概要
岡本太郎が1982年に製作したオブジェ「赤い手・青い手」をモチーフとした奇獣。
その名の通り赤と青の二つの手だけの一対の奇獣。青い手の方が指を曲げている。
タローマンを優に超える巨体を持ち、対象をまるで粘土の様に握りつぶしてしまう。
ただ悪意を持っているわけではなく、純粋に遊びたいだけの様で、ボール遊びのようにガスタンクで楽しんでいる様子が見られた。
活躍
新築ビルを建造してもタローマンに高確率に破壊されてしまう為、日本人口が増加したのに乗じてニュータウン開発に方針を変えた鷲尾ビルヂングの社長だったが、その彼の願いを引き裂くかのように保有する土地の地底から突如出現。
そのまま町に移動し、ガスタンクでキャッチボールをしていたところを時を超え愛される巨人・タローマンが現れ対峙する事に。
だが、自身を応援する歓声や男性がタローマンパンを売っている様子を見かけたタローマンは、あえて無防備なまま歩みを進めていき、赤い手・青い手はそのまま左右から挟み込んでタローマンを握り潰して次々と粘土で作った妙ちきりんなオブジェのような姿に変え、挙げ句の果てにボールのように圧縮してキャッチボールする始末。
このヒーローらしからぬタローマンの姿を見た町の人々はすっかり意気消沈、応援する気力も失いずこずこと去ってしまうが、これこそが彼の狙いであった。
高津博士「財産でも知識でも、蓄えれば蓄えるほどに人は自在さを失ってしまう。過去の蓄積にこだわるといつの間にか、堆積物に埋もれて身動きができなくなってしまう。積み重ねじゃない…積み減らしなのだ…！」
すると粘土の様にグニャグニャになったタローマンはそのまま形を変えて赤い手・青い手を飲み込み、指が翼の様になった巨大な太陽の塔の様な姿へと変化。
不自由さに雁字搦めになっていたと気づき、後を追う鷲尾ビルヂングの社長を尻目に飛び去って行った。
タローマンは「これで良いのだ」と思った。
ヒーローとして人気になって好かれたり、いい気分で見られたり、評価を得たいわけではないのだから。
