シンダー・カーラ
しんだーかーら
「私らRaDは 来る者は拒まないのがモットーだ」
「せいぜい歓迎しようじゃないか」
概要
CV:下山田綾華/英:シャラ・カービー
惑星ルビコン3で活動するならず者集団「ドーザー」の一つ、RaDの頭目を務める女性。
ジャンク技師とハッカー集団を引き連れて本編の3年前にRaDに入り、その後わずか半年で組織の実権を乗っ取って成長させた女傑。
ハンドラー・ウォルターとは旧知の仲であり、たびたび会話を交わしているようだ。
彼女を一言で表すなら「ハード・ソフトの両面で有能な変態技術者」。
AC用パーツやMTをはじめ全てのRaD製品の基礎設計を行っているほか、彼女の腹心の部下であるチャティ・スティックは、実は彼女がイチから組み上げた提案型AIである。自ら手掛けた被造物であるAIのチャティや組み上げたAC・MTにも愛情を注ぐ情の深い面も見られる。
一方で「殺しの兵器にも笑える一面が必要」という美学をもち、彼女のプロデュースする兵器はたいていトンチキな機構を搭載していることが多い。
技術者として優秀な彼女だが、ACパイロットとしてもなかなか腕が立ち、アリーナランクはBランクの第11位。しかもこの際、オールマインドのシステムをハッキングして自分のメッセージを仕込んでおくという離れ業を見せている(ちなみにランク付けのシステムや戦闘データの出来にはご不満の様子)。
一方でその来歴は謎に包まれている。
彼女は他のRaDメンバー同様二つ名を名乗っており、「アイビスの火」の生き残りを意味する呼称「灰かぶり」(Cinder)を自称している。
事実であれば実年齢は50歳以上となるはずだが、その声は非常に若々しく、とある情報ログでは「あの若さで灰かぶりとはとんだほら吹き」と言われているので、少なくとも外見上は実年齢とは見合わない姿をしている模様。ただし『アーマード・コア』シリーズには外見年齢と実年齢が一致していない前例があるため、彼女が本当の意味での「灰かぶり」である可能性は否定できない。
ストーリーでの活躍
初登場はチャプター2最初のミッション「グリッド086侵入」。
アーレア海を越えて中央氷原に向かうべく、RaDの縄張りであるグリッド086に侵入したC4-621を「ビジター」と呼び、手駒のインビンシブル・ラミーやMT部隊、そしてスマートクリーナーをけしかけて「歓迎」する。
621がそれらを退けるとその腕前を認め、「海越え」のためのカーゴランチャーに辿り着くまでの手引きをしてくれる。
その後はRaD絡みの依頼を621に回してくれるようになるが、一方でウォルターには「友人たち」を引き合いに出して何やら意味深な会話をしているようで...。
乗機「フルコース」
彼女の乗機は重量二脚AC「フルコース」(FULL COURSE)。
すべての武装をミサイルで固めたミサイルカーニバル機であり、怒涛の弾幕でスタッガーを取ってからおかわりのミサイルやブーストキック、アサルトアーマーで追撃してくる。相手にする側からしたら笑っている場合ではない気がするのだが…エンブレムはピンク色の糸を吐くクモ。
各パーツはすべて料理の品目の名前を持ち、機体名「フルコース」にかかっている。これも彼女なりのユーモアのひとつだろう。
アセンブル
特記なき場合パーツはすべてRaD製。
頭 | HS-5000 APPETIZER | 「前菜」。ヘルメットのような見た目が特徴。安定性や復元性能に難ありだが、機体負荷のわりにかなり頑丈。 |
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コア | CS-5000 MAIN DISH | 「主菜」。ぶっちぎりの重さとブースト性能の低さを防御力と安定性でごり押す豪快なコア。真正面からやり合うにはある意味最適解。 |
腕 | AS-5000 SALAD | 「サラダ」。トップクラスのEN防御と重装腕ならではの優秀な反動制御が光る逸品。射撃適性が控えめなのである程度距離を取っての撃ち合いに強い。 |
脚 | 2S-5000 DESSERT | 「デザート」。マッシブな見た目に違わず、安定性に長ける重量二脚。性能的には大豊の「DF-LG-08 TIAN-QIANG」と相互互換。 |
ブースター | AB-J-137 KIKAKU | BAWS製。近接攻撃推力に長けるがそれ以外の性能はお察しレベルで、砲撃戦主体の本機にはややミスマッチ。RaD製ではダメだったのだろうか? |
FCS | FCS-G2/P10SLT | ファーロン・ダイナミクス製。ミサイルロック性能にすべてを振り切ったFCSで、全武装がミサイルの本機にぴったり。 |
ジェネレータ | AG-T-005 HOKUSHI | BAWS製(エルカノとの共同開発)。重量はやや犠牲になるが出力と補充性能に長ける。 |
コア拡張 | アサルトアーマー | 弾をかき消しつつ広範囲にダメージを与えることを目的としたアーマー。 |
右腕武器 | WS-5000 APERITIF | 「食前酒」、包囲型ハンドミサイル。撃ってから一定時間はその場にとどまり、その後で飛んでいく。説明文通り動きながら撃つと敵を囲める仕組み。 |
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左腕武器 | WS-5000 APERITIF | 迷ったらダブルトリガーはアセンの基本。強烈な誘導性能で弾数も十分であり、よほど無策に撃たなければ弾切れとは無縁。 |
右肩武器 | WS-5001 SOUP | 「スープ」、散布型ミサイル。10連ミサイルを3回連続でぶっ放せるという豪快な武器であり、スタッガーを取って叩き込めば面白いように敵が溶けていく。 |
左肩武器 | WS-5001 SOUP | 両肩に装備するとさながら破壊天使、面妖な変形ギミックにも注目。ただしマルチロックはできないためご注意を。 |
ネタバレ
以下、ストーリーの重大なネタバレを含むため注意
チャプター4「集積コーラル到達」において、621は不意打ちを受け企業勢力によって拘束されてしまう。
下水道に残されていたジャンクACで何とか脱出した621を迎えに来たのは、なんとカーラであった。帰投した621に、彼女は自身、そしてウォルターの正体を明かす。
ふたりの正体、それはコーラルを監視する結社「オーバーシアー」の一員。
コーラルには生物のように自然に集まり増えていく性質があり、しかも一定ラインを超えるとその増殖スピードが手に負えない域に達してしまう。宙域を埋め尽くすほどのコーラルに火が付けば、それこそアイビスの火を上回るほどの大災害、『破綻』となりうる。
その兆候を見極め、対処可能なうちにいかなる犠牲を払ってもコーラルを焼き尽くし始末する...それがオーバーシアーの役目だった。
そしてその目的を達するため、かつて訪れた無人洋上都市「ザイレム」をハッキング、その真の機能を発揮させる。
ザイレムの正体は恒星間入植船、すなわち巨大な宇宙船。しかし質量兵器としてみれば十分巨大であり、これをアーキバスが建造したコーラル集積プラント「バスキュラープラント」に突っ込ませてコーラルを焼くというのがカーラのプランである。
- ルート「レイヴンの火」
オーバーシアーに賛同し、621はカーラに協力することになる。
621とともに自らACを駆ってアーキバスの艦隊を相当数撃沈するなど、戦闘の腕前は確か。
最期は最後の障害を排除しに向かう621を見送ったのち、ザイレムを手動操舵させバスキュラープラントに特攻。コーラル焼滅を成し遂げた。
- ルート「ルビコンの解放者」
「...ビジター アーキバスに大金でも積まれたかい」
「残念だよ ただ落とし前は付けさせてもらう」
621はコーラル焼滅を良しとしないエアに賛同し、カーラと敵対することになる。
ザイレムの隔壁を封鎖して抵抗するも突破してきた621を「小細工が通用する相手じゃない」と評価し、侮ることなくチャティと二機がかりで迎撃してくる。
閉所での戦闘なのでミサイルをよけづらく、一度スタッガーを取られるとおかわりのミサイルやチャティの追撃が飛んでくる難敵。回避に集中し短期決戦で挑むべし。
死闘の末621に撃破されるも、奥の手としてチャティにザイレムの管理権限をロックするよう指示し、計画を成し遂げんとする。結果、ザイレム掌握の手段を失ったエアと621はザイレムを止めるため次の手を打つことになる。
以降、さらなるネタバレにつき注意
- ルート「賽は投げられた」
直接登場はしないが、ミッション「ザイレム軌道修正」においてオールマインドの手勢相手にウォルターと共闘している様子が無線越しに描かれる。しかし最終的にはオールマインドによって「対処」されてしまったらしく、最終ミッション直前にコアユニットのみになったフルコースが映し出される。
621の命の恩人ともいえる彼女だが、ウォルター同様残念ながら生存ルートは一切存在しなかった。