あとぜき
あとぜき
出入りの際に開けた扉を閉めることを意味する古語。
概要
「出入りのために開けた扉を、立ち去る前に閉めておく」ことを意味する名詞・動名詞。「あとせき」とも。
動詞形は「あとぜく」または「あとせく」。
古語であり、現在は滅多に使用されず、「ちゃんと閉めておく」などの直接的な言葉で明示される。
「扉は閉めておいてね」の意味で「あとせけ」、逆に開けたままにして欲しい時は「あとなせけそ」のように言った。
生き残り
というものの、肥後弁および薩隅方言の一部では、21世紀現在も現役で用いられている。
特に熊本人の多くは全国的に通用しない単語であることを自覚しておらず、県外でも「主、おいすぐ出っけん、そんドアあとぜきばせんでくれんね」(あなた、私もすぐ出ますので、そのドア開けたままにしておいてくださいね)などと言ってコミュニケーション不全が起きる場合が多い。
公共輸送機関の貫通路などにも「あとぜき願います」(解放厳禁)などと平気で書かれているため、意味を理解できずに開け放した県外からの観光客が地元民から「小学生でもわかりきるこっちゃのに主ゃできんと?」などと理不尽に怒られる光景がよく見られる。