CV:花江夏樹
人物
41歳の個人タクシー運転手。ずんぐりとした体型の目つきの悪いセイウチで、いつも頭に黄色いキャップを乗せている。
非常にローテンションで、他人に対してあまり心を開くことが少ない。少し偏屈な変わり者であるが、本来は真面目で情に厚い性格。
異常なまでに認識能力が高く、一度見た客の顔は絶対に忘れない。
どういうわけが水のある場所が苦手。
仕事中はラジオを聴いたり、乗客と雑談を交わしている。よく車内にはホモサピエンスの冠番組が流れている。
不眠症に悩まされており、剛力医院に通院している。そこの院長である剛力とはプライベートでも飲みに行く友人である。
そこの看護師である白川から突如好意を仄めかせられ、動揺するなど女性関係には奥手の模様。
また、柿花とは学生時代からの友人で、一緒に銭湯に通っている。
タエ子の経営する居酒屋「やまびこ」の常連客。
いわゆるアダルトチルドレンで、天涯孤独の身でもある。「幼少期に両親に捨てられた」と独白しており、小学生の頃から一人暮らしをしているが、その際の生活費は正体不明の慈善団体から出資されていたらしい。
練馬の女子高生行方不明事件に関わっているとされ、タクシードライバーを嫌う大門兄弟から何かと目の敵にされている。
行方不明直前の練馬の女子高生を乗せたことから、小戸川のタクシーに設置されているドライブレコーダーの映像を巡り一連の事件に巻き込まれていく。
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ここから先、物語の中核に関わるネタバレがあります。本編未視聴の方の閲覧は推奨しません。
ネタバレ
小戸川は幼少の頃から人見知りであるために孤独な少年時代を送っていた。学校では同級生に虐められ、家では父親の浮気性が原因で気を病んだ母親に虐待され、いつしか人間不信になっていた彼の心の支えは家族でドライブに行った唯一の思い出と父親がお土産に買ってくれた動物図鑑だけだった。
そんなある日、不幸にも母の無理心中に巻き込まれ、両親は帰らぬ人となってしまう。
彼は無事に一命を取り留めたが、しかしその事件がきっかけなのか、ある後遺症が残った。
それは「高次脳機能障害による視覚失認」
即ち「自分を含めた人間の姿が動物に見える」ということ。
その後、当時に交通遺児育英会に寄付していた「マレーバクのおじさん」の勧めで引っ越すことになって現在に至った。
つまり本作の登場人物が動物に見えるのは単なる世界観ではなく、「見えている姿が動物に置き変わった人間」であり、この作品の世界そのものは「彼視点で見た世界」だったのである。
最終的に剛力によって治療され、後遺症も改善されて元通りに人間を「人間」として認識出来るようになった。
尚、気づきにくいとは思うが、本作において登場人物を「動物」として表現しているのは彼だけである。