPドレイン無効、SP回復の効果がつく上にキメラヴァイパー以上の防御力を持つため、尚文からかなり高い評価を受けている。
ラースシールド
憤怒の盾がグロウアップを重ねた姿。
Ⅲ以上からは英語名表記に変わってそれ以降もこの表記の模様。
スキルもダークカースバーニングやブラッドサクリファイス等と新たなものが追加された上に集団儀式高等魔法である「裁き」すらも耐えきるほどの防御力を誇る。
後述の慈悲の盾入手後にロックされて使用不可になってしまったが、Web版ではタクトに対する怒りからロックされていても尚二回のグロウアップを一瞬で行っている。
書籍版ではキョウとの戦いの際にⅣへとグロウアップを果たし、メギドバースト(本編未使用)を習得し、タワーシールド程のサイズへと進化している。
書籍版のタクト戦でもWeb版同様にⅤへグロウアップさせ、その後は魔竜の干渉によって慈悲の盾によるロックをかけられても再度使用可能になっている。
アニメ版では憤怒の盾との使い分けをされているようで、憤怒の衣(中)を発動させると憤怒の盾が更に大きくなるように登場している。
勇魚の盾
波のボスである次元ノ勇魚の素材を盾に入れたことで解放された盾。
炎に対する耐性がかなりあることで霊亀の手下と戦う際には熱線攻撃を防いだ。
しかし雷攻撃にはかなり弱い模様。
霊亀の心の盾
霊亀の心であるオスト=ホウライから託された盾。
専用効果のエネルギーブラストを使用出来るようになり、尚文自身も「この盾で必ずキョウを倒してやる」と意気込み、有言実行して見せた。
霊亀甲の盾
エルハルトが霊亀の素材を鍛え上げて作り上げた盾。
霊亀シリーズの効果やスキルを一つにまとめたような盾であり、グラビティマジックスナッチやEフロートシールド等が使用できるようになった。
慈悲の盾
鳳凰との戦いで死亡したアトラの亡骸から解放された盾。
ブレスシリーズの一つであり、カースシリーズを乗り越えた者にのみ使用出来る盾。
流星壁やアイアンメイデンが使用できるため、強さや十二分、更には慈悲化と言う専用効果によって槌の眷属器に近い形で慈悲の盾の効果を他の盾に上乗せすることが出来るようになる。
0の盾
不正な力を打ち消し、神の攻撃にも耐えうる0シリーズの盾。
フィトリアの聖域にあった不老不死の薬を盾に入れた事で解放された。
見た目はスモールシールドと全く同じらしく、全てのステータスが0という極端な性能かつ普通の敵相手ではすぐに壊れてしまうため尚文からはネタ装備かと思われた。
劇中の動向・活躍
本編
冒険三日目にマルティと元康たちに強姦魔扱いされ、地位も金銭も何もかもを失い、
食べ物の味が解らなくなるほど世界を憎みながら元の世界に帰るための手段を探しつつ、波に備え、生き延びるための行動を開始する。
その後奴隷商と出会いラフタリアを購入する。
ラフタリアを購入する前は商談もままならなかったため、マントの下に魔物を隠し『盾だから』と舐めきった相手にけしかけていた。
1回目の波では、ボス戦やドロップ回収よりも、村人の救出や避難誘導を目的に戦い、リユート村人から多大な信頼を勝ち取る。
波の終了したあとの祝勝会で、元康にラフタリアの解放を目的とした決闘を挑まれる。
その時にもマントの下に隠しておいた魔物と高い防御力を活かし元康を追いつめるが、マルティの魔法による横やりを受け敗北する。
決闘に敗北したと同時にマルティが姫だという事の他、なぜ一人も仲間がいなかったのか、支給金の多さの謎など、一連の出来事が仕組まれた出来レースだとわかり、カースシリーズが解放されるほどの怒りと不信感にのまれるが、
直後にラフタリアからどんなに苦行だろうとついていくと言う言葉を受けて涙し、味覚を取り戻す。
その後は奴隷商からフィーロを買ってリユート村からもらった荷車を使い、メルロマルク各地に赴いて、自身が調合したアイテムを行商をしつつ、錬たちの解決したはずの事件の後始末などをしたりして国民から匿ってもらえるほどの信頼を得るようになる。
これらの目的は金稼ぎであり善意ではないのだが、困っている人を見かけると商売のチャンスと捉え商売がてらに解決してしまう。
しかし悪名高い「盾の勇者」の商品では購入されない恐れがあるため、接客はほとんどラフタリアに任せて自分は人前に出ず、姿を晒す際も盾を本に偽装して正体を隠していた。いつしか「神鳥の聖人」と呼ばれるようになり、後に三勇教によって正体を明かされるとともに悪評を広められた際も助けた人々からの信頼は揺らがなかった。
行商の途中で第二王女メルティと出会い、自身に新たな冤罪をなすりつける陰謀によって暗殺されかけたメルティを一時メンバーに加え、国外へと逃亡を図るが、三勇教に捕捉され教皇と対決する。
教皇戦直後に女王が帰還し、メルティの件を含めたすべて冤罪が晴らされる。女王の計らいでカルミラ島で経験値を稼ぎつつ、勇者の仲間たちのメンバー交換などもして自分以外の勇者の現状を知る。
更なるパワーアップを目的に三勇者が復活させた霊亀を討伐後に報奨としてラフタリアの故郷である領地と伯爵の地位を貰い、復興に尽力した。
これは霊亀討伐時に同行した連合軍の兵士があまりにも弱かったので自分で戦力を育てるためだが、真の目的は今まで自分を信じてついてきてくれたラフタリアへの恩返しである。
彼らは霊亀関連の失態で落ちぶれていたため、かつての復讐を兼ねてそれをあえて止めずにいたが、
カースシリーズに侵されて暴走した勇者を倒したのち、『また変な行動をされるよりは』と近くに置くことになる。
霊亀の一件で味方の貧弱さを危惧して私兵の育成や連合軍の連携の強化などを図り遊びではない、覚悟のない奴は戦うなと再三に渡り言い聞かせていたが、いざ鳳凰戦でアトラが死んだ際は戦闘不能になる程悲しみや虚無感に支配され、一度は戦闘禁止しようかと考えるが錬やフォウル、奴隷たちの意見と決意を聞き再度出撃させることを決める。
同時にアトラの遺言で自分の考え方を見直し、周囲の人間への対応の変化させたり村の規制をある程度緩和させ、配下の奴隷たちも安い労働力から大切な仲間に変わり(仲間たちのために)この世界を守っていくことを決める。
『タクト編』では想定外の出来事に油断をして、一時敗北、撤退をするが、盾の精霊とクズ(旧名:オルトクレイ)から借りた杖の力によって強化した援護魔法で凡そ250Lvは離れているだろうタクトの攻撃を余裕で見切れるようになり、盾の精霊の力を借りて眷属器を不正所持していたタクトから全ての眷属器を奪回する。
フォーブレイ軍を退けた戦功とメルティの嫌がらせによって大公の爵位をもらう(事実上のメルティとの婚約)。
『女神編』では理を超えた女神の攻撃によって死亡するが、アトラの機転によって元の世界へと、思わぬ形で帰還をする。
メルロマルクに戻った時に、女神の攻撃で死んでいるという認識をされていたたため、戻った時はゾンビやら敵の手先扱いをされるなど散々な扱いを受ける。
サディナにこの疑いを晴らしてもらった後は、全ての黒幕である女神と戦い、最終的にはラフタリアと共に撃破する。
以後、元の世界から再び世界を渡る途中に入手した神としての力により「世界を見守りつつ神狩りを行う尚文」「異世界に残った尚文」「元の世界に戻った尚文」などの複数の尚文が存在することになった。
外伝『槍の勇者のやり直し』
こちらの世界でも赤豚(マルティ)とクズ(オルトクレイ)にハメられ強姦魔扱いされるがその直後に元康に助けられたため、世界を憎むほどの憎悪を抱いていない。
チュートリアル編では元康に助けられたが、シルトヴェルトの方が気も楽で安全と判断して元康と別れるが、国境付近で3勇教の刺客に殺されてしまう
※以下全編元康に助けられるので省略
シルトヴェルト編は一時3勇教の刺客に殺されかけるが、追い付いた元康に再び助けられる
その後はシルトヴェルトへと亡命するが、シルトヴェルトが盾教のため亜人達からVIP待遇を受けながらも波への対処を引き続き行う
メルロマルク編では、最初の世界にならい元康と行商を始めるが、行商で善行をしすぎてしまい国民が盾教に改宗して革命を起こし、シルトヴェルトと戦争を始めるまでになってしまうが、かろうじてメルティと革命を食い止める
女王が帰還してオルトクレイに罰を与える際になし崩しでメルロマルクの国王へとさせられてしまう(ミレリア達が王位を交代しない限り国民が納得しないだろうという判断)
最初は元康のテンションについていけず壊滅的な説明の下手さに変人扱いしていたが、九死に一生を経た後は心から信頼するようになり、フィーロたんを探す手伝いをしつつループした後元康にどう立ち回ればうまくいくかなどの助言を与える。
料理の才能と商売の才能があり、料理に関しては一度食べればだいたい再現できる。
大量に入手した肉を保存するためにサバイバルに近い状態でウインナーを作ったり最初の世界では小麦粉(のようなもの)、卵、果実の蜜を使いクレープを再現した。
また、奴隷用の味付けと元康たちの日本人向け味付けなどを難なく分けたりもする。
商売に関しては、ナメられて粗悪品を売られないよう本編のような口調や目つきになったり、今後のことを考えた購入プランなど、天性のものであることがうかがえる。
シルトヴェルト編では金銭に余裕があり、本編とは違い薬を安く売る、足りない場合は本編では売らなかったが後払い制を取る等、お金にはあまり執着していない
『豚の言葉が分からない』と言う元康のために女性の言葉を自分が復唱して伝えてあげたりする時がある。
また、元康がループをする際に説明の下手さで二の轍を踏まないように様々な指示や忠告をする。
最初の世界と比べると仲間に最強クラスの元康がいて、自分がいなければ倒せないような強敵が(ほとんど)出てこないため「自分は守ることしかできない」と自嘲することが多くなっている。
また、勇者の使命からか世界のの滅亡の危機の中で利己的な理由での戦争には興味がなく、勇者が居ない限りは対応しない、無理に出撃させるなら逆に見限って他の国を拠点にする等、厳しい一面もある。
その他
- 『異世界かるてっと』での尚文
『異世界かるてっと2』ではラフタリアやフィーロと共にゲスト出演している。
関連イラスト
主にやさぐれる前とやさぐれた後の2種類がある。
やさぐれる前(マイルド尚文)
※主に『盾の勇者の成り上がり』序盤及び『槍の勇者のやり直し』本編で登場。
やさぐれた後(ワイルド尚文)
※主に『盾の勇者の成り上がり』本編で登場。
関連タグ
盾の勇者関連
盾の勇者の成り上がり 槍の勇者のやり直し 異世界かるてっと2
その他の四聖勇者
仲間・配下
ミレリア=Q=メルロマルク リーシア=アイヴィレッド エクレール=セーアエット
巌窟王:冤罪地獄から這い上がって世界を見返した恩讐の化身。ヒロインであるエデの境遇がラフタリアともよく似ている。