チャールズ・F・マンツ
ちゃーるずえふまんつ
「冒険はそこにある!」
概要
CV:大木民夫/クリストファー・プラマー
『カールじいさんの空飛ぶ家』に登場するキャラクター。
1930年代に活躍した冒険家で、主人公カールとエリーの憧れの存在。現在94歳。決め台詞は「冒険はそこにある!」。
南米にある“伝説の滝”パラダイスの滝に住む怪鳥を捕獲しその骨を学会で発表するも、学者たちから偽物と断定されたことで、全米冒険者協会の協会員資格を剥奪される。名誉挽回のために「怪物を生け捕りにするまで決して戻らない」と宣言し、飛行船「アドベンチャー号」で南米に飛び立ち消息不明となった。
以降70年近く、パラダイスの滝の近くの洞窟を根城に怪鳥=ケヴィンの探索を行なっている。愛犬家で、自作の犬語翻訳機を首輪につけた犬軍団を従えている。
ネタバレ注意!
「なぁ、カール。今までここに来た連中は皆、色んな理由をでっち上げてきた。"地図造りのための測量"、"草木の標本集め"、そしてある男は"パラダイスの滝に家を運ぶ"と言った。君の話が一番傑作だ、結末が楽しみだなぁ・・・」
実は彼こそが今作のディズニーヴィランズである。
長年ケヴィンを捕まえることに異常な執着を持っており、さらに過去の一件から非常に疑心暗鬼となっている。
カールと出会った当初は、風船を大量につけて飛ぶ家を見て「パラダイスの滝に家を運びにやって来た」という話を信じ歓迎したが、うっかりラッセルがケヴィンを手懐けたことを口走ってしまったことで、彼らを「ケヴィンを捕獲するためやって来た」と勘違いし、邪魔なカールたちを始末しようと企む。
ちなみに、過去にも前述したとおり、「地図造りのための測量」や「草木の標本集め」のためにパラダイスの滝を訪れた者たちを、ケヴィンの捕獲が目的だと勘違いし、手にかけていった様子。
一度は逃げられるが、ダグの首輪の発信器を使って居場所を洗い出し、家を放火した隙にケヴィンを捕獲する。飛行船に乗って逃亡するも、追ってきたカールたちと壮絶な戦いを繰り広げ、最終的は飛行船から雲の下へ落下して死亡した。
彼の行動原理は、とにかく「怪鳥を生け捕りにし、汚名を晴らす」、この一点に尽きる。しかし、汚名を着せられたのは70年も前のことであり、今となっては当時を知る者たちはほぼこの世からいなくなっている。つまり「自分を認めなかった者たち」を見返すことは既に叶わなくなっているのである。
かつては皆から称えられる存在でありながら、理不尽な烙印によって失墜し、他者を犠牲にして且つ今や数少ない自分を慕う者を切り捨ててまで怪鳥捕獲に苦心したにも関わらず、最終的には失敗し汚名も晴らせないまま自らの命を失った。仮に目的を達成したとしても、それを出迎える者ももういない。どうあってもマンツ自身は救われないため、後半は自業自得とはいえあまりにも不憫である。
余談
名前の由来は、ウォルト・ディズニー作のキャラクター『オズワルド・ザ・ラッキー・ラビット』の権利を奪ったチャールズ・ミンツからとったと言われている。
物語中盤までのカールも「パラダイスの滝に家を運ぶ」ことに強い執着心を持っており、監督のビート・ドクターによれば「ある意味マンツはカールの映し鏡」、「ラッセルとの出会いがなかったらカールも同じ末路を辿っていた」とされる。そういった経緯から、マンツを救う形で終わる最初の案から以前のカールの象徴として死なせる結末にしたという。
関連タグ
哀しき悪役:ある意味そう言えなくもない。
エルネスト・デラクルス:「主人公の憧れだった悪役」という点が共通。しかし、こちらは物語開始時には既に死亡していることと、若い頃から冷酷な面を持っていたという点が異なる。