蒸気自動車
じょうきじどうしゃ
レシプロ蒸気機関を搭載した自動車。19世紀後期から20世紀前半にかけて広く使われた。
概要
レシプロ蒸気機関を原動機とする自動車。燃料は石炭とは限らず、ガソリンや灯油のボイラーを持つものも多かった。
基本的に始動性は悪く、液体・気体燃料利用でも1時間、固体燃料(石炭)利用だと4時間かかる。このため蒸気機関車は運転中以外もボイラーに火を入れておくことが多い。
しかし、米国の蒸気自動車「スタンレースチーマー」は瞬間湯沸し式のボイラーをそなえ、外観も性能的にも当時のガソリン車と遜色がなかった。レシプロ蒸気機関は低速トルクに優れているので変速機を必要としない(当時のガソリンエンジン車の変速は難物であった)、動作が静かであるなどの長所があり、1927年まで生産された。
世界初の自動車(キュニョーの砲車)と日本で最初の自家用車(ロコモビル)はいずれも蒸気自動車である。いずれも現存しており、後者は北海道七飯町の道の駅に展示されている。