概要
初登場は「盾の勇者の成り上がり」の序盤。
まるでダチョウのような巨大な鳥で、高速で走ることが出来る。食用可。雑食。
(尚文曰くチョ○ボみたいとの事。)
馬車を引くのが好きで変異性に富む魔物
特性として馬車を引くのが大好きで自分専用の馬車を欲しがる。
鳥型魔物だからかキラキラしたもの(益物、ゴミは問わない)を集めたがる習性も持ち、自分の馬車に飾り付けたりもする。
また、雑食でなんでも食べて食欲旺盛。成鳥になるまでに食べたものでステータス・得意なことが変わる。
勇者が育てるとキングorクイーン個体へと育つ特別な魔物
通常はダチョウに少し羽毛を足したくらいの姿だが、四聖勇者が育てると丸っこい外見の能力値が増したフィロリアル・キングorフィロリアル・クイーンと仮称される上位個体へと育つ。
キングとクイーンは通常個体と違い人型になることもできるようになり、会話もこなす。鳥型のままでも喋れるようになる。勇者に付けられた名前を自らの一人称とする傾向がある(例:「フィーロの名前はフィーロ!」)。
その丸っこい外見は一見しただけでは太ったように見えるが、羽毛が背中を主に増量されたためで、体型そのものはダチョウ型のままである。
そのため毛先から地肌まではラフタリアや尚文が肩近くまで腕を突っ込んでようやく届くほどの深さが存在し、子供程度の小柄な存在なら羽毛に埋もれて眠ることも可能。
戦闘もこなし、魔法も使えるが得意なのは強力な蹴りを主体にした肉弾戦。嘘に対しては本能的に敏感であり、不審な言動を見せれば即座に、かつ容赦なく質問責めにするため敵からすれば厄介。
更にフィロリアルの時には個性の差で収まっていた食べた物による変異が、より顕著な特性として発露するようになる。
また人型に変身した時の外見は各個体ごとに固定で、経年で成長したりせず、精神年齢も人型の外見に準拠する事が殆どである。
卵から孵して育てた個体の場合、人型の姿は主人登録した者に気に入られやすい姿をとる傾向がある(尚文が主人の場合は周囲の者達とのキャラ被りを避けた姿になり、元康が主人の場合は元康の思慕の対象であるフィーロと同じくらいの背格好の姿になることが多い)。
クイーン個体のフィロリアルが勇者と共に戦った伝説も残っており、その影響でふくよかなフィロリアルは「神鳥」と呼ばれている。
グリフィンやドラゴン等、他の騎乗可能生物と仲が悪い。
昔は空を飛べるフィロリアルも居たらしいが、グリフィンに駆逐され、絶滅してしまったとの事。
とある場所ではフィロリアルレースと呼ばれるものも開催され、スピードのみにこだわって育てられたフィロリアルたちが刹那を争っている。
作中に登場するフィロリアル
盾の勇者の成り上がり
フィロリアル・クイーン。
尚文が最初に飼ったフィロリアル。
詳細はリンク先を参照。
- 村のフィロリアル
尚文が領地で飼っているフィロリアル。
通常のフィロリアルよりも個体値が高く成長している。
- ヒヨちゃん
薄紫色のフィロリアル。村のフィロリアル達の中でもフィーロに次ぐ古参で、フィーロの子分1号ということになる。名前は村の奴隷たちが付けた。メス。
尚文のことは「ゴシュジンサマ」と(陰で)呼んでいる。(おそらくフィーロや、後述の元康が連れてきたフィロリアルたちの影響と思われる)
尚文の希望で、フィトリアから授かったフィーロの権能によってクイーン化を抑制させていたが、元康が村に居ついてからはそれでも抑えきれずクイーン化してしまった。
フィーロや、元康が育ててクイーン/キングに到達させたフィロリアルらとは違い、人間態はほぼ大人に近いくらいの少女の姿で、性格や喋りも秘書官じみた理知的なもの(後述のユキと同等かそれ以上。直属上司のフィーロの、性格や姿の子供っぽさを反面教師にしたのだろうか…?)である。
なお、いつぞや尚文がヒヨちゃんと遊んでやりながら「人間みたいに喋ったり言い返したりしてこない動物だからこそ、一緒にいて胸のうちをさらけ出せたり可愛がったりできるぶん癒される(=フィーロは人間くさくなった分そこら辺ができなくなった)」と吐露していたのを覚えており、しゃべっている姿や人間態は尚文には見せようとしない(フィーロの二の舞になって尚文に可愛がってもらえなくなるのを避けるため)。
また、この件については尚文がいないときを見計らって、自分の下にいる後輩フィロリアルたちに厩舎で「講習会」を開いており、「尚文にもっと可愛がってもらえるようになるための鳴き方や振る舞い」の指導を行ったりしており(その際ヒヨちゃんは人間態にもなったりして講師の先生に)、偶然それを見てしまった尚文は、無垢な動物を装っていた彼女らの「裏側」を目の当たりにしてドン引きしていた。
WEB版では戦う場面がなかったが、書籍では風魔法の他、毒魔法も得意としている事が判明しており、フィーロはかつて毒使いになりたかったと尚文から聞いた際は複雑な気持ちをしている。
尚文たちの召喚された異世界における、全てのフィロリアル及びフィロリアル・クイーン/キングたちの現女王。
詳細はリンク先を参照。
- クー
壊れてしまった元康が飼っている三羽のフィロリアルの一頭で赤色のフィロリアル・クイーン。元康の事を「もっくん」と呼ぶ。戦闘スタイルは爪と火を吐く。web版では終盤にグラスたちの異世界の武器である鏡の勇者となる。
名前の「クー」は体色の「クリムゾン」から。
ほかの二羽とも共通する事項だが、元康が尚文の下で戦うようになってから尚文にも魔物紋のオーナー権限を解放したためか、尚文のことは「ゴシュジンサマ」と呼ぶようになった。
- マリン
壊れてしまった元康が飼っている三羽のフィロリアルの一頭で青色のフィロリアル・クイーン。元康の事を「もーちゃん」と、尚文のことは「ゴシュジンサマ」と呼ぶ。戦闘スタイルは魔法と羽根投げ。web版では終盤にグラスたちの異世界の武器である本の勇者となる。
名前の「マリン」は体色の「アクアマリン」から。
- みどり
壊れてしまった元康が飼っている三羽のフィロリアルの一頭で緑色のフィロリアル・キング。つまり、男の娘。元康の事を「もとやすさん」と、尚文のことは「ゴシュジンサマ」と呼ぶ。他の二頭と違い基本人型で行動し、戦闘スタイルは人型で斧を使う。三頭の中では比較的ましな性格で、幼い姿のフィロリアルでありながら頭も良い。web版では終盤に斧の勇者となる。
名前の「みどり」は言わずもがな体色から。
なお、下ネタになってしまうが「アレ」も樹曰く「まさにキング!」らしい(書籍版ではこの部分はカットされた)。
また当人は元康に好意を持ちながらオスである事にコンプレックスを感じているが、当の元康はフィロリアル 博愛主義を除いても元々バイセクシャルである。
槍の勇者のやり直し
- クロ
チュートリアル編から登場。オス。
黒いから名付けられた。
元康のことは「もと」、尚文のことは「なお」、樹のことは「いつ」、錬のことは「れん」と呼ぶ。
チュートリアル編では、天使化してすぐにループに入ってしまったためこれといった描写はないが、会話から天然な性格だと思われる。
ゼルトブル後編で再登場し、かなりの厨二病であることが明らかとなった。
突然技にカッコイイ名前を付けようと剣の勇者・天木錬に提案して彼から困惑されたが、程なくして同じ厨二病で意気投合しコントを繰り広げる。
オスだが、元康の元で天使化した場合、何故か女の子に見えるような髪型(ツインテール)にしたがるためか、ゴスロリ衣装を着ている。
ただ格好以外は女の子らしい言動をしていないので、男の娘と扱って良いかは微妙な所。
元康が卵から育てていない世界ではブラックサンダーを名乗り(ただし牧場の生産者からはクロタロウと名付けられていた)、満たされない物を感じて気性の荒いフィロリアルになるが、錬をはじめとした厨二仲間と出会うと意気投合するのは変わっていない。
また気に入ったフィロリアルのメスを見ると深く考えず襲い掛かったり、覗きに乗り気だったりと下半身野郎な所がある。
本編の書籍版4巻の書き下ろしでは、普通のフィロリアルに変装して牧場を訪れていたフィトリアにナンパをし、彼女から蹴り飛ばされている。
真・やり直しの伝承のフィロリアル編では、背の高い青年で天使化した姿が描かれた(中二的なのを好む作品のヒロインの彼氏がイメージモデルとの事)。
服の趣味もレザーっぽいメタルな感じと大きく変化する。
元康の差し金で錬の元に赴き、彼が封印していた厨二病気質を開眼させてしまう。
漫画版やり直し1巻の書き下ろしでは、クロの視点から厨二病全開の一人称でチュートリアル編の内容を語っていた。
- ユキ
CV:和氣あず未(ドラマCD)
シルトヴェルト編から登場。メス。
元康がフィロリアル生産者からもらった3つの卵のうち一番高級な卵から生まれたフィロリアル。
名前は雪のように白いからと名付けられた。当初シロと名付けられる予定だったが、最初の世界の個体と名前が被ってしまうためこの名前になった。
元康のことは「元康様」、尚文のことは「尚文様」と呼ぶ。
作中に登場したフィロリアルの中でもフィトリア、ヒヨちゃんと並んでトップクラスに聡く、全編を通して上品な言い回しや仕草をする。
元康のことが好きでアプローチもしている(それこそ、人間態になって裸で同衾することも厭わない)のだが元康からは娘としてしか見られていない(=ゆえに「お手つき」にしてもらえない)上に、元康のフィロリアル博愛主義もあり、他のフィロリアルと平等に愛されている(=特別扱いしてもらえない)ため、そこらへんを不満に思うこともある。
頭はかなり良いのだが元康の言葉を素直に信じて入浴は覗かれるべき物と認識しており、元康に覗かれる事を前提にポーズを取ったりする上、覗いている元康を認識しないと不安げな声を上げる事もある。
フィロリアルたちの中ではリーダー気質で、サクラののんびりした行動を注意したこともある。
戦闘では魔法や羽を投げるなどの戦法を良く取り、メルロマルク編では四霊復活の混乱の中で投擲具の勇者に選ばれた。他のフィロリアルと合唱魔法を唱えることもある。
ゼルトブル編では、フィロリアルのレースに出場する(戦績が良くないと予選にすら参加できないほどの会場)が、不幸なことにレースと波の日がかぶって自分だけ除け者にされた時は、怒りをあらわにした。
真・やり直しでは、シルトヴェルト編アフター→シルドフリーデン編から登場。
元康の事を敬愛しなんでも心から肯定する彼女だが、唯一ドライブモードだけはキツいらしく、肯定の言葉がしどろもどろになってしまう。
また、彼女はその聡明さから、元康のためなら元康が手を下すことのできない相手が現れた場合にも、『そのことで元康に誅罰されることも覚悟の上で』己の手を汚すほどの、強い献身性と忠誠(愛)と覚悟を備えている。種族的に敵対しているドラゴンの竜帝であるガエリオンに対しては、「不服ですが」を発言に付け足してはいるが、敵愾心を残しつつも一定の評価を下している。
元康が卵から育てていない世界ではホワイトスワンの名を与えられ、レースに一心不乱に打ち込む競争羽になっている。
本編の書籍版16巻において名前だけ登場しており、鳳凰討伐の祝祭で開かれたレースに出場、村でキングやクイーンに成長したフィロリアルに負けている。
伝承のフィロリアル編では元康のドライブモードに敗北し、その速さと強さに惹かれ彼を番と定める様になった。
また人間化すると大人の姿になり、しかも白いカラーリングを除けば何故かグラスとよく似ているらしい(後にユキとグラスが揃い踏みした際、尚文から「夢のコラボ」と称された)。
元康が育てたユキとの内面の大きな差異は、競争羽として育てられているため速さやレースに強いこだわりがある事、元康を親と認識していないため彼に対する好意とアプローチが客観的には割と露骨になっている事、そしてドライブモードをカッコいいと思っている事が挙げられる。
最初の世界では平和になった後、村のフィロリアルとのレースに負け元康の元にやって来ている。
そこでクイーンとなった後、村のフィロリアルと子供を作っており、ループ世界と違い元康に対して強いなにかを感じたりはしていなかった様子である。
- コウ
CV:大空直美(ドラマCD)
シルトヴェルト編から登場、黄色いからと名付けられた。
天然で好奇心と食欲が旺盛。オス。
作者曰く、フィーロの男版。
元康のことは「キタムラ」、尚文のことは「イワタニ」と呼ぶ。
全編を通して食欲旺盛で、キールの尻尾、樹の髪、イミア自身を食料と思い込み、攻撃できない=弱いと尚文のことを舐めきっていたが、ブチ切れた尚文のしつけにより考えを改めるようになる。
あまりにも怖かったのかトラウマになっている。
悪いこととは知らずに盗賊を食べようとするが、元康と尚文から止められている。
どの世界でもあまり変わらないが、尚文が荒んでいるループでは恐れをなして自発的に大人しくなるため、むしろ評価が高くなる。
また仲間にいるのであればラフタリアやリファナと仲良くなり、最初の世界ではラフ種と相思相愛になり子供も作っているらしい。
真・やり直しではシルトヴェルト編アフター→シルドフリーデン編から登場。
ゾウの亜人であるエルメロと仲が良くなり、歌のレッスンを受けたり等で一緒に行動しているうちに彼女から食欲旺盛ぶりについて注意されるも、尚文に躾けられた時のようなトラウマを残すことなく改心した。
- サクラ
CV:????(ドラマCD)
シルトヴェルト編から登場。メス。
元康のことは「モトヤス」、尚文のことは「ナオフミ」と呼ぶ。
羽毛の色は桃色がベースで手羽先が白。フィーロたんと逆の色合い。
体色からピンクと名付けられそうになったが、色々宜しくないということで、近い意味合いである桜色から名付けられた。
性格は非常におっとりとしている。
シルトヴェルト辺から仲間にした3匹の中で一番尚文に懐いていて、メルロマルク編以降では尚文が主人になっている。
メルロマルクの王女であるメルティと非常に仲が良く、出会ったら即座に、それも確実に仲が良くなるほどである。メルティのことは「メルちゃん」と呼ぶ。
フィロリアル・クイーンの姿や桜の香りを彷彿とさせる体臭が、フィーロとよく似ている。
声も似ているのか漫画版やり直し5巻のドラマCDではフィーロたん連呼をし続けていた元康にフィーロの声真似で呼びかけて止めさせている。
ループごとに性格はそのままだが人間態に一番変化が見られる。
元康が主人だった場合は目の色がピンクだが、尚文が主人になった場合は目の色が青くなるという変化を見せる。
原因までは分からないが別のフィロリアルでも前例があり、元康はこれを主人の違いによる変化と考察する。
実はこの外的要因の影響の大きさが、やり直し本編における重要な要素である事が終盤で判明している。
メルロマルク編では17歳くらいの大人の姿に変化している。
元康ですら少し戸惑ったが、単に珍しいだけで冷静に特に問題ないと判断される。
髪がピンクなので、エクレールに錯覚するほど似ているらしい。
武器は二刀流の剣。漫画版ではラフタリアが本編で使用していた剣を手にする描写が描かれた。
また同編では四霊復活の混乱の中で槌の勇者に選ばれた。
フォーブレイ編では再び幼い姿で登場する。
本当は尚文の酔い無効のおかげなのだが、乗り心地が良いと勘違いされて錬と樹に乗る権利を取り合われる。
実はフィーロが異なった育ち方をした存在であり、複数の条件が重なることでフィーロとして育つ。
それ故、四聖勇者編ではガエリオン(メス)の作成したコンパクトにより、一時的にフィーロの姿に変身させられてしまった(その際、突然現れたフィーロの姿に思わず暴走してしまった元康にフィーロとして迫られるのを嫌がり、一時期元康を避けていた)。
元康にとっては「フィーロたんはフィーロたん、サクラちゃんはサクラちゃん」であり、同じ卵から育ったとはいえ別の存在であり、サクラを無理やりフィーロにしたいわけではないとのこと。
- ルナ
メルロマルク編から登場。メス。
クール系な性格で、会話は一言二言で終わることが多い。
尚文のことは「イワ」と呼んでいる。
紺色でネイビーちゃんと名付けられる予定立ったが、キールと尚文の提案で月からとってルナになった
クイーン形態では白も交じり、体躯が他より少し大きくなっている。
可愛い物好きで特に獣化したキールを好んでおり、キールをパクつこうとした。
ただ、ルナのそれはあくまで愛玩のための甘噛みのようなものらしく、ガチでキールの尻尾を食べようとコウがちょっかいをかけてきた際は怒って、コウからキールを守ろうともしたりしている。
メルロマルク編ではフィロリアル形態では、紺/白、人化時の髪の色が銀と色合いが異なるが、フォーブレイ編では同じだった。
ゼルトブル後編では再び登場。
羽毛の色と性格はメルロマルク編と同じである。
元康はこれをキールがいるかいないかで変化すると考察した。
真・やり直しの四聖勇者編では、キールがいないために好みの可愛い物を愛でることができない鬱憤が溜まっており、フォーフェアリーモーフでキールにそっくり(模様違い)なイヌルト姿に変身した錬を見て、可愛がろうと大暴走を起こした。
- フレオン
元康が初めて育てたフィロリアルで、炎の様な鮮やかな赤色をしている。メス。
伝承のフィロリアル編ではフィロリアル形態でフィーロと誤認されている事から、クイーンの際の体色は羽の末端以外は白くなっていると思われる(書籍版によると翼と尾羽が通常のフィロリアルよりも少し大きい模様)
元康の事は「もとやすさん」、樹の事は「ジャスティスさん」、リーシアの事は「リースカさん」と呼ぶ。
名前は、元康が好きなゲーム「魔界大地」のキャラクターで、フィーロによく似ている「フレオン」から。
まだ元康がまともだった頃、尚文にフィーロの正体を教えてもらった後、自分もフィロリアルを育てようと思っていたら、クズとビッチに斡旋された(真・やり直しにて、とある高名なブリーダーからビッチが強奪してきたと判明)卵から孵った個体。
可愛がって城で育て、もう少しで成鳥と思われていた晩にフレオンの容体が急変、死んでしまった。
元康は失意の中、ビッチ達から「血統が良いため勇者の恩恵による急激な成長に耐えられない病弱な個体だった」との説明を受ける事になる。
それに加え「尚文の人型の魔物(=フィーロ)はどうやらフィロリアルの成長した姿ではなかった様である」とも吹き込まれ、当時はこの事件を通して尚文に嘘を教えられたと勘違いからの恨みを募らせ、より不信感を強め嫌いになっていたらしい。
メルロマルク編でこの話を聞いた尚文とメルティから、ユキちゃんも血統が良いが当たり前にクイーン化している、おそらく天使の姿になれば自分の地位がおびやかされると思った赤豚に殺されたのではないかと推理された。
二人の推理を聞いた元康は衝撃のあまり酸欠を起こしながらもより一層赤豚への怒りを募らせ、フレオンちゃんの仇を取ることを決意する。
長らく存在が語られるだけだったが、真・やり直しの伝承のフィロリアル編ではついに本人が登場。
絶滅したと思われていた飛べるフィロリアル「フィモノア種」の生き残りである事が判明した。
(赤豚からの提案で)キメラの干し肉を与えられて育ったため人型の姿は赤い目のフィーロといった感じで、羽が天使の物なのを除けば魔界大地のフレオンちゃんの堕天後の姿とそっくりらしい。
正義とヒーローに強い拘りがある性格で、人型でもフィロリアルクイーンの姿でもよくポーズをとっており、喋り方や言動もこれまたゲームのフレオンちゃんによく似ている模様。
正義正義と口にする樹に共感を抱くもその正義に陰りがある事も感じて彼の元に出向した結果、洗脳らしき事をしてヒーロー活動の仲間に仕立て上げてしまった。
これは樹のセンスや才能などが絡んで偶発的に共鳴してしまっただけなのだが、作中では誰もそのメカニズムを認識しておらず、尚文からは人を洗脳するフィロリアルとして敬遠されている。
そしてその行動は、改心し大人しく幽閉されながらも償いのために何ができるかを悩み続けていたクズにも及び、彼に目覚めさせてはいけない覚醒を促す事にも繋がってしまった……。
四聖勇者編でも、元康が卵を受け取りにいって孵化させている。
作者の活動報告によると、魔物肉を食べて育ったために、伝承のフィロリアル編と同じ体色をしているとのこと。
伝承のフィロリアル編と同じように樹をヒーロー仲間にしようとするが、覚醒したくない樹はフレオンを避けて、なおかつヘッドフォンをつけてフレオンの歌を聞かないようにしているため、うまくいっていない。
書籍版ではメルロマルク編で登場している。経緯として、尚文達が連れている魔物がフィロリアルであることを知ったビッチが槍の勇者に対する切り札にするためにフィロリアルの育成界隈で有名な老人が大事にしていた卵を強奪した(樹に渡し育てさせて元康を抑え込む計画もあり、これに対して元康も苦戦したかもしれないと思ったが、当の樹は卑劣だと言って断った)。その後老人は卵の返却を求めて城に抗議しに来たが、その時、革命運動が起きた直後であったため、投獄され三勇教の者たちから拷問を受けて獄中で亡くなった(牢獄で「卵をフィロリアルを真に愛するもの以外に渡ってほしくない」という遺言を書き記した。)。
その後、卵は革命が終わった後にメルティの手に渡り、城で開かれたパーティーで「フィロリアルを真に愛するもの」である元康に譲渡された。そして孵化してから元康が食事の監修や寝ずの番までして育てたことによって無事にフィロリアルクイーンになるまでに成長した。
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以下、書籍版でのネタバレ
書籍版20巻で何者かの手で尚文たちは村ごと数百年前の時代に飛ばされてしまうがその時代にフィロリアルはまだ存在しなかった。この時代以後に誕生したと思われていたが……。
その後、その時代の盾の勇者「城野守」は仲間にして婚約者の「フィロリア」を守護獣「朱雀」との戦いで失っており、ホムンクルスの体を用意し、何とか彼女をよみがえらせようとしていたことが発覚。ひと悶着あったものの、尚文たちの協力でフィロリアの蘇生のめどが立ったのだが、ホムンクルスの体は朱雀の因子が入っていたため背中に羽があるフィロリアルの人型を思わせる姿だった。
さらには、彼女をコピーした使い魔も存在しており、そのうち一頭はあのフィトリアの幼き姿だった……。
フィロリアルはフィロリアの蘇生実験の末に、一種の遺伝子操作で誕生した彼女たちの子孫だったのである。
フィロリアルという呼称についてはフィロリア・タイプRが訛った物と推測されている。
なお使い魔はフィトリアを含め三匹存在しており、特化分野が違っている。
運搬特化型のフィトリアの他、飛行特化型の「フィモノア」、魔法特化型の「フィジア」がおり、かつて飛べるフィロリアルは居たことと照らし合わせ、実は魔法に長けた種のフィロリアルも存在したのではないかと推測されている。
ちなみにフィロリアルを作ったと思われる当時の鞭の勇者ホルン=アンスレイアは、馬車の眷属器に自身を真に使いこなせる生物の製作を依頼されており、製作に際してそのオーダーも盛り込まれているらしい。
ついでに言うとその鞭の勇者はドラゴンに対して敵愾心を燃やしており、フィロリアルがドラゴンを嫌うのはその怨讐が受け継がれてしまったせいである疑惑がある。
また実は彼女らの始祖であるフィロリアはかなりの中二病であり、その因子はフィロリアルにも受け継がれている。
早い話がフィロリアルは中二病に目覚めやすい。
実際現代のフィロリアルもある程度の頻度で中二病に目覚め、しかもそういった個体と触れ合っていると他の普通の個体も感化されやすいと言うことが知られている。
クロの中二病もフレオンのヒーローへの拘りも、オリジナルから受け継ぎ目覚めた由緒正しいフィロリアル元来の気質なのである。