概要
主人公の岩谷尚文が作り出した存在であり、事実上のペット枠。見た目は狸やアライグマをデフォルメしたような姿で鳴き声は「ラフー」等。
名付け親がweb版ではサディナ、書籍版とコミカライズ版では尚文、アニメ版ではフィーロとそれぞれ異なっている。
誕生の経緯がweb版と書籍版と違うので、別々に紹介する。
web版
ラフ種の成り立ち
ある日、カースシリーズ「新七つの大罪の盾」が勝手に発動したことで、尚文がおかしくなってしまう。一人称が「ワシ」になり、世界征服を宣言するなど、完全に別人格に変わってしまったのだ。
異変に気づき止めようとするラフタリアだが、尚文はそんな彼女を「本物を殺して入れ替わっていた偽物」と思い込み、自分に従うアトラやフィーロ達と共に要塞に立てこもり、尚文の仲間たちが二つに分かれて戦うという事態となってしまう(なお、別人格になったせいか奴隷紋が機能しなかったため、ラフタリアに直接危害を加えられなかった)。
その最中、尚文は「本物のラフタリア」を甦らせるための実験で彼女のクローンを作ろうとする。材料にしたのは、奴隷にして間もないころにラフタリアの散髪をしたときに何気なく盾に吸収させていた彼女の髪の毛。その実験で生まれたのが新種の魔物「ラフ種」である。
ラフタリアがベースになっているためか、幻覚魔法などが得意。また、「偽物」への嫌がらせのため、ラフタリア本人を「ニセモノー」と呼ぶように調整されている。
最終的にラフタリアの説得を受けて自分の方が「偽物」だったことに気付いた尚文が元の人格に戻ったことで事件は終わったが、ラフ種はそのまま定着してしまい、ラフタリアへの「ニセモノー」呼びは相変わらずであり、ラフタリアは苦手意識を持っている。
ラフちゃん誕生
その後、尚文達がフォーブレイに行く時に馬車の下に捕まって隠れていた所を鳴き声を聞いた尚文に見つかり、そのまま連れていくこととなる。この際、サディナによって名前を付けられる。また他のラフ種と違って、ラフタリアに対して一度だけ「ニセ……」と言いかけただけで、その後一度も「ニセモノー」呼びはしなかった。
フォーブレイとの戦争準備の際に、その出自が明らかになり、ラフちゃんは人工知能に継続させて創ったおかしくなった尚文の残した産物であり、ラフ種の第八世代にして完成形であることが明かされた。全てのラフ種と繋がっており、能力が総合されており、更に手に入る経験値を一部拝借できるため、初めて遭遇した際はLv80だったが、改めて調べたときは90に上がっていた。
その後は尚文のペットのような扱いとなり、同時にタクトのキツネ女との戦いでラフタリアと連携して戦ったりとその実力を見せるようになる。
最終盤の女神戦では異世界の眷属器である船の勇者に選ばれ、女神撃破に貢献した。
エピローグではフィトリアやフィーロと同じように不老となっている。最終盤から遥か未来で精霊達の守り部となった尚文達と再会する。フィーロとは異なり、世界を影から守るために留守番し、尚文達を見送った。
書籍版
グラスや風山絆達の異世界に渡った尚文だが、ラフタリアとはぐれてしまう。絆の仲間エスノバルトから「式神」という使い魔を作り捜索してみてはと勧められ、web版同様にラフタリアの髪の毛を材料に作り上げた。つまり、こちらでは魔物ではない。
エスノバルト曰く「(誕生時ですでに)自我が確立しており、肉体と精神がすでに定着している」と驚かれている。
こちらも幻覚が得意だが、それに加えて尚文とラフタリアとは魔力で繋がっているため、離れていても二人を探知することができる。
また魂が見えるという最大の特徴を持っており、ラフちゃんを通して魂を見通せた事でキョウやセインの宿敵勢力の刺客等を撃破する戦果に繋がった事もある。
こちらでは彼女(?)以外のラフ種は、村の魔物達をクラスアップしようとした際に、ラフちゃんの干渉で彼女と似た姿の魔物となる特殊なクラスアップができるようになり、魔物の大半がそのクラスアップを選び、変化したもの。なおこの頃から本人もほとんど魔物と同質の存在となっている。
誕生の経緯が違うので、「ニセモノー」呼ばわりこそないが(ただし、後にラフ種の一体に「ニセモノー」と呼ばれてしまった)、自分のコピーということと、尚文がやたら可愛がるためにやはりラフタリアは苦手意識を持っている。
それに加えて、尚文の悪ふざけに対し止めようとするラフタリアとは逆に一緒に悪ノリすることが多く、その事でも頭を悩ませている。
上記のラフ種の増殖にはさすがに我慢の限界で阻止しようとするが、ラフちゃんの方が一枚上手で失敗に終わっている。
さらには、従兄弟のルフトミラ(ルフト)が尚文と同様にラフ種好きになってしまった上に、ラフちゃんによるクラスアップを受けて、ラフ種型の獣人に変われるようになってしまい、さらなる頭痛の種となっている。
ラフタリアは何度もラフ種関連で暴走する尚文をいさめているのだが、「これだけは譲れない」と尚文が話を聞こうとしないため、最近では言動が過激になったりとかなりストレスが溜まっている模様。さすがに尚文も「これ以上はカースシリーズに目覚めかねない」と自重することも考えだしている。
また既にエスノバルトが船の勇者になっていたことや、その後、船が敵に奪われてしまったこともあり、まだ船の勇者になっていない。
ちなみに公式スピンオフ漫画『盾の勇者のとある一日』では第一話のあるコマで体半分が隠れる形で密かに登場している。
アニメ版では、若干流れが違うものの、同様にラフタリアの髪の毛から作成された。
ただし、直前にラフタリアが敵の手に落ちていたことで尚文に余裕がなかったためか、名付けは後回しにされており、再会したフィーロが名付ける形となった。
なお、EDのクレジットに出ていないため、当初は声優が明らかになっていなかったが、ラジオにて瀬戸麻沙美さんが演じていたことが明かされた。
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以下、ネタバレ
その正体
真・槍の勇者のやり直しでは、元康とガエリオン(メス)がバイオプラントの技術で再現して生み出している。
その際に若干ぼかしてはいるが、ラフちゃんに宿る魂が、実はラフタリアと尚文の周りに残留していたリファナであることが判明する(ただしそれに気が付いているのはガエリオンのみで、一緒にラフちゃんを作った元康は気が付いていない。またアニメ版の映像ソフト3巻の特典4コマ漫画で上記のラフタリアと尚文の周りに残留していた事について匂わせる描写がある)。また槍の勇者のやり直し(web)終盤の元の世界のラフタリアもその正体を察しており、警戒心も薄れている。
書籍版の誕生の際のエスノバルトの疑問もリファナの魂が入ったためと思われる。なお尚文達は(エスノバルト達からしたら)異世界人であるラフタリアの髪の毛からできたために起こったイレギュラーだろうと思われた。
ガエリオン曰く、そのまま復元することもできるのに本人が魔物の姿を望んだらしく、自身の正体を名乗らないのも「どのループでも隠れきる事を喜びにしているなの」ということらしい。
しかしアネコユサギ先生の活動報告によると、元に戻すとかは出来ないらしく、魂になった段階で生前とは別の存在となっており、話が出来ても違和感が強く悲しいすれ違いが起こってしまうらしい。ラフタリアもその辺りを知っているため、そこまで踏み込まずに居る。