日本における新石器時代。約1万6500年前(紀元前145世紀) から約3000年前(紀元前10世紀)の長きにわたり継続した。基本的には狩猟・漁労・採取が生活の中心であったが、栗の植栽や雑穀・イモなどの農耕が行われていた。
この時代の人々は森や川の近く、あるいは海辺で定住生活を送り、竪穴式住居に住んだ。金属製品はまだなく、磨製石器・打製石器が使われた。
「縄文」の名は、この時代の土器(縄文土器)に縄の文様がついていることから。弥生時代とは、水田稲作の有無、弥生土器への移行で区別される(なお、弥生土器にも縄目がついているものがある)。
かつて(第二次大戦前)は、「縄文人は先住民族であり、現代日本人の祖先に征服された」と信じられていた。その後の研究の進歩により、縄文人は弥生時代に大陸からの渡来人と混血して今の日本人になった、もしくは縄文人の系譜はそのまま今の日本人(アイヌを含む)につながっているという説が有力になっている。
南東北地方以南が弥生文化に変わり、古墳時代に移行した後も、北海道・北東北地方では続縄文時代が続いた。
漆工芸、勾玉など、縄文固有の文化で歴史時代まで受け継がれたものは多く、既に陸稲の栽培もなされていた。日本文化の基層は、縄文時代に遡るといえるだろう。