アリスSOS
ありすえすおーえす
概要
1998年に『天才てれびくん』(NHK)の枠内で放送されたアニメ。
原作は中原涼の「アリス」シリーズ(講談社X文庫 ティーンズハート)。
読書が大好きで特に『不思議の国のアリス』の大ファンという少年タカシが、悪魔の手先にさらわれたアリスを救うべく仲間とともに異次元を冒険し、クイズに答えたり敵と格闘していく物語である。正統派なものから、とんちとも数学ともとれない奇妙な問題が出てくる特徴があった。そして主人公4人組の恋の行方も見どころのひとつである。
(なお、前に同じ枠で放送された「アリス探偵局」とはよく混同されるが何の関係もない。)
主題歌
ピンクレディーの「S・O・S」を出演キャストがカバー。
オープニング(総集編およびDVD版)のロングバージョンでは豊口めぐみ・池澤春菜が、DVDのエンディングではくまいもとこ・津久井教生・白石文子・池澤春菜・豊口めぐみが歌う。
両方とも「NHK 天才てれびくんワイド うたの詰め合わせ」に収録されている。
登場人物
~主人公4人組~
中学一年生。普段は赤いパーカーを着ている。幼いころに絵本で見たアリスに憧れ、本をこよなく愛する読書家の少年。弁は立つ。学校では数学が苦手。
古本市での買い物中、「神様つき」と呼ばれる本を手にしたことで絵本の世界で起きている異変を知り、何者かによって連れ去られたアリスを救うためクラスメイトのトシオ、ひろみ、ゆかりと協力し立ち上がる。
本を読むことに傾倒していたためか、肝心のクイズの正答率はあまり高くないが、アリスの危機が迫った際は誰よりも勇敢な一面を見せる。
ひろみとは幼馴染で、学校や私生活でもよく一緒にいるが、友達以上恋人未満で、意識してしまうのかケンカも多い。
一度決めた事は貫く頑固さもあり、後半で翔野がアリス誘拐に関係があると発覚した後も一貫して彼を友と信じ続け、悪魔の国を前にアリス救出を断念すべきという3人に対しても、自分一人でも助けに行くを言い切って見せた。
ちなみに主要メンバー4人の中で彼だけは絶叫系が苦手。
タカシの幼馴染で、中学一年生。ボブカットヘアーで、空手を嗜むスポーティーな女の子。隣に住むタカシの部屋に窓から跳び移れるほどの運動神経を誇る。(彼とは対極にいるようなタイプ。)
一方で料理や裁縫など女の子らしい趣味を持っており、家庭科に関する問題には強い。また、学校では数学も得意。
当初はアリス救出のメンバーに入っていなかったが、(タカシを心配して)出発直前に窓から飛んできて半ば強引に参入した。
外見は可愛いが、思った事をはっきり言う勝ち気で男勝りな性格故に女性扱いされる事はほぼない。(“気が強い女性が好み”と言う敵に狙われ、自分の身を賭けてクイズ勝負をする回はある。)
行動力があり周りをぐいぐい引っ張っていくタイプで、幼少期からあまり積極的でないタカシもこうしてリードしてきたようだ。
その行動の端々にはアリスを心配する故に猛進しがちなタカシを気遣う様子が伺える。(作中ではゆかりが気付いており、温かく見守っている。)
事実タカシに対しては幼いころから友達以上の想いを寄せていたらしく、悪魔の国でタカシが死んだと誤解したときはその場で声を上げて泣き崩れたほど。
白石氏は過去に同じ天てれアニメ枠でアリス探偵局のイナバくんの声を担当している。
タカシの親友。中学一年生。主要メンバーで1番長身で、白いヘアバンドをしている。小学生の時はバスケ部で、現在はギター部に所属している。ギターが趣味の他、ほぼ初対面の女性に馴れ馴れしくしゃべりかけるなど、今で言うチャラ男の雰囲気を持った人物。そのせいか、性格やものの考え方もややタカシより大人っぽい。
最初のクイズに悪戦苦闘するタカシに救援という形で呼ばれたが、彼もそこまで頭がいいというわけではなく、どちらかというと正解につながるような誤答を残すことが多かった。
一方で状況判断は誰よりも冷静であり、行く先に危険があればアリスを案じて先走るタカシやひろみに歯止めをかけて忠告するなど、客観的視点はたけている様子。
反面終始調子のいいセリフでカッコつけてアプローチしているゆかりがピンチの時には、我先にと危険の渦中に飛び込む勇敢さも持っており、事実何度か彼女の危機を救っている。
プレイボーイでありながらも、自身の言葉と行動に強い責任を以て返すナイスガイである。
ちなみに津久井氏はNHK関連の番組のキャラを担当する機会が多く代表的なのはニャンちゅうである。
中学一年生。成り行きでトシオと共にアリス救出に参加することになった。ストレートロングヘアーの、普段はおっとりした夢見がちなお嬢様。父親は大学教授で、叔父は小説家。
そのおしとやかな振る舞いとトシオのみならず異世界の住人からもたびたび絶賛される容姿の美しさから、しばしばアリスと並んでヒロイン扱いされる。(何だ、このひろみとの扱いの差は。)
4人のなかでは最も頭脳明晰で、出題されるクイズのひっかけなども見抜く。作中の問題の半数近くは彼女が正解を出しており、敵も何度かゆかりを遠ざけるか捕らえて回答権を奪うなどして妨害してきたこともある。
だが、敵から逃げる時などは他主要メンバーに比べ身体能力は劣るのか、転んだり遅れたりして度々敵に捕まる事がある。
タカシ達とは違い冷静であるためM1やなめくじネコからの扱いはひどくない。
当初からほぼ初対面のトシオに彼女扱いされて戸惑う場面が大分多かったが、異世界の冒険で彼女もまたトシオに淡い感情を抱いているような様子がうかがえるようになった。
『不思議の国のアリス』の主人公。毎回何者かに攫われ、いくつもの国を転々としている。比較的にセリフが少なく、出番も少ない。声を担当した豊口氏のデビュー作でもある。
数学の神様で、アリスが何者かに攫われたことを告げに来た。タカシたちを異次元に送り込む前には必ずクイズを出題し、なぜかそれに正解しないとタカシたちはアリスを助けに行くことができない。(そのほとんどがゆかりが答えて正解することが多い)異次元の旅では、ピンチに陥った時に1つの国の冒険につき3回まで魔法で助けてくれるが、失敗することもある。
ネコの姿で胴体がナメクジの、浮遊する生物。「なわけ」という妙な語尾で話す。異次元を案内する役でM1に比べてあまり役に立たない。
顔がついたパソコン。M1が不在時に助っ人として登場する。なめくじネコと同じく役に立たないことが多い。
タカシ達と同い年くらいのオカマ口調で話す少年。タカシ達がアリスを助けに行く最中に現れる。タカシのことが好きで敵か味方かは不明だが悪魔の親分の手下ではないらしい。タカシ達にアドバイスしたり、助けたり、協力することもあるので比較的に味方になる場合が多い。最終回でタカシ達が通うの学校の教師となる。
中学一年生。タカシ達のクラスに転してきた謎の美少年で、数学が得意な優等生。異世界に現れてはタカシ達の邪魔ばかりし混乱させる。実は勉強に専念しすぎて友達がおらず、その孤独な心を悪魔の親分に付け込まれ、操られていた。小学生の時は肥満体だった。
アリスを攫った張本人で道化師の姿をした悪魔。翔野を操り仲間にしていた。