八本指
はっぽんゆび
概要
リ・エスティーゼ王国の裏社会を支配する犯罪組織。名前の由来は、土神の従属神“盗みの神”が八本指である事に由来している。
1つの組織の中に8つの部門を持ち、各部門長がそれぞれの部門を取り仕切っている。
内実としては複数の組織が協力し合っている様なもので、各々に『仲間』という概念は存在しない。一応は同じ組織に属しているという事で表立って対立する事こそ無いが、裏では利権の奪い合いや足の引っ張り合いが日常的に行われている(例として、『蒼の薔薇』が麻薬取引部門の麻薬栽培施設の1つから入手した暗号の内容が他の部門の情報だったのだが、これは麻薬取引部門が自分達から一時的に狙いをそらす目的で準備しておいた物だと判明している)。
王国内の貴族はじめ司法・行政・商業その他様々な業界に息のかかった者が多数存在し、強い影響力を持っている。特に王国の貴族や領主の中には八本指と癒着している者も多く、王族などの査問や司法の手が入った場合を除いて、封建貴族を有罪にする事は難しい。
こういった理由により、組織は王の膝元である王都にありながら好き勝手に振る舞っている。
各部門
八部門それぞれの部門長の集まる会議が定期的に王都で開かれ、出席しなければ裏切りの可能性ありとされて粛清の対象となる。そのため殆ど王都に来ない様な者でも、精鋭の護衛を付けて会議に出席する。
会議には各部門長の他に、水神の聖印を下げた組織のリーダー格の男(名前は不明)が進行役の議長として参加している。
- 麻薬取引部門
ヒルマ・シュグネウスが部門長を務める。作中では『ライラの粉末(別名・黒粉)』という麻薬を、「副作用が無い」という触れ込みで売りさばいていた(もちろんそれは嘘なのだが、依存性が高い反面禁断症状が弱いため王族から危険性を理解されず、ほぼ黙認されている状態にあった)。
- 奴隷売買部門
アンペティフ・コッコドールが部門長を務める。ラナー王女により奴隷の売買が違法となったため、斜陽傾向となってきている。
ナザリックに取り込まれた後は、書籍版14巻にて王都が魔導国の侵攻を受ける前に、シャルティアが収監されていたコッコドールを救出している。しかし命こそ助かったものの、ヒルマ達同様恐怖公による『洗礼』を受ける羽目になった。
- 警備部門
『六腕』のリーダー、ゼロが部門長を務める。用心棒や貴族の護衛まで、幅広く活動している。更に組織全体の軍事力をも担っており、構成員であっても『六腕』の誰かを雇う事も可能。
ナザリックに取り込まれた後は、ナザリックからレンタル出来るアンデットモンスターが強力すぎる為、不要のポジションとなった。
- 密輸部門
長は不明。作中で“クリストフェル・オルソン”という大商人と、構成員の傭兵が登場している。商業分野に深く食い込み、王国と帝国の戦争後は更に勢力を伸ばした。
- 暗殺部門
詳細は不明だがナザリックに取り込まれた後は、警部部門同様無用のポジションと化した可能性が高い。
- 窃盗部門
詳細不明。
- 金融部門
詳細不明。
- 賭博部門
ノア・ズィデーンが部門長を務める。詳細不明。
ゲヘナ以降
水面下での対立や化かし合いの絶えない彼らであったが、マーレから恐怖公の配下達をフルに活用した悪魔的『洗礼』を受けて以降はわだかまりを捨てて、皮肉にも互いを思いやる事の出来る仲間となり真なる結束を果たした。
これによりナザリックは、実質王国の半分を支配した事となる。
14巻で王国と魔導国が戦争状態に入るまではナザリックの手足となって暗躍し続け、魔導国が王都へ侵攻する直前に八本指の関係者1000人がシャルティアの《転移門(ゲート)》で王国を脱出。
どこかの森の中に作られた村に転移させられ、一週間後に別の場所で建設中の村で暮らす予定となっている。
WEB版
八本の指と人間の大きな欲望八つを持つとされる堕落と快楽の魔神、“ディーヴァーナーク”が名前の由来となっている。
またメンバーにゼロ以外の『六腕』が存在しないなど、構成や名前が一部異なっている。
こちらでは王国裏社会組織がナザリックに取り込まれない代わりに、バハルス帝国に存在するズーラーノーン下部組織の邪神信仰集団を、アインズが彼らの願いの一部である不老の褒美を餌に乗っ取っている。