概要
東京の神田にある老舗寿司店『超神田寿司』の大女将で、纏や檸檬らの祖母。
時代劇や歌舞伎の鑑賞が趣味で、檸檬はその影響を大きく受けている。特技は三味線で、普段は右利きだが三味線を弾くときは左利きになる。
また、纏に琴を教える等女性の習い事は一通りマスターしている様子。
人物
100歳を超えてもなお店の経営を取り仕切っており、息子の夜婁紫喰(よろしく)は完全に母に頭が上がらず、彼女に意見できるのは天才的な味覚を持つ檸檬くらい。
老舗の名店にあぐらをかくことなく常に新しいことに挑戦するバイタリティ溢れる人物で、何と独学でパソコンの使い方をマスターして店のホームページまで立ち上げている。また、意外とコンピュータゲームも嗜む程で新しいものに順応するとハマる様子。
体の方もまだまだ元気で、算盤を目にも止まらぬ速さで弾いて正確に売り上げを計算し、時には薙刀を振り回して両津勘吉を追い掛け回すパワフルなお婆さん。
謹慎中に浅草一郎(勘吉の名前を憶えていなかった纏が適当につけた名前)の名で超神田寿司でアルバイトすることになった勘吉を気に入り、纏の結婚相手に選ぶが、勘吉の実家に挨拶に行った際に彼が両津家の人間と知った途端に二人の縁談を白紙に戻してしまう。
実は夏春都は勘吉の祖父である両津勘兵衛の妹であり、勘吉にとって大叔母にあたる人物。
若い頃に兄妹で実家の佃煮屋の支店を任されたが、生粋の遊び人である勘兵衛は遊んでばかりで店のことを妹の夏春都に丸投げしていた挙句、彼女が擬宝珠家に嫁いだ途端に支店を潰してしまった。
その為、夏春都は遊び人ばかりの両津家の男を嫌っており、結婚後は実家と一切連絡を取っていなかった。勘吉の実家に挨拶に行った際に勘兵衛が偶然やってきたことでその事実が判明し、およそ80年ぶりに兄と再会した。
ちなみに当初は両津家との繋がりが判明していなかったが、夏春都の顔つきをよく見ると結構、両津家の男共の特徴と似ている。
商魂の逞しさや面倒見の良さに関して言えばやはり彼女も両津家の血を受け継いでいるようで(勘吉がその様に血は争えないと感じている)、勘吉が勘兵衛の孫と知った後も店から追い出すようなことはせず、商売の相談をしたり支店を任せたりしているほか、檸檬が遠出する際に保護者役を任せるなど勘吉の人柄や寿司職人としての腕前は高く評価している(一を知って十を知るタイプと評価した)。
太平洋戦争で戦死した夫・貴一廊は男気溢れる気風のいい人物であったらしく、勘吉の男気や従業員達に気風のいい所にそれを重ねた事もある。
上述した通り兄の勘兵衛とは犬猿の仲だが、かつて戦後の食糧難でコブを作りながらも盗んできた芋を妹に分け与えた優しい一面を持っていたことは覚えていた。
また、嫌っているのはあくまで勘兵衛のいい加減さと血筋の業の深さであるようで、勘吉の両親である両津銀次・両津よね夫婦にはそれほどわだかまりはないらしく、とある一件では勘吉になんとか親孝行させるために両津家・擬宝珠家の総出で一芝居うったこともある。
原作においては両津には厳しいことを言うものの、豪胆でかつ新しいものを積極的に取り入れていく性格故に、両津の行動力を高く評価している。所謂「部下をやる気にさせるタイプの上司」像である。その点は両津を「ダメ人間」と断じた上、時に己の理解力のなさと上級公務員ゆえの融通の効かなさを部下である両津に転嫁する「部下のやる気を削ぐタイプの上司」として描かれていた大原部長と対照的である。
それも早速119巻9話で「値下げのために独自の仕入れルートを構築する両津」に対して、無理解な部長に対し夏春都は「やることが豪快だね」と認めている。
そういうこともあってか両津も割と夏春都に懐いている節があり夏春都の大切なものを知らずに売ってしまった時は赤字も厭わず回収している。
性格はさっぱりしており、纏の性格は祖母から遺伝したもの。
戦死した夫の形見である時計も壊れてるからと両津にあげる程さっぱりしている。
(これには流石に両津も戸惑っており、彼女のサッパリさに若干引いていた。なお、その時計は両津がアメリカの軍用時計マニアに渡した後、修理された上で夏春都に返却し、両津は時計の蓋の裏に夏春都の名前が刻まれていることを教えて帰ろうとした際、夏春都は両津に初めて「ありがとう」と感謝を口にした。ちなみに、次の話でこち亀が最終話であるため、この感謝の言葉は最初で最後となった)
アニメ版および舞台版で夏春都を演じたのは、勘吉役のラサール石井と同じくお笑いトリオ「コント赤信号」の一員である小宮孝泰。
アニメ版では両津家嫌いが強調されており、薙刀を振り回して勘吉を追い掛け回すのが恒例のオチとなっていた。その一方で、目前で檸檬が誘拐犯に攫われるのを阻止できないなど頼りない一面も描かれた。