概要
2020年に一迅社ノベルスで連載されているライトノベルで、原作・中村颯希、キャラクター原案・ゆき哉。そしてコミックZERO-SUMで漫画・尾羊英によってコミカライズされた。
正式タイトルは『ふつつかな悪女ではございますが ~雛宮蝶鼠とりかえ伝~』。
中華ファンタジーを題材にしており、後宮で渦巻く陰謀を主人公が根性や逞しさ、何より鋼メンタルで逆境を乗り切っていく。「雛宮蝶鼠とりかえ伝」とある様に、主人公ともう1人のヒロインの魂と身体が入れ替わった事により、物語は進んでいく。
物語
後宮に『雛宮(すうぐう)』と言われる場所がある。そこは次代の妃を育成するため、五つの名家から姫君を集めた宮。
東領を収め、木を司る一族『藍家』
西領を収め、金を司る一族『金家』
南領を収め、火を司る一族『朱家』
北領を収め、水を司る一族『玄家』
直轄地を収め、土を司る一族『黄家』
集められた彼女らは「雛女(ひめ)」と呼ばれ、その中の1人である黄 玲琳は、皇太子である詠 堯明から寵愛を受けている事、そして蝶を思わせるその美貌から「殿下の胡蝶」と呼ばれていた。一方で全てにおいて冷遇され、劣等感を抱き玲琳に対して嫉妬を隠さない朱 慧月は、周囲からは「雛宮のどぶネズミ」と貶されていた。
七夕の夜、大きな箒星が流れた時に慧月が玲琳を突き飛ばしたその時、慧月の道術により玲琳と慧月の魂が入れ替わってしまう。
そして「朱 慧月」となった玲琳は捕らえられ、地下牢へ閉じ込められる。入れ替わりを信じる人はおらず、弁明の言葉は封じられ、周囲の者達からは蔑まれ、劣悪な環境へと置かれた……のだが、慧月の身体は玲琳が最も望んでいた健康な身体で、常に「死」と隣り合わせで病と戦ってきた玲琳にとって今の状況はむしろ喜ぶべき事だった。
「黄 玲琳」と「朱 慧月」、対照的な2人が入れ替わってしまう大逆転後宮とりかえ伝。
登場人物
メインキャラ
- 黄 玲琳(こう れいりん)
- 朱 慧月(しゅ けいげつ)
- もう1人のヒロイン。玲琳とは正反対に周囲からは忌み嫌われており、“鄒宮のどぶネズミ”と蔑まれている。道士として道術が使え、それにより魂の入れ替わりを行って「黄 玲琳」となり、誰からも愛される生活を夢見ていたが、その虚弱な身体や通常では考えられない鍛錬の数々で逆に苦しむ羽目に陥る。
- 莉莉(りーりー)
- 慧月に仕えている女官。以前より慧月から様々な嫌がらせを受けて憎悪を燃やしていたが、雛宮で起きた事件後に巻き込まれる形で宮の果てに飛ばされた事で、ますます憎悪を募らせる。本来は朱家の人間であるが、移民の踊り子である母親から琥珀色の瞳や赤みがかった髪色を受け継いでおり、その為に雛宮でも悲惨な扱いを受ける。
黄家
- 黄 絹秀(こう けんしゅう)
- 現皇后陛下で堯明の母親、玲琳の母方の伯母にあたる。玲琳とは前述の通り親戚関係だが、同時に彼女を黄家の雛女に選んだ人物。
- 黄 冬雪(こう とうせつ)
- 玲琳の付き人である女官の筆頭。常に表情を崩さない冷静沈着な人物であるが、最愛の玲琳の事となると感情をむき出しにする。
藍家
- 藍 芳春(らん ほうしゅん)
- 藍家の雛女。他の雛女よりも少し幼い容姿をしている。
金家
- 金 清佳(きん せいか)
- 金家の雛女。玲琳を敬愛しており、慧月がした行為を苦々しく思っている。
玄家
- 玄 歌吹(げん かすい)
- 玄家の雛女。長い黒髪の持ち主で、凛とした雰囲気で右目に泣きぼくろがある。
朱家
- 朱 雅媚(しゅ がび)
- 慧月を朱家の雛女に選んだ妃。おっとりしていて何事にも慈悲深い。
男性陣
- 詠 堯明(えい ぎょうめい)
- 皇太子で次期皇帝。“殿下の胡蝶”と称される玲琳を心から愛しているが、それ故に彼女の事になると周囲が見えなくなる。
- 辰宇(しんう)
- 後宮の風紀を取り締まる役人で、鷲官長(しゅうかんちょう)という地位に就いている。
堯明の異母弟でもあり、異国の奴隷であった母親譲りの青い目を持つ。
- 文昴(ぶんこう)
- 辰宇の部下で宦官。大人しそうな青年だが、上司の辰宇に対して割と遠慮の無い物言いをする。
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