小学館の「プチフラワー」で1992年から2001年まで連載された。
コミックス版全17巻。文庫版全10巻。
1997年「第1回手塚治虫文化賞優秀賞」を受賞。
アメリカ・ボストンとイギリス・ロンドンとその近郊を舞台に、性的虐待、近親相姦、ドメスティック・バイオレンス、同性愛、未成年の売春、ドラッグ、トラウマなど、社会が抱えるさまざまな社会的問題を、ある一家の性的な確執を軸に描いたサイコ・サスペンス。
主人公の少年ジェルミの身に起こる怒濤の激しい展開が続く前半部分と、様々な問題を抱えた人物が登場しそれらが複雑に絡み合いながら、ジェルミと義兄イアンとの精神的対話を主軸としてゆく叙情的な後半部分。
ショッキングで、特に物語前半はトラウマな漫画として挙げられる程の鬱々とした展開と猟奇的とも言える内容。萩尾望都先生のイメージで耽美な世界を求める方は注意されたし。