「調子に乗るなよ 野良犬」
概要
CV:土田大/英:グリフィン・バーン
ベイラム・インダストリーの専属AC部隊、レッドガンに所属するパイロットのひとりであり、ハンドラー・ウォルターがG1ミシガンを通して持ってきた依頼である「ダム襲撃作戦」に参加する僚機のパイロットとして登場する。ミシガン曰く「2名の役立たずの1人」。アリーナランクはDランクの第19位、エンブレムはクワガタムシ...の頭を運ぶアリ。
人物像
博徒時代に大きな賭けに負け、そのカタに第4世代強化手術の実験台となった。その後、悪友G4ヴォルタと共にミシガンに喧嘩を売って「顔面が変形するほどの返り討ちに遭い」「青少年の健全な育成のため」としてレッドガンにぶち込まれたらしい。 以来、ヴォルタと共にミシガンの元では7年ほど働いている。
ガラが非常に悪く、その言動はチンピラそのもの。
G13=C4-621を「野良犬」「木っ端」と見下すのはもちろん、ミシガンはじめ他の人物にも反抗的。ミッション終了後も621に負け惜しみのメッセージを送り付けるなど、煽り耐性は持ち合わせないようである。
ダムでの協働以降も嫌味な性格から主人公であるC4-621にたびたび絡んでくる。V.Ⅳラスティが本作における友人枠とするならば、イグアスは本作におけるライバル枠とも言えるキャラクターであろう。
活躍
レッドガン部隊の一員として621の前に現れた後、因縁のようなものが生まれる。
最初に顔を合わせる「ダム襲撃作戦」では、独立傭兵である621を「野良犬」と侮辱した……だけなら良いが、マウントを取るために重要な作戦である壁越えのことをペラペラ喋るという重大なコンプラ違反を犯し、ミシガンにどやされる。
依頼を達成した際はミッション終了後に憎まれ口を叩いた挙げ句、「レッドガンが壁越えを果たす」と豪語する負け惜しみのメッセージを621に送りつけた。
ところが、先の情報漏洩が原因か「壁越え」には参加させてもらえず、一方参加したヴォルタは戦死してしまう(ミッション「壁越え」においてヴォルタの機体の残骸と遺書と思しき最期のメッセージログが回収でき、そこにイグアスが参加していない事実が書かれている)。
にもかかわらず先んじて621は「壁越え」を果たしてしまった。
後に惑星封鎖機構がアイスワームを投入したことでベイラムとアーキバスは一時休戦し、合同作戦を決行。
作戦にアサインされたイグアスは「やってられるか」と発言するが、ミシガンによって即座に前線要員に抜擢されてしまう。
ベイラムに雇傭された621と共闘する形となり、621がアイスワームを撃破する瞬間を見届けた。
その後のパワーバランスは大きくアーキバス優勢に傾き、ベイラムは巻き返しを図るべく、集積コーラルがあると思われるウォッチポイント・アルファの調査作戦を開始。
しかし無謀な作戦により、多くの隊員が自律防衛兵器の餌食となってしまう。
イグアスは地下深くで孤立したところをアーキバスに雇われた621と遭遇し、戦いを挑む。
元々キレやすい性格のイグアスだが、このときは地下での過酷な戦いによりかなり精神的に追い詰められていた模様。
しかし敢え無く返り討ちに遭い、621は崩れ落ちるイグアスとヘッドブリンガーを尻目に深部へと進んでいった。
それ以降ストーリーには登場しないが、後のミッションでベイラムのMT隊員が「(イグアスは)負けが込んで逃げ出した」という発言をしているため、生還したもののレッドガンを脱走してしまったと思われる。
なお、ミシガンはイグアスを馬鹿にした隊員を「イグアスはお前の100倍強い!」と怒鳴りつけており、ミシガンからも一定の評価はされていたことがうかがえる。
そもそもミシガンが部下に浴びせる怒号は、全て部下を生き残らせるためであるのだが、イグアスがその親心を理解することはなかった。
2周目以降でとある選択をしていると、地中調査ではイグアスに代わって独立傭兵コールドコールが襲撃してくる。
「イグアスの坊やでは敵わないわけだ」「お前の機体を持ち帰って坊やに見せてやるつもりだったが」などの台詞から、イグアスが621の抹殺を依頼したと思われる。
この際コールドコールはかなりイグアスを気の毒がり、621に「たまには弱者の気持ちを慮ってやるんだな」とまで言っているので、イグアスの様子は相当悲惨だったようだ。
乗機「ヘッドブリンガー」
彼の乗機は中量二脚型AC「ヘッドブリンガー」(HEAD BRINGER)。
ベイラム製中量二脚「MELANDER」フレームのカスタマイズ版、「MELANDER C3」フレームをフル採用した機体。(予約特典のG13レイヴン機「テンダーフット」を除けば)彼以外にこのパーツを使っているパイロットはいないため、地味に専用機持ちということになる。
ちなみにテンダーフットとは対となるような塗装が施してある(テンダーフットは暗い紺色で右肩とコア右側が赤く、ヘッドブリンガーは明るい紺色で左肩とコア左側が赤い)。
アセンブル
フレーム
頭 | HD-012 MELANDER C3 | MELANDERシリーズのカスタムパーツ。原型パーツよりも装備負荷が微増しているが全体的な性能が向上している優秀な頭部。 |
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コア | BD-012 MELANDER C3 | MELANDERシリーズのカスタムパーツ。原型パーツよりジェネレーター関連補正が僅かに低下している代わりに重量が軽く、防御性能も強化してある逸品。 |
腕 | AR-012 MELANDER C3 | MELANDERシリーズのカスタムパーツ。原型パーツよりも積載上限が厳しくなり、反動制御も低下しているが、代わりに軽量化されており、各種武器適性も非常に優秀な数値となっている。低下した反動制御もセミオート武器と低反動武器を扱う分には問題無い数値であり、バランスも良い。 |
脚 | LG-012 MELANDER C3 | MELANDERシリーズのカスタムパーツ。原型パーツより軽量化され、各種跳躍性能も微強化されている。その反面防御性能が僅かに低下、積載上限は5000以上も低下し、中々厳しい数値となっているが、中量二脚に求められる最低限の積載は確保してある。 |
内装
ブースター | BST-G2/P04 | ファーロン・ダイナミクスの開発した第二世代型ブースター。レッドガンでは(タンク脚部のG4ヴォルタを除いた)全員が採用している。ありとあらゆる数値が優秀であり負荷も軽く重量を問わず搭載可能。欠点としては近接攻撃推力がやや低い所。レッドガン部隊には近接武器を装備した隊員はいないので気にならないが、プレイヤーが近接武器をメインで扱う場合は、近接攻撃推力の影響を受けないレーザーランス(もしくは元々踏み込まないとっつき)を使用するなど工夫を求められる。とはいえ及第点レベルの推力はある為、足を止めた相手にぶち込む分には問題ないだろう。 |
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FCS | FC-008 TALBOT | ベイラムの開発した強襲作戦向けのFCS。中距離補正そこそこ、ミサイル関連性能も拡充されたバランスの良い近距離戦向けのFCS。装備負荷がやや重いのが欠点。 |
ジェネレーター | DF-GN-06 MING-TANG | 大豊核心工業集団が開発した内燃型ジェネレーター。容量、補充性能、出力をそこそこバランス良く仕上げたジェネレーター。装備負荷も中量機に積むには十分であり、地に足をつけて戦う機体と相性が良い。ただしEN武器適性は低いため、主に実弾系や近接武器を主体としたアセンブルが求められる。 |
武装
右腕武器 | LR-036 CURTIS | ベイラムの開発した軽量リニアライフル。連射性良し、チャージショットの威力&衝撃良し、取り回し良し、弾速そこそこのバランスに優れたリニアライフル。本機のメインとなる火力源。 |
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左腕武器 | MG-014 LUDLOW | ベイラムの開発したマシンガン。低威力と侮るなかれ、100m以内で全弾ヒットした際のDPSはガトリングをも上回る威力であり、中々侮れない。優秀なサブウェポン。 |
右肩武器 | BML-G1/P20MLT-04 | プレイヤーの初期機体にも装備されているファーロン・ダイナミクスの軽量機向け小型4連装マルチロックミサイル。やや火力不足感はあるが、牽制から追撃まで何でもござれな優秀なミサイル。装備負荷が軽い所も嬉しいところ。 |
左肩武器 | SI-27: SU-R8 | タキガワ・ハーモニクスが開発した円形パルスシールド。イニシャルガードで防ぐよりも常に構え続けて防ぐ事に特化している。展開時の発熱が少なく、何度も展開する事が出来るため、クイックブーストを交えながら使用するのが得策。 |
マシンガンと軽量ミサイル、シールドを装備したオーソドックスな機体構成。
戦い方も、本人の性格とは真逆の慎重かつ堅実に常時シールドを展開し続ける、所謂「ガン盾」スタイルで、敵として相対すると意外なほどに手こずらされる。
シールドを展開していない時は左腕のマシンガンで牽制をしてきて、もたついてるとリニアライフルのチャージショットをぶち込んできたりとなかなか手強い。
機体の耐久性能自体は平凡な中量二脚なのと、シールドを常時展開する戦法を主流としているため手数が不足しがちなのが弱点。相手取る際は短期決戦で挑みたいところ。
特にあるミッションの分岐で相棒のヴォルタとの2vs1になる場面では、ヘッドブリンガーの火力不足をヴォルタのAC「キャノンヘッド」がカバーしていることもあってか、シールド持ち二脚ゆえの機動性としぶとさに苦しめられがち。
関連タグ
G4ヴォルタ:僚機その1。
G13レイヴン:僚機その2にしてライバル。
【警告】これより先、この男の未来が記載されているため閲覧に注意されたし
2周目以降、あるルートにおいて彼等はダム襲撃任務でルビコン解放戦線に懐柔されて裏切った621に背後から襲撃を掛けられ、任務を失敗する失態を犯してしまう。
それにより強い屈辱を受けた彼は他のルート以上に621を憎悪し敵視するようになる。
その屈辱感はヴォルタを失って以降加速度的に増していったらしく、レッドガンらしくないドーザーからの襲撃依頼すら請け負うほどに荒んでしまう。
イグアスはRaDの敵対組織「ジャンカー・コヨーテス」からの情報奪取援護依頼(こちらのミッションでいう「機密情報漏洩阻止」)によって621と衝突することになり、因縁の戦いが始まるが、そこに所属不明の謎の機体が乱入したことでなし崩し的に共闘することになる。
共闘後、イグアスと621は戦いを再開するが、返り討ちにされる形でこの時の戦いは終わる。
その際には「これで勝ったと思うんじゃねえぞ!」とこれまたどこぞのまぞくのような負け惜しみを残す。
この頃から、彼は強い耳鳴りを経験するようになる。
- ルート「賽は投げられた」
その後、V.Ⅳラスティ(もしくは621)が「レッドガン部隊迎撃」依頼を受けたことにより、ミシガン含むレッドガン部隊本隊が壊滅。
隊員の大部分が死亡したものの何らかの理由でイグアスは生き残っており、「集積コーラル到達[ALT]」において、621とV.Ⅱスネイルの交戦中に何者かの手引きで乱入し621に戦いを挑む。
しかしながら621にスネイル共々撃破され、最期は同じ世代の強化人間であるはずの自分と621の何が違うのだと吐き捨てながら死亡した。
物語の最終局面、オールマインドがコーラルリリース計画を実行しようと、宇宙空間にて621を待ち受けるが、そこには……
『よぅ…待ってたぜ、野良犬』
『てめぇを消すため…俺はこいつらの一部となった』
『今度こそ…死んでもらう』
何度も何度も自分を打ち倒し、自分の上に居続けた621を倒すためだけにオールマインドの一部となったイグアスがAC「マインドγ」を駆り、4体の取り巻きACと共に現れる。
『御託はどうでもいい…こいつを消せれば、俺はそれが全てだ…!』
『…イレギュラー。これで全て終わらせてやる』
しかし、621の激しい抵抗に機体が限界に近づき、新たな機体と2体のオールマインド・オービッ(シースパイダー亜種)を召喚するも、エアが宿った技研製無人AC「エコー」による621への支援を受けて劣勢となり、彼は更なる怒りを爆発させる。
「てめぇら…まとめて消えろ!」
621との決着に執着し、エアの邪魔はおろか、オールマインドとその取り巻きのオールマインド・オービットすらも嫌ったイグアス。
彼が発した干渉波によって、機体との同調を失ったエアが離脱。本来彼の味方であるオールマインドも通信から締め出されてしまう。
『イグアス…!? 何を…!』
イグアスは621を相手にタイマンの勝負を挑む。
「耳鳴りも…鬱陶しい声も消えた…」
「透明だ。気分がいい…」
「あとは…俺たちだけだ」
なおも621の上を行こうと足掻くイグアスは、怒りとも嫉妬ともつかぬ声を上げて621に襲い掛かる。
その様を見て、都合の良い手駒として彼を取り込んだ(つもりだった)オールマインドは呆然と呟く。
「取り込むべきではなかった……!」
「イレギュラー…!」
激戦を繰り広げながらイグアスは吠える。
「てめえはいつも…俺の上を行った」
「クソみてぇな旧世代型…」
「てめえと俺で…何が違った…?」
そして、最期の瞬間。半壊した機体で斬りかかるも直前で機体が爆発、制御不能に陥って万策尽き、今まで胸中に秘めていた本心を吐いて、イグアスは遂に息絶える。
「俺は、てめえが妬ましかった……」
「イラつくぜ…野良犬に…憧れたんだ……!!」
余談
- "G5イグアス"(ALLMINDではない)との最終戦において、実はヘッドブリンガーのアセンブルが一部オールマインド製パーツに置き換わっている。
この機体構成は「地中探査-深度2」でも「集積コーラル到達[ALT]」でも共通なので、興味のある621諸君はカメラ片手に殴りこんでみよう。
- ヘッドブリンガー、マインドγに乗っているときはシールドを展開しながらの引き撃ちで戦っていたイグアスだが、干渉波でエアやオールマインドを締め出した後は、打って変わってブレードでの近接戦闘を展開してくる。
もうじき消えることを悟って短期決戦を挑んできたのか、あるいは元々こちらの方が向いていたのかは不明だが、人が変わったように内心を吐露しながら斬りかかってくるイグアスに面喰った621もいるのでないだろうか。
関連タグ
C4-621 エア:お互いが手を取り合い、新たな道を切り拓いた者達。
オールマインド:手を取り合わず、自分の野望を成功させるべく利用した者。
イレギュラー:過去作主人公達の代名詞にして世界のバランスを一個人で揺るがす者を指す単語だが、今作においてイレギュラーと呼ばれるのは彼であり、一惑星内の話でしかないため後者の意味では使用されない。
????:過去作品のラスボス。元はACを駆る傭兵だったが自身も推し進める計画の果てに、兵器と一体化してプレイヤーを抹殺せんとした。
自信家だったり事ある毎に現れる主人公に(利害の一致による一時共闘はあるものの)敵対する所はよく似ており、『コーラルリリース』における上記台詞はまさに彼のオマージュとも言える。