アースラ
あーすら
曖昧さ回避
- ディズニー映画『リトル・マーメイド』に登場する海の魔女。妹のモルガナについても本項で説明。
- RPG『ブレスオブファイアⅣ』の登場人物。⇒アースラ(BOF)
- アクションRPG『ニーアレプリカント/ゲシュタルト』に登場するお婆さん。海の向こうに行った夫を待ち続けている。
- メディアミックス作品『魔法少女リリカルなのは』シリーズに登場する次元航行艦。
リトルマーメイドのアースラ
概要
日本語版のCV:森公美子
映画作品「リトル・マーメイド」に登場する海の魔術師。今作のディズニーヴィランズ。
上半身は人間だが下半身がタコになっており、薄紫がかった肌とギラリと輝く銀髪、何よりふくよかな体形が特徴的。
かつて王宮を追放されたことからトリトン王を恨んでおり、その復讐も兼ねて海の支配権を奪おうと企んでいる。部下にウツボのフロットサム・ジェットサムがいる。
普段は薄暗い洞窟で暮らしており、「人助け」と称して様々な悩みを抱える人魚達の望みを叶えている。ただしその為には対価を支払う必要があり、更にアースラが提案する忠告を守らなかったり約束を果たさないなどの違約行為をすると魔法は解けてしまい、その罰として呪いで得体のしれない海洋生物へと変えられてしまう。
望みを叶える際は口約束ではなく、契約書に直筆のサインをさせる。これだけならば契約を重んじるとも言えるのだが・・・
実はアースラ本人が悪意を持って提示した契約は部下が遂行を妨害するなどして履行できなくさせており、相手がそれに対して異議を唱えても契約書を盾に突っぱねる。
そしてこの契約書には強力な魔法がかかっており、一度かかったらアースラ自身はおろかトリトン王ですら破る事は出来なかった。
こうして海洋生物に変えられたら最後、アースラの使う魔法の材料として大鍋にかけられてしまう。
活躍
中盤に登場。人間と関わってはならないとトリトン王に厳戒されて悲しみに暮れるアリエルに接近して契約を持ちかけ、巧みな話術で彼女の声と引き換えに3日間だけ魔法で人間にした。
ところが自身の思惑とは裏腹に徐々に接近していくアリエルとエリックに焦りを覚え、アリエルから奪った声で歌う黒髪の美女「ヴァネッサ」に変身。陸上に現れてアリエルの契約を失敗させようとペンダントに閉じ込めた声と自身の演技でエリックの心を操り、彼との婚約に取り付ける。
しかし偶然鏡に映ったアースラの姿を目撃してヴァネッサの正体を見破ったカモメのスカットルや彼の仲間に結婚式を妨害され、エリックの愛犬マックスに噛みつかれたことでペンダントを壊される。その結果自身の正体が露見してしまい、式場に駆けつけたアリエルは声を取り戻した。
それでもアースラの契約はぎりぎりのタイミングで間に合わず、アリエルを契約書の力で海洋生物に変えようとしていたところをトリトン王が駆けつける。だが前述の通りアースラの本当の目的はアリエルを人質にした上でトリトン王から王座を奪い取る事であり、最終的に目論見通りトリトン王はアリエルの身柄を開放するのと引き換えに矛と王座を差し出す事を選び、醜い海洋生物に変えてられしまう。
こうして玉座とその証である矛を手に入れたものの助けに来たエリックやフランダー、セバスチャンらの反撃を受け、さらにアリエルの妨害でフロットサムとジェットサムを誤射して海の藻屑にしてしまい、怒りで巨大化する。
矛の力で嵐を起こして海を荒らし、アリエルの息の根を止めようと追い詰める。しかし圧倒的優勢を誇っていた彼女に特大の雷が落ちてしまい壮絶な感電死を遂げる。海の底へ沈みながら滅亡し、同時にトリトン王をはじめとする醜い海洋生物にされていた人魚達は全員元の姿に戻った。
作中での執念深さや魔力の強さは勿論、包容力あふれる彼女の魅力に圧倒されてしまった視聴者も多いのでは。
現在ではディズニーヴィランズの中でも代表格の一人とされ、様々なイベントで登場している。
悲しい過去
日本未発表(あるいは没になった)の劇中歌である「Daddy's Little Angel」という曲の中では若き日のアースラが父親のポセイドンから「悪い見た目」を理由に全く愛されることがなく、ネグレクトも同然の扱いを受けて寂しい日々を送っていたことが言及されている。これが原因で心が荒んだ彼女は姉を事故に見せかけて間接的に殺害するなどの暴挙に出てしまう。やがてポセイドンが病気で亡くなるとトリトンが王宮の支配者となり、彼女は王宮に出入りすることすらできなくなってしまった。
アースラが父親から与えられた唯一の存在は渦巻模様のペンダントの一本だけであり、彼女はこれを魔術の根源として常に首にかけている。
妹のモルガナ
日本語版のCV:久本雅美
続編の『リトルマーメイドⅡ』では妹のモルガナが登場。こちらもタコの魔女であり、執念深くて悪辣。
ほっそりとした体格が特徴的だが、姉とは違い魔力を大して使えなかった事からいつも姉と比べられ母親の愛情を奪われたと妬んでおり、海を支配する事で姉を超えようと企んでいる。
部下には鮫のアンダートゥがいるが、優秀且つ忠実な部下(フロットサム・ジェットサム)を持っていたアースラと違い事ある毎に皮肉や悪態をつかれるなどお世辞にも忠実とは言い難い。
同じく部下にエイのクロークとダガーがいる。いわゆるフロットサムとジェットサムの立ち位置であるが役割が偵察などと二匹やアンダートゥと違い少々影が薄い。
アリエルとエリックの娘であるメロディを赤ん坊の頃に襲うが失敗し、12年に渡って目を光らせていた。母・アリエルと喧嘩した彼女を言葉巧みに誘い出して姉の遺した薬で人魚にする。そして彼女を騙して利用し、トリトン王の矛を手に入れて海の生き物を皆彼女の足元にひれ伏させるなどして得た実力を誇示する。
「見てよママ!姉さんに負けちゃいないだろ!」
こうしてあと一歩の処で海を支配できると思われたが、海の生き物ではない人間のメロディの反撃によって矛を取り戻され、トリトン王の魔法により、永久に海の底で氷漬けとなった。
「ママ…。」
モルガナは憎き姉であるアースラの写真と共に海の底に沈んでいった…。
余談
西洋ではタコは悪魔の生物とされており、そこから派生してクラーケンなどの魔物も考え出されているので、海を舞台とする童話の悪役としてはピッタリである。
また、原作では「ウルスラ」という読みで通っているが、その語源は聖女の名前であり、悪い魔女のアースラとは正反対。
「阿修羅」(アスラ、アーシュラ)とは何の関係もないが、腕の数と脚を合計すればタコと同じ8本になることや、元は聖なる存在(阿修羅は守護神)でありながら争いや苦難の象徴であったり創作ではボス扱いだったりと何かとマイナスイメージや強敵のイメージが強いという共通点はある。
なお、モデルは1970~80年代に活躍していたアメリカのドラァグクイーンのディヴァイン。