HL
えいちえる
もしかして:
- ヘルサレムズ・ロッド…『血界戦線』の舞台となる都市。
概要
ノーマルカップリング・NLの代替語の一つ。
経緯
「男女カップリングがノーマルならば、同性愛、両性愛、無性愛、他多種多様の愛や関係はアブノーマルなのか?」という意見がある。それゆえにNL表記ではなく別の表記にしようとする運動があり、heterolove(=異性愛)という表記にしようという試みが行われた。さらに「BG(=Boy and Girl)」への更新を行おうという動きもある。
過去の迷惑行為について
HLタグを広めんとBLジャンルを好むフェミニストによるBL作品の集団投稿、別名「腐女子テロ」と呼ばれる声かけが2014年に行われた。
HLが今だ浸透しないからという理由で異性愛の検索分けに使われるNLタグにBLのイラストを投稿しようという運動で、社会運動という名目での荒し行為とみなされた。
またそもそも複数の略称が存在することによりNL表記本来の目的である棲み分けが表記の混雑により完全ではなくなってしまい、配慮のためのHL表記が却って当事者を傷つけてしまうという本末転倒な事態を招いているともいわれている。
HLを広めようと個人主催のオンリーでNL表記があると主催者を引用RTで晒し上げて集団ネットリンチを行うといった事例があったり、男女表記の人間にも匿名の意見で攻撃をする者が現れることもあった。
そういった良識から逸脱した事態を把握しながら推奨しているということで、セクシャルマイノリティ当事者にも疑念の目が向けられてしまっているようである。
その他、前述された血界戦線のヘルサレムズロットやグランブルーファンタジーのマルチクエストでHL級というものがあるため、検索で混ざるとして実用性の観点からもNLの読み方を「ノーマルラブ」ではなく「ニュートラルラブ」(neutral=中立的な、偏見のない)や「ネメロースラブ」(numerous=多数の)と変更することによってNL表記の問題点を解決するべきという主張がされている。
同様の案としては「ノンケラブ」「ネイタル(natal=出生)ラブ」なども挙げられている。
使われる意味合いの問題
余談だが、ヘテロは異性のみを愛する人を表す意味で一般的に使われているので、異性愛の作品に内包されるバイセクシャルに代表されるマイノリティが含まれないことから、意味として成立しないという点も指摘されている。
ヘテロラブは異なった性という意味でバイセクシャルやトランスジェンダーなど同性愛をのぞくあらゆる性との性愛を意味する言葉として使おうという主張もなされているが、
ヘテロはそれ以外にも以下で紹介される悪口として使われることもあるため、
バイやトランスも含んで使えるという主張で使おうとすると、
今度は完全な異性愛者以外のマイノリティも包括して悪口としての語句で言い表してしまうという問題点がある。
異性を愛することもあるが異性以外も恋愛対象である
パンセクシャル
アセクシャル
FtM(BLを好きな女性で多いとされる)
etc…
と自身を表明する人に対して、性的マイノリティの美味しいとこ取りをして特別ぶりたいだけの異性愛者による傲慢な態度であるとして揶揄する蔑称の意味合いで使われることがあるため
上述した性的マイノリティがどう受けとるかや、バイフォビアについて心を痛めている人は使うのを避ける傾向がある。
特に美少女キャラクター同士の恋愛二次創作が多いコンテンツになると、性的マイノリティのひとつであるフィクトセクシャル(いわゆる夢女子や夢男子と呼ばれる)に相当する美少女キャラクターとの恋愛作品を好む人に対し、
放送禁止用語となっているホモと対義語であるが放送禁止用語の扱いでないヘテロを当て擦った言い回しで
社会的に強者であるはずの異性愛者に生まれながら異性と縁がないため二次元で代用するしかないという意味を込め
ヘテロ厨・ヘテロ豚などの蔑称として使われることもある。(特に男性)
ちなみにフィクトセクシャルは肉体や脳に疾患を抱えていたりトラウマを抱えていて婚姻を諦めざるを得ない人も含まれていることがある。
女性でその事を知っている人もおり異性愛者と言い表している以上男性だけでなく女性も揶揄されているため、女性がターゲットであっても夢傾向の強いブランディングで活動をしている人は、ジャンル(乙女ゲージャンルなどは百合好きを兼任していることがあるためHLはあまり好まれない表記)によって当事者の気持ちを考えて使い分けると良いだろう。
異性愛コンテンツが好きな人の中にも性的マイノリティが含まれていることがあるので異性愛コンテンツであってもそれを好きな人への配慮は必要である。
また、ヘテロはもともとホモが同性愛の作品に砂かけするさいに使われがちな言葉であるのに対し、ヘテロは異性愛への砂かけ・または無理解な世論への砂かけ返しをする際の言葉、いわゆるヘイト用語として使われることがあった。
性的マイノリティのコミュニティーの中でもマイノリティへの理解の薄い異性愛者への不快感を表すためや砂かけしたい際のワードとして「ヘテロ」と使うこともあったため、砂かけとしての意味合いが含まれるワードを推奨するのは相互理解をむしろ阻害するのではと危惧する人もいるようだ。
それらのネガティブな意味合いの背景から砂かけとしての用語の意味を無視して広めることは上述の異性も恋愛対象となるマイノリティへの理解を必要ないとして思考停止する価値観も内包しており、それらの考えからフェミニストの中でも「お遊びでマイノリティをやっている」といったニュアンスで批判する人間が現れる文脈に繋がっている側面もある。
例として2014~2016ごろにかけて「へテロの人って」「へテロに自分は偏見がないよ」など、セクシャルマイノリティになげかけられがちな発言をへテロに置き換えて発言してネタにするというものがあり、その空気の中異性愛表現を叩く=へテロと呼称してへテロをヘイト用語として使うというのがフェミニストやセクシャルマイノリティ当事者の一部で流行ったことがあった。
それらはキリスト教圏では同性愛は禁じられているため同性愛への当たりがかなり過激という環境に合わせた、海外の啓蒙運動でよく使われる手法だが、海外と日本国内では事情が違うのであくまでヘイトスピーチや荒し行為としての解釈だった。しかし当事者でも異性愛者でも真に受けすぎてしまう人がいたようだ。
異性愛を叩くのをネットのカジュアルなコミュニケーションとして行いすぎたことで異性愛にむかう=配慮しなくてもよいという考えを真に受けて考えが定着した層が、異性と結婚したり恋愛関係になるセクシャルマイノリティ当事者を当事者が叩いてしまうという悲しい事態を起こしてしまうこともあるようだ。
ちなみに、そのように使用するのは性的マイノリティのコミュニティのみならず理解の薄い異性愛者でもすることがあるので留意いただきたい。
いまだにインターネットの一部過激化したフェミニスト層の攻撃は逸脱している人も多いため、異性愛の中のマイノリティをスルーする流れを容認することは人権を守るという観点から危険性が高い。
異性を愛する中にも様々なマイノリティが含まれるため、多様性を意識しより多くの当事者の気持ちへの配慮をしたい人ほど、安易に適用するのは様子見をした方が良さそうである。
フェミニズムを支持していても、未だにスルーされがちな異性愛の中のマイノリティの人権も無視してはならないと考えるのなら異性愛を腐す意味合いが含まれるHLは、異性愛の中のマイノリティを無視しないよう使わないと表明することで、より幅広いマイノリティの人権を守るための抑止力になるかもしれない。
砂かけ(し返す際にも使う)ヘイト用語の側面があるワードを多様性を意識している用語として推奨することが、異性愛は配慮がいらず、異性愛をとにかく批判することが最先端といった一部の人間の考えを補強してしまっている側面があるゆえに、今後配慮を考える際に上述の異性愛の中のマイノリティがこぼれおちてしまう危険性がある。
ネットでマイノリティ当事者でない人でも異性愛作品や無理解な異性愛者への批判をしながらクソヘテロ、へテロ厨など揶揄した語句と併用してHL表記を推奨する人もいることで不適切なイメージを持つ人もおり、
意図的に異性愛全体への砂かけをする意図であえて広めていると取られかねない側面がある。
そういった背景から理解や配慮を促す上でヘテロという表記を性的マイノリティ全員が推奨している訳ではないため、
導入にはやはり様子見をした方がよいと言える。