UNIXを真似て作られた、UNIX互換OSのひとつ。厳密にはLinuxと呼ばれるのはOSの中核部分となるカーネルのみであり、OSとして機能させるには多くの周辺ソフトウェアを揃える必要がある。Linuxは周辺ソフトウェアを同梱したディストリビューションとして配布されている。多くのディストリビューションが無料であり(ただしサポート付きの有料製品も存在する)オープンソースで改良も自由に行えること(ただし改良後はソースコードを公開することが必須条件になる)である。家電製品や携帯電話など幅広い分野で利用されているが、カーネルに独自の改良を加える会社はソースコードの公開を嫌ってBSD系OSなど他のOSを使っていることが多い。
また、この他にもWebサーバーソフトとしても使われることもあり、スーパーコンピュータのOSとしても2004年頃から採用が急増し、2009年では9割を占めている。なお、pixivのサーバもLinux(Debian)で動いている。(2009年9月現在)
いつも使うパソコンのOSとしてのLinux
Linuxを通常のパソコンで使用するユーザーも増えてきており、前述のスパコン、サーバー事情ともども、すこしずつではあるが盛り上がりを見せている。WindowsとLinuxを購入時に選べるパソコンも出現し始めている。
ちなみに、多くのLinuxディストリビューションがMacを意識したGUI環境を持つため、使用感は少し古いMacに近い。(ただし、一応見た目はカスタマイズすることが可能)
長所
- マルウェアに狙われにくい。※ただし、前述の通りユーザーは増え続けており、今後標的にされやすくなると見られている。
- サポート無しでも良ければ無料で使える。※実質的には詳しい人に聞くことがサポートになる。
- Windowsに比べると、起動・シャットダウン含めかなり高速。ハードディスクアクセスで待たされることが少ない。デフラグをする必要もない。
- ほとんどのソフトウェアが無料で利用できる。
欠点
- 周辺機器の一部が正常に動作しない(Windows用に作られていることが多いため)。
- ソフトウェア構成の自由度が高すぎるため、原因不明の相性問題が発生しやすい。
- 当然だがWindows用ソフトウェアは使えない。ただし、Wineというプログラムを使えばやや制限があるものの、一部のWindows用ソフトウェアが使用可能
- 対応ソフトウェアが日本語に強いとは言い切れないところがある(表記の一部分が突然英語になるなど)
- Webページ等の正常な表示が保証されていないことがある
主な配布元関連リンク
- Red Hat(有料)
- OpenSUSE
- Debian Project
- Ubuntu Japanese Team
- MIKO GNYO/Linux
- CentOS
- Fedora
- PCLinuxOS(英語)
- Android(英語)
- MeeGO
発音について
一般的には「リナックス」が多いが、言語圏や人によっては
- リーヌークス
- リヌックス
- リヌクス
- ライナックス
- リーナクス
といった発音や表記のゆれがある。
関連タグ
Ubuntu:現在最も人気のあるLinux。
Debian:長い歴史がある。Ubuntuの源流。debという形式でソフトウェアを配布している。
Red Hat:企業向けに実績のあるLinux。rpmという形式でソフトウェアを配布している。
Fedora:Red Hatの開発版。
CentOS:Red Hatの無償版。
Mac OS X:ライバルOSのひとつ。Linuxと同じUNIX互換製品であるが、こちらは正統なライセンスを受けたUNIX(BSD系)である。
Android:実はLinuxカーネルを使っている。Google社の開発した携帯電話向けのプラットフォーム。
Tux:Linuxのマスコット。