「私が立案した作戦行動に臨めること、光栄に思いなさい」
概要
CV:手塚ヒロミチ
アーキバス・コーポレーションのAC部隊「ヴェスパー」の次席隊長。
指揮官としての自覚に欠ける首席隊長のV.Ⅰフロイトに代わって、ヴェスパー部隊の指揮および作戦立案を担当している。
アリーナランクは6で、エンブレムは左右に開かれた顔。
第8世代強化人間だがそれ以降も新しい技術が生まれる度に再手術を繰り返しており、彼が受ける再手術の安全性を保証するため、多くの強化人間を実験体として使い潰してきたとのこと。こうして他者を犠牲にして手に入れた実力には純粋に満足しているようで、作中時点でも古い技術の産物である旧世代型の強化人間に対しては「駄犬」「狂犬」「存在からしてカビが生えている」など特に辛辣。
アーキバス陣営における実質的な指揮官であり、アーキバス本社からの依頼は彼を介して伝達される。上記の通り作戦の立案も担当しているのだが、その内容は最も危険度の高い個所を担当させる実質的な捨て駒や、詳細を伏せて内部の不穏分子とぶつけてあわよくば共倒れを狙うなど徹底して非情で実利的であり、場合によっては味方であっても平然と使い捨てる。
その他、アーキバスの運営する「再教育センター」の長官も兼任しており、収容人数は日に日に増えている模様。収容された人間に対してより非人道的な加工を行う「ファクトリー」にも関わっているようで、「無人機の時代を終わらせたのがACなら、その優位性はどこから来るのか」ということに興味を持ち、道中で拾える無人ACの性能テストと思われるログでは彼と見られる人物がファクトリーへ「次は胴まで残した部品を送るのです」と伝達している。
なお本人の能力そのものは優秀で、アーキバス陣営の優勢を保つ為の工作や作戦指揮、ヴェスパー部隊の管理運用だけでなく必要な場面では自らACを駆って戦闘を行うなど多方面で活躍(暗躍)しており、決して口先だけの無能ではない。
ACパイロットとしての腕前についてもラスティから「ヴェスパー上位は伊達じゃない」と評価され、ゲーム的にも弱体化される前までは猛威を振るった強武器「ワーム砲」ことスタンニードルランチャーと、高負荷重量機体であっても猛烈な長距離突進力を発揮できるレーザーランスを駆使する実力者でもある。
「壁越え」では売り込みをかけてきたウォルターを最初は一蹴したが、「フロイト以外に頼れる人材がいないのは不幸だな」と煽られたことがきっかけで最終的に621を雇っているあたり、フロイトにこれ以上手柄を立てさせたくないことが窺えるが…?
人物
アーキバスグループ強化人間部隊 ヴェスパーの次席隊長
スネイルは第8世代手術を受けて強化人間となった後
新しい術式が普及するたびにその長所を取り入れるべく
再手術を繰り返している
彼が受ける 「調整」 の安全性を保証するため
多くの強化人間が死んでいった
――アリーナの解説より
彼の性格を一言で言うなら絵に描いたような嫌味エリート。
口調こそ慇懃だが言い方は常に高圧的で傲慢、基本的に相手を見下す姿勢を隠そうともしない。
ミッションブリーフィングを行う際に開口一番に言い放つのが記事冒頭の台詞であり、初見で悪印象を持ったプレイヤーも多いかもしれない。
彼のこうした態度は部下や同僚に対しても同じであるようで、V.Ⅴホーキンスには「人を呼びつけるのが好きで、そのくせ偉そうに遅れて来るのはいつものこと」と評され、V.Ⅳラスティもスネイル立案のミッション内容を伝える際に「私の上官からお言葉がある、まあ聞いてみてくれ」と呆れた口調で言っている。また、自己顕示欲が強いのか、序列が上のフロイトを除いた他のヴェスパー部隊員に自分の事を「閣下」と呼ばせているようで、作中で何度か「スネイル閣下」もしくは「スネイル第二隊長閣下」と呼ばれている。
基本的に他者に対しては非情且つ冷徹に接する一方で乗機オープンフェイスは大半のパーツがアーキバス及びその関連企業の製品でまとめられ、精鋭であるヴェスパー部隊の品位を下げたと判断すれば隊長格であっても容赦なく更迭し、上層部の指示であれば内心非合理的と思いつつも完遂するなどアーキバスという"企業そのもの"に対する忠誠や愛着は非常に強い。
当然ながら他人からの評価は散々で、レッドガンのG1ミシガンから(序盤のミッションで621の実力を偉そうに評価したG4ヴォルタに対し「批評家は要らん」と言っていた事もあり)「ヴェスパーは批評家で務まる」と皮肉を言われ、G5イグアスからも、ヴェスパー上位で指揮権限を預けられてはいるもののやってる仕事は辺境の星ルビコンでのコーラル調査という内容を揶揄されてか木端役人なんてあだ名をつけられている。
ハンドラー・ウォルターとは依頼を取り付ける交渉の為に度々通信を行っているが、彼の連れている621が見下している旧世代型強化人間ということもあって駄犬とその飼い主と呼んで憚らず、そんな彼に対してウォルターも遠慮なく皮肉を述べたりと険悪。
大半の人物を見下し彼自身も周囲から煙たがられている一方で、部隊長としての職務を放り出していながら自身よりも序列が上のフロイトに関しては(直接的な描写こそないが)内心苦々しく思いつつもその実力に絶対の信頼を置いている様子。フロイトの方も指揮権があるスネイルの指示を無視して戦闘を続行するなど奔放ながらもスネイル主導の無人ACのテストに付き合っている事も示唆されており、決してスネイルの言う事を全く聞かないわけではない。
加えて、とあるミッションでこれまでの不満をぶちまけた際も一番スネイルに迷惑をかけているはずのフロイトには一切不満を述べておらず、そもそもスネイルがまともに名前で呼ぶ相手はフロイトだけだったりする。
乗機「オープンフェイス」
彼が駆るのは重量二脚型AC「オープンフェイス」(OPEN FAITH)。
エンブレムは顔だがFACEではなく「信仰」などを意味する「FAITH」の方である。
アーキバス先進開発局が製造した重量二脚型パーツをフルフレームで使用し、スタンガンと『VI』からの新型ブレード「レーザーランス」、そして対アイスワーム兵装「スタンニードルランチャー」を搭載した強制放電ダメージ特化仕様。
アセンブル
頭 | VE-44A | アーキバス先進開発局製重量頭。重装甲で各種防御性能に優れる。 |
---|---|---|
コア | VE-40A | アーキバス先進開発局製重量コア。ジェネレータ出力補正と各種防御性能が売り。 |
腕 | VE-46A | アーキバス先進開発局製重量腕。反動制御と防御を重視。 |
脚 | VE-42A | アーキバス先進開発局製重量二脚。圧倒的なAPと耐EN防御、ホバー移動が特徴。 |
ブースター | BUERZEL/21D | シュナイダー製。アサルトブースト特化型。 |
FCS | VE-21B | アーキバス先進開発局製。中遠距離射撃戦を重視しつつミサイル向け性能も良好なモデル。 |
ジェネレータ | VE-20C | アーキバス先進開発局製。高いEN射撃武器適性を持つ重装機体向けジェネレータ |
コア拡張 | アサルトアーマー | 弾をかき消しつつ広範囲にダメージを与えることを目的としたアーマー。 |
右腕武器 | VP-66EG | アーキバス製のスタンガン。強制放電を誘発する兵装。接近戦で真価を発揮する。 |
---|---|---|
左腕武器 | VE-67LLA | アーキバス先進開発局製のレーザーランス。チャージにより多段ヒットの長距離突撃を繰り出す強力な近接武器。 |
右肩武器 | VE-60SNA | アーキバス先進開発局製のスタンニードルランチャー。連射が比較的効き、高い直撃補正と強制放電のダメージが売りの極めて強力な兵装。通称『ワーム砲』。 |
左肩武器 | Vvc-70VPM | VCPL製の垂直プラズマミサイル。垂直発射による高い命中率、広い攻撃範囲、良好な連続発射数を持つ優秀なプラズマミサイル。 |
最大の特徴は内装面も含めて大半のパーツがアーキバス及びその傘下の製品を使用している点。
ここまで徹底的にアーキバス製品を使用しているのはヴェスパー内でもホーキンス(と独立傭兵のシャルトルーズ)くらいであり、スネイルのアーキバスに対する思い入れの強さが良く分かる。
重量機らしく防御力・AP・姿勢安定性に優れ、特にEN属性に対する防御力は作中のACでもトップクラス。武装面は弾速の早いスタンガンで強制放電(相手を強制的にひるませ、固定ダメージを与える状態異常)を狙いつつ回避しにくい垂直プラズマミサイルで確実に相手のAPを削り、レーザーランスで距離を詰めながら火力も確保、動きを止めれば高い直撃補正を誇るスタンニードルランチャーで一気にダメージを稼いでくる。
更に重量機の弱点である機動力の低さはレーザーランスの突撃とアサルトブーストに特化したブースターを用いることで小回りを犠牲にしながらも克服しており、高い防御力に物を言わせた接近戦を主軸にしながら優れた兵装で全距離に対応し、アサルトアーマーによるカウンターも可能と中々完成度の高いアセンブルとなっている。
一方で内装面はややチグハグであり、ジェネレータのVE-20Cは高いEN射撃武器適正を持つものの武装が実弾系のスタンガンとニードルランチャー、EN属性だがジェネレータの補正が適用されないレーザーランスと垂直プラズマミサイルなので強みを活かし切れておらず、FCSのVE-21Bも中~遠距離戦向けなのでガンガン突撃していく戦法とは少々ミスマッチ。加えて重量機故に立体的な動きは苦手としており、レーザーランスとニードルランチャーを警戒しながら足を止めない立ち回りを意識すれば大半の攻撃を躱すことができる。
とは言え耐久力の高さと各武装の火力は決して侮れるものではなく、特にミッション「集積コーラル到達(ALT)」では乱入してくるもう一機に気を取られているとレーザーランスとニードルランチャーの手痛い横槍が入ってくるので油断は禁物。
ちなみにアイスワーム戦に参加した際には、右腕武器に双身式レーザーライフル、右肩武器に拡散レーザーキャノンを装備している。
これが本来のアセンブルとした場合、アサルトブーストとレーザーランスで迅速に距離を詰め、高い防御力と安定性で近距離に居座りながら高火力のレーザー兵器を叩き込んで削り勝つというコンセプトであったと思われ、これであればジェネレーターの性能を最大限引き出せる。
武装が変わっている点についてはスネイルの再手術癖から推測するとアイスワーム戦で有用性が実証されたので相性の良い武装と共に導入した、あるいはスタンガンの作中テキストも考慮するととある人物を捕獲する為に換装したと言った所だろうか。
ストーリーでの活躍
- 「壁越え」
初登場はチャプター1のミッション『壁越え』開始前の幕間のシーン。
最初は売り込みをかけてきたウォルターを高圧的な態度で一蹴したが、「フロイト以外に頼れる人材がいないのは不幸だな」と煽られたことがきっかけで最終的に621を雇うことを決めたようだ。
ブリーフィングでは「せいぜい犬死にしない様気を付ける事です」と嫌味な態度で締めくくるが、実の所最初から621を捨て駒にし、安全を確保してから後続の部隊が「壁」を制圧するつもりだったことが作戦成功後にV.Ⅳラスティより伝えられる。
しかしスネイルの思惑は外れ、「壁越え」の名声は621が手に入れる形となった。
ラスティ曰く、「これで上の連中(スネイルも含む)も君の名を覚えるだろう」とのことだったが……
- 「旧宇宙港襲撃」
「壁越え」から暫く経った後、チャプター3のミッション『旧宇宙港襲撃』開始前の幕間のシーンで再び登場。
621を売り込みに来たウォルターを相変わらず嫌味な態度で応対するが、惑星封鎖機構への急襲作戦に投入する戦力が不足している点を煽られて再び621を雇うことを決める。この際、既に実績を積んでいるにも拘らずまた621を駄犬呼ばわりしたため、ウォルターから駄犬呼ばわりを止めるように言われる。以降ウォルターの目がある所では駄犬呼びを止めて「独立傭兵レイヴン」と呼ぶようになった。
当該ミッションのブリーフィングでは惑星封鎖機構の2拠点への同時襲撃作戦を立案。
片方の拠点はラスティが襲撃し通信網を分断、増援要請を妨害しもう片方の拠点を621が襲撃する…というものだが、これまたミッション内容を通達したラスティより「通信網の分断は一時的な物で、621の方へ増援が向かうだろうから、自分の仕事が終わったら救援に行く」と伝えられる。
つまりスネイルはまたしても621を捨て駒にするつもりだったようだ。
最終的に強襲監や執行機体が増援としてやってくるが、ラスティが約束通り駆けつけたこともあり、621は辛くも生還を果たしたのだった。
- 「アイスワーム撃破」
惑星封鎖機構が投入したアイスワームに対抗するべく企業の垣根を超えた大規模作戦が行われることが決定し、そのブリーフィングに登場。
この作戦の総指揮官はミシガンであるにも拘らずブリーフィングを仕切ろうとするが、途中でG1ミシガンに話を遮られるなどコミカルなやり取りを見せた。その後は現場指揮官として前線へ出る事を申し出るが、その際も相変わらずの様子で「寄せ集めには統率が必要です」と語る。
作戦中でもいつもの慇懃無礼な態度を崩さないが、事前の交渉でアーキバス陣営の優勢がほぼ確実になったためか、あるいは企業や陣営の垣根を越えて行われる合同作戦という滅多にない状況故かチャティに雑談を振ったり、ラスティがアイスワームへの狙撃を成功させた際に「当然です この程度はやってもらわなくては」と褒めるような言動をするなど彼にしては珍しく上機嫌。
こちらがアイスワームの体力を一定数減らすとアイスワームは暴走を始め、大抵この辺りでスネイルの機体は限界を迎えて戦域から撤退する。
ちなみにここでスタンニードルランチャーを装備せずに出撃するとミシガンに怒られるが、意外にもスネイルからのコメントはない。呆れて物も言えなくなったか、あるいは621を雇ったのはベイラムだから自分の責任ではないということか。
- 「未踏領域探査」
アイスワームが撃破され、惑星封鎖機構が残した強制執行システムも停止したことでウォッチポイント・アルファの更なる調査が可能になったが、621が進行してきたルートを追跡している機体があるとしてその排除を依頼してくる。
これまでスネイルを介して出されてきた依頼を考慮すると露骨にきな臭い雰囲気が漂っているがとりあえず依頼を受け、ミールワームが蠢く洞窟を駆け抜け更なる深度を目指していく。後方から追跡してくる機体反応も徐々に強くなっていき…
「独断で突入した傭兵を始末しろ という話だったが」
「なるほど… 突出した個人は もはや不要ということか」
「そして あわよくば不穏分子も共倒れ… 上の連中の考えそうなことだ」
果たしてそこに現れたのはV.Ⅳラスティ。
彼にも独断で突入した傭兵を始末する指令が下っていたらしく、要するに本ミッションは目障りな621とラスティをぶつけ合わせ、あわよくばまとめて始末するための策略であった。
最終的に621が激闘を制し、中破したスティールヘイズはアサルトアーマーを目くらましにして撤退。
この結果にはウォルターや621も思う所があったのかラスティが撤退した(=生存している可能性がある)ことは伏せたらしく、アーキバスではラスティは未踏領域で死亡したという形で処理されたようだ。
余談
- スネイルがなぜ強化手術を受け続けていたのか、(いつものように)その理由が明かされることはなかったが、ヴェスパー最強のフロイトが「自己研鑽を積み重ねてきただけのただの人間」でしかないこと、そして「自分こそが企業(アーキバス)だ」と自負しながらもフロイトの次席に甘んじ続けていた自分に、何か思うところがあったのではないかとも言われる(それでもなおフロイトに勝てないという特大の尊厳破壊を喰らっているわけだが)。
- その性格から登場人物のみならずプレイヤーからも悪印象を持たれがちだが、上は奔放なバトルジャンキーのフロイトと結構無茶な要求もしてくるアーキバス上層部、下は色々と濃い部下たちに挟まれているためかその嫌味で高圧的な言動にもどことなく中間管理職らしい哀愁が漂っている。そのため思うように事を運べない彼の姿にほくそ笑む一方でその境遇に同情するプレイヤーも少なからず存在する。
- そのいかにも嫌味で神経質そうな声色からこれと言った立ち絵が無いにもかかわらず二次創作で彼が登場する場合は高確率で『金髪(銀髪)で細身の陰険オールバックメガネ』という姿で描かれがち。一部プレイヤー曰く「声がメガネを掛けている」、「魂がメガネ」らしい(なお日本語版声優の手塚ヒロミチ氏はメガネを掛けているので「声がメガネを掛けている」という意見はあながち間違いでもない)。
関連タグ
ACVI アーマード・コア(ロボット) アーキバス・コーポレーション
物語終盤での活躍
【警告】これより先、この男の未来が記載されているため閲覧に注意されたし
…まったく 企業を出し抜こうなど
身の程を弁えない駄犬には 教育が必要です
…それから
その飼い主にも
ミッション「集積コーラル到達」で621がアイビスシリーズを撃破した直後、不意撃ちでスタンニードルランチャーを撃ち込み捕獲。
ほぼ同時にウォルターも拉致した様であり、その後技研都市の下水道へ監禁した621へ「再教育」を施そうと企む。
ちなみにこの直前、V.ⅥメーテルリンクとG3五花海が技研の無人兵器や621と戦っており、メーテルリンクはスネイルに増援要請をしていたが、スネイルは無視して見殺しにしている。
これ以降はどのルートを辿るかでスネイルの運命が決まる。
ルート「レイヴンの火」
直接対決することはなく、「企業勢力迎撃」でのフロイトとの通信が最後の出番となる。
今まで高慢なれど用意周到なスネイルだったが、アーキバスの勝利を目前に気が大きくなったのか、もしくはフロイトが動いたからか、ザイレムと621を「些事」と言い切って部下に丸投げした。しかし封鎖機構から鹵獲した高性能機が悉く撃破され、「些事ではなかったのか……?」と動揺を見せる。
それでもまだフロイトがいると余裕をかますが、そのフロイトはザイレム破壊という命令を無視して621とのタイマンに熱中。
スネイルは本来の仕事をするよう指示するも、空返事だけでスルーされるというオチだった。
彼自身は地上で指揮を執っていたようで(相手は不明、解放戦線かベイラムの残党か?)、この時点でまだルビコンにいたのであればレイヴンの火に巻き込まれ死亡した可能性が高い。
ルート「ルビコンの解放者」
貴様は…!?
尻尾を巻いて逃げたものと思いましたが…駄犬がまだ歯向かうつもりですか
…どいつもこいつも身の程というものを弁えない
途方もない頭の悪さだ…!
ミッション「シンダー・カーラ排除」の道中で遭遇。
こちらではフロイトが動かなかったのか、自分がザイレムへの攻撃部隊を率いている。
撃墜する事も出来るが無視する事も出来る。
ああ… 貴方の再教育はもう諦めましたよ
上層部が間抜けなせいで 無駄なことに労力を払ったものです
あくまで噛みつくつもりか…?
…そう言えば旧世代型だったな 涎を垂らして獲物を追うしかできないわけだ
あなたの飼い主も…実に反抗的でしたよ
駄犬は駄犬らしく 惨めに遠吠えしていろ…!
当ミッションのスネイルは状況が切迫し始めているからか非常に苛立っており、戦闘時は普段以上にこちらを煽ってくる。
戦闘中の通信によると621の再教育はアーキバス上層部の命令だったようで、そんな命令を下した上層部を間抜け呼ばわりしている。
事実、621が技研都市から脱獄した際にもスネイルは即座に「抵抗が激しければ殺せ」と命じているので本人としてはさっさと621を始末したかったのだろう。また、ウォルターも再教育を受けさせられていた様であり「実に反抗的でしたよ」と語る。
上記の通り無視しても構わないことに加えリペアもキッチリ使ってくるので侮ってかかれる相手ではない。更に後に控えているカーラ及びチャティとの戦闘は本作でも難所にあたり、道中には補給シェルパもないためスネイルだけに構ってもいられない。だが、バトルログの対象である上に「集積コーラル到達」でウォルター共々スネイルに嵌められ、彼を捕捉したエアもそれとなく報復を勧めてくるのでそのままスネイルを抹殺しに向かった621も多かったのではないだろうか。
最新の「調整」を幾重にも重ねたこのスネイルに…
カビの生えた駄犬が歯向かうだと!?
最初こそ旧世代型の621に最新の強化手術を施し続けてきた自分が負けるはずがないと認識していたようだが、多くの経験を積み"ウォルターの猟犬"から自立した621はそれすらも覆して食らいつき、スネイルは徐々に追いつめられていく。
どこまでも鬱陶しい駄犬め…!
だがプランはまだある…二重三重にな…!
戦闘の末撃墜すると不穏な捨て台詞を吐きながら戦域から撤退し、彼との決着は一旦お預けとなる。
そしてその次のミッション「動力ブロック破壊」の最終局面で…
…独立傭兵レイヴン
駄犬というのは訂正しましょう
貴様は…
駆除すべき害獣だ!
アーキバスが鹵獲した惑星封鎖機構のバルテウスを改修し有人機とした機体『AAP07A アーキバス・バルテウス』に搭乗し、取るに足らない「駄犬」から最優先で排除するべき「害獣」へと認識を改めた621を駆除しにやってくる。
…このガラクタを落とすのはいいでしょう
苦心して吸い上げたコーラルです こんなもので焼かれては困る
地を這う猿どもを煽動したのも… まあいいでしょう
だが 貴様はこの私を… 企業を殺そうとした(ないものとして扱った)
害獣め 駆除以外の選択肢はない…!
どうやら直前の「シンダー・カーラ排除」で見下していた621に撃破されたことで大いにプライドを傷つけられた様子。
これまでのクールで慇懃な態度は消え失せ、企業の中核を担ってきた自身の矜持、そしてアーキバスの存続と繁栄を脅かす621にひたすら怒りと憎悪をぶつけてくる。
ちなみに、上記の台詞は「シンダー・カーラ排除」でスネイルを撃墜したかスルーしたかでセリフが変化し、前者の場合は殺されかけたこと後者の場合は無視されたことに激怒している。
ボスとしては時間経過で回復するPAとEN・爆発耐性による高い防御力、搭載した高出力のEN兵装をもって攻撃してくる強敵で、時折放ってくるレーザーキャノンが特に危険。
が、実は実弾属性の耐性が非常に低い。
スタッガー時のブーストキックでさえ十分なダメージソースになるレベルであり、この際なりふり構っていられないのなら、両肩にアイスワーム戦で支給されたスネイルも愛用のスタンニードルランチャー、両手に重い方のショットガンを積めば戦い易い。
どちらもパルス武器の様なPA特攻は付いていないがなまじ素の火力や衝撃力が高いので、ボコスカ撃ってればあっという間にPAを剥がしスタッガーさせた上で高火力を叩き出し、ついでに強制放電による追加ダメージ及び硬直と不憫になるくらいボコボコに出来てしまう。
極めて強力な兵装であるため、是非ともスネイルへ意趣返しをしてやろう。やはり移動が重くなりがちなのでレーザーキャノンは要警戒。
ただし、HPが半分を切るとかつて戦ったバルテウスと同様にアサルトアーマーを発動。
PAを再展開しつつ、以降はプラズマとレーザーの混ざった高出力のビームを振り回す攻撃が追加される。
この攻撃は慣れないうちは避け難く、威力も高いため乗り換えた二番煎じの改修機と思って油断すると手痛い反撃を受けるので注意。
裏切り者の第4隊長
頭の悪い上層部
そして何より火種を撒き散らすルビコンの害獣…
どいつもこいつも…この私を苛立たせる…!
死んで平伏しろ!
私こそが企業だ!!
そしてスネイルの方は改修を施した特務機体で挑んでいるにも拘らず報復を果たすどころかむしろ追い詰められつつあることでいよいよ余裕も無くなってきたのか、これまで抱いてきた周囲への不満をぶちまけながら「企業」を自称し始める。
これまでクールで慇懃無礼な姿勢を崩さなかったスネイルが感情に任せて言い放つこの台詞のインパクトは凄まじく、彼の狂乱ぶりと語感も相まってシリアスな笑いを誘う。
一方でアーキバスがここまで優位を形成できたのは(やり方は非道なれど)確かにスネイルの作戦に寄るところが大きく、そればかりかこの手のキャラには珍しく必要あれば自分も前線で戦っていた。それに加えて真面目に隊長職を務めてるとは言い難いV.Iフロイトに手を焼き、組織内部の不穏分子を警戒し、現場を分かっていない上層部との折衝もしていたとすれば、自分こそが企業(アーキバス)そのものだと言いたくなるのも分からなくはない(なお、ACシリーズにおいて「企業」は現実における国家に相当、あるいは匹敵する存在である)。
とは言え、笑ってばかりではプラズマレーザーで黒焦げにされるのでこのセリフが聞こえてきたらこれまで以上に気を引き締めよう。
そして激闘の果てにアーキバス・バルテウスは限界を迎え……
そんな…
私は…企業だぞ…!?
最後の…プランを…
ウ゛ア゛ア゛ア゛ア゛アアアアアアッッッッ!!!!!
最期まで企業を自称しながら尚も食い下がろうとするものの、散々蔑んだ獣の様な凄まじい断末魔と共に爆散するのだった。
序盤の強敵であるバルテウスにこれまで散々煮え湯を飲ませてきたスネイルが搭乗してくるという状況もあり、倒したときの気分は実に爽快である。
ちなみにこの断末魔は日本語版においてはテキスト上には表示されないもののそれが却って味を感じさせ、英語版ではではEAARGH!と字幕がついている。こっちも中々の絶叫である。
こうして本ルートにおける企業勢力との戦いは終わり、彼が最期に残した最後のプランとは次のミッションで相対する事となる…
ルート「賽は投げられた」
…2機とも落とされたようですが ここまでは織り込み済みです
ええ… 分かっていますとも そのための独立傭兵です
ミッション、「集積コーラル到達(ALT)」で621を不意撃ちする計画をオールマインドに伝えられ、直接スネイルの排除に向かうこととなる。
その道中にて、スネイルがメーテルリンクと五花海を助けなかったのはその計画のためと判明。
技研都市下水道最奥部で交戦となるがその際「…身体に聞くことにしましょう」とどこかで聴いた様なセリフを放つ。
しばらく戦闘を続けるとG5イグアスが乱入、イグアスに「木端役人」と呼ばれるがスネイルもイグアスのことを「狂犬」と呼ぶ。
馬鹿な…この私が そんな…!?
三つ巴の激戦の末、最終的にはイグアス共々621に撃墜され戦死。
他ルートの暗躍ぶりが嘘のような呆気ない最期となった。
このため、他のルートと比べて退場が早い。
この時のスネイルは少数の部下と潜伏していた上、通信妨害も相まって友軍による救援を受けることができず、結果として自分が策略の為に見捨てたメーテルリンクらと同じく誰にも助けて貰えずに技研都市の下水に沈むことになった。まさしく因果応報としか言いようがない末路である。
これによってスネイルが死亡したことに加え、オールマインドの工作によってアーキバス陣営は大混乱に陥るのだった。
ネタバレを含む余談
- 最終決戦で放った「私こそが企業だ!」という名(迷)ゼリフから、二次創作では「アーキバスの宣伝活動にも熱心で、アーキ坊やを偏愛している」というキャラ付けをされることがある。
- 過去作で聞いたことがあるような台詞をよく言う。
先述の「…身体に聞くことにしましょう」以外にも、
- 「そのためのV.Ⅰです」
- 「消えろ!害獣!」
- などなど。また、彼がプランに拘る性格であることや強烈な印象の断末魔を残すところは『フォーアンサー』に登場する彼に通ずる部分がある。
- 最期まで「狡猾な野心家」「神経質な実利主義者」という印象の彼だが、よくよくヴェスパーの面々を振り返るとバトルジャンキーで、リーダーの自覚に乏しいフロイト、気鋭のエースだが、ACのアセンブルに自社を含む大手企業製のパーツを使おうとせず、商売敵の飼い犬との交流に余念がなく、何より頭空力疑惑の連中の人材公募で登用されたラスティ、自分を崇拝している風だが土壇場で金をチラつかせ、あまつさえ自分を引き合いに出して命乞いをしたスウィンバーンなどACパイロットとしては一級だが企業戦士としては問題児だらけだったりする。もっともスネイルも人を呼び出しておいて待たせることがしょっちゅうあったためにV.Ⅴホーキンスが戦死する遠因となっているのでヴェスパー部隊は人間的にはどっこいどっこいなのだが。
- 頭に血が上って不平不満をぶちまけた際もヴェスパーの面々に対する文句は裏切者のラスティ以外は一切言っていないのは前述の通りで、スネイルは文句を言うほど彼らに不満はなかったと見る事も出来る。そんな部下達も必要とあらば捨て駒にするし、部隊の品位を下げれば教育センター送りにしたりもするのがスネイルなのだが。
- 「ルビコンの解放者」ルートでは度々「無能な(頭の悪い)上層部」と言ってることもあり、内心ではアーキバス上層部に対してかなり不満が溜まっていた様子。事実621を殺さずに再教育して味方に引き入れようとした結果、再教育センターを脱走されてカーラたちと合流されてしまったのはかなりの痛手であった。
- しかし、アーキバス上層部目線では、『封鎖機構やルビコニアン勢力、敵対企業による邪魔が入らずほぼ勝ち確』『戦力として優秀なのはこれまでの作戦で実証済み』『企業所属ではないので自陣営に取り込んでも他勢力との軋轢が少ない』という要素が揃っており、少し欲を出して621を味方に引き入れて戦力の増強を狙うこと自体はそこまでおかしい判断ではない。
- そもそも621の名声が高まるきっかけになった「壁越え」作戦を立案し以降もあえて無茶な作戦を立てて活躍の場を与えたのも、貴重な戦力を621にぶつけて結果的に削ったのもスネイルなので半ば自業自得である。
- ミッション「動力ブロック破壊」の終盤にて621を害獣呼ばわりしてくるスネイルだが、ルビコン3の住民であるルビコニアンたちにとっては星外からやってきて貴重な資源を食い荒らし、戦火をばらまく企業勢力こそ侵略的外来種=害獣であり、盛大なブーメラン発言となっている。
- 本作では一部のNPCには撃破報酬が設定されおり、スネイルの場合は「シンダー・カーラ排除」「集積コーラル到達(ALT)」のいずれも80,000cで実質ノーザーク二人分となる。ヴェスパー副長かつルビコンにおけるアーキバス陣営の実質的指揮官の割には額が少ない気もするが、「シンダー・カーラ排除」では撤退、「集積コーラル到達(ALT)」では戦死しているものの死亡が確認されていないようで安否不明状態となっている。その為正規の報酬が支払われなかったのかもしれない。