概要
黒須一也が高校生の時に転校してきた同級生。
ろくでなしの父親が蒸発し、残した借金苦から母親からも捨てられた少年。
ドクターTETSUが寄付している養護施設で子ども達を支配していたが、ある子どもを制裁している場面にTETSUの登場とナイフを胸に刺さりながら命乞いをしなかった反骨心を見込まれ、彼の内弟子となった。
彼から医学を教えられながらも、それを支配に使えると人の命を軽視する危険な人物だったが、凄まじい向上心でTETSUの教えを吸収すると同時に、TETSUの思惑でドクターKに興味を抱き、一也と接触する。後にとある事件を通じて、医師としての倫理意識が芽生え、一也の良きライバルとなる。
不慮の事情で帝都大学の受験に落ちてしまい、浪人生となる。それを取り戻すどころか勉強もままならず燃え尽きたようになってしまう。そんな自分を変えるため、またTETSUもそれを後押しするかのように大金を残して去り、一人の診療所で修業を積むことになる。そんな生活の中で、譲介の将来を案じたTETSUは譲介の母親を探しだし、再婚して異父弟が肝臓移植が必要な窮状を知らされる。複雑な心境の中、異父弟を救うべく生体肝移植を決意し、そして母は我が子を捨てようとしつつも捨てられずに戻ろうとした矢先に事故に遭い、退院したときにはもはや探す術もなかったことで捨てられていなかったことを知る。
後見人だったTETSUのことはなんだかんだで慕っており、燃え尽きかけていた時期に独り立ちしようにも恩義から決断しきれずにいた程だが、その後押しのため彼が自分の元を去った時は泣いており、髪を伸ばして似たような髪型にした。なお、TETSUからはふざけた髪型と評され、「あなたには言われたくない」と返した。
一人の下での修行で人間的成長も重ねる中で、村に縛りつけ闇医者になる事を望まない一人の根回しによってアメリカのクエイド財団にスカウトされ、一也の大学卒業と同時期に渡米した。
偏食(単なる好き嫌いではなく、生い立ちからの精神的なもの)で長きにわたってカレー以外食べれなかった。
人物
暗い生い立ちから、性格の変化が著しい。
当初は、捨てられたコンプレックスから、人間不信を拗らせ攻撃的で支配欲や顕示欲を潜ませていた危険人物だった。同時に小動物への愛情を持ちあわせており、小動物を殺して怪文書をばら撒いた相手を容赦なく報復したり、虐待の疑いがあるシングルマザーの元にナイフを持って不法侵入しようとする、結局子どもは笑い症で暴れてケガを負っていただけで愛情深い母親の存在を信じ切れないなど、どこか歪な人格形成をしていた。
しかし、一也の出会いから、人を救う経験も増え、また良縁に恵まれて変わり始めたものの、上記の受験失敗から一人の元へ、村で医学を学び始めてからは、村民の付き合い(後に認められたくて痛々しかったと言及されている)を経て、人格も柔らかく落ち着いていく。
その一方で、向上心の強さは変わらないため、時に一也にKの一族やオリジナルのKAZUYAのことも突きつけ、切磋琢磨しながらも馴れ合わず、でも患者を前にすれば連帯感を発揮する不思議な関係を築いていく。
また、TETSUの計らいで母親と今の生活、異父弟と自分を捨てたことが誤解と気付き、ようやく地に足がつき始めた。
こうした良縁に恵まれ、一人と朝倉の海外留学の際には過去の自分の振る舞いから、自分は多くの人に支えられ、縁に恵まれていたと述べるほどの謙虚さも見せるようになった。