概要
5億年前のカンブリア紀に生息していた葉足動物の1種で、バージェス動物群にて見つかった。体長1cmから6cm、丈夫な脚が付いた蠕虫様の姿の葉足動物である。
胴体は円筒状で、後半がわずかに細くなる。頭部と胴部の間に明確した境目はない。背面に7つほどの乳頭突起頭部の前端は短い円柱状の吻が突出し、口はその正面に開き、6本ほどの長い乳頭突起に囲まれる。そのやや後方の左右には、一対の特化した前部付属肢が張り出している。前部付属肢はやや華奢で、前縁と先端に棘が並んでいる。胴部の両腹面には10対の丈夫な脚(葉足)があり、それぞれ10本の環形の筋に分かれ、先端の内側に7本の短い鉤爪がある[3]。第1脚以外の脚は全てが外側に突出した棘があり、第2脚・第9-10脚に1本、第3-8脚に2本をもつ[3]。胴部の尾端は後ろ向きの第10脚で終わり、尾に類する構造はないが生えた体環は各付属肢対の間に1本、前後隣接した脚のそれぞれの間隔に3本、前部付属肢と第1脚の間に5本をもつ。
アイシェアイアは底生性の捕食者であったと考えられる。防衛用に発達した棘や甲皮はなく、化石もカイメンの断片と共に発見されることが多いことにより、アイシェアイアはカイメンを捕食した、もしくは単に他の捕食者から身を守るためカイメンに宿っていたと考えられる。
関連タグ
- ハルキゲニア 本種と並び最初に見つかった葉足動物として知られる。