概要
アメリカ合衆国とチリの関係（アメリカがっしゅうこくとチリのかんけい、英語：Chile–United States relations、スペイン語：Relaciones Chile-Estados Unidos）は、アメリカ合衆国とチリの両国関係の事である。チリは南アメリカ諸国で腐敗が最も少なく、活気に満ちた民主主義国の1国と見なされ、健全な経済を有している。南半球でコロンビアと並んでアメリカとは戦略的な同盟関係にあり、同じ米州相互援助条約の加盟国であり続けている。
両国の比較
| 国名 | 政体 | 現在の首脳 | 国土 | 人口 |
|---|---|---|---|---|
| アメリカ合衆国 | 大統領制 連邦共和国 | ジョー・バイデン | 962万9091平方キロメートル | 3億3189万3745人（2021年12月） |
| チリ | 大統領制 共和国 | ガブリエル・ボリッチ | 75万6102平方キロメートル | 1757万4003人（2017年4月） |
歴史
1824年4月に外交関係を樹立し、ヘマン・アレンが最初の駐チリ大使となった。1879年4月にペルー・ボリビアとチリが交戦した硝石戦争の間、アメリカはペルーを支持した。それは主にペルーにおけるアメリカのビジネス・経済的利益の為、長期に渡る戦争を早期に終結させようとした。和平交渉はチリが征服された土地の返還を要求した時に失敗に終わり、チリ人は新しいアメリカのイニシアチブがペルーに対する友好姿勢の偏見で汚染されていると疑った。その結果として両国関係は悪化したが、代わりにチリはアメリカが中立を維持するよう求めた。
1891年1月に発生したチリ内戦でアメリカは敗北した方を支持し、イタタ事件で反乱軍がカリフォルニアで違法に購入した武器の譲渡を阻止した。内戦中にアメリカの利益を守る為、同国のベンジャミン・ハリソン大統領とベンジャミン・F・トレーシー海軍長官は軍艦のUSSボルチモアを派遣した。無分別な事に船長はバルパライソの敵対的な港で部下に上陸を許可し、トラブルは路上での喧嘩に発展してアメリカ人2人が死亡・17人が負傷・36人が刑務所に収監された。
2014年2月にアメリカ政府は、チリをビザ免除プログラムに追加した事を公式に発表した。これによって同年5月から全てのチリ国民が料金の支払いが無くてもアメリカを旅行する事が可能になり、チリはラテンアメリカでそのような査証を所有する唯一の国になった。通常ならこの特権はヨーロッパ諸国・オーストラリア・ニュージーランド・日本・韓国・台湾など、アメリカと最も近い同盟関係にある国・パートナーにのみ付与される。
経済
2003年6月にアメリカとチリは自由貿易協定を締結し、両国間の貿易を有利にする為、関税の撤廃・削減による複数の経済的利益をもたらした。観光ではアメリカはチリ人観光客の海外旅行先として3番目に人気があり、ラテンアメリカ諸国以外では1位である。
