「ウォルターの猟犬とやるのは初めてだ、退屈させてくれるなよ」
概要
CV:沖野晃司
アーキバス・コーポレーションの専属AC部隊「ヴェスパー」の首席隊長を務める人物。
アリーナランクは第1位(オールマインドは「特例上位ランカー」と呼んでいる)、今作のトップランカーである。
アイランド・フォーの動乱においては作戦成功率94.7%を記録し、RaD頭目のシンダー・カーラからも「企業陣営の筆頭、文句なしのエース」と評される程の稀代のエースパイロット。
周囲からはV.Ⅱスネイルのように再手術を重ね強化を繰り返していると思われているが、その実態はACを操縦する事を愉しみ、コツコツと努力と上達を積み上げ続けた「ただの人間」であるという。
しかしその実態はかなりの問題児。
首席隊長という立場ながらAC操縦と戦闘以外に興味を示さず、次席隊長のスネイルに作戦立案や指揮を丸投げし、本人は一兵士として戦場に赴く根っからの戦闘狂。後述の乗機からも分かる通り、恐らくは企業や自身の立場にも一切関心がないと思われる。
彼自身に対しての言葉ではないものの、作中のあるセリフを引用すれば「理由なき強さ」そのものであるといえよう。
乗機「ロックスミス」
彼が駆るのは中量二脚型AC「ロックスミス」(LOCKSMITH)。
エンブレムは鍵を手に乗せ掲げられた左腕。
機体名は鍵を持ったエンブレムと合わせ「鍵師」を意味している。
アーキバス所属のヴェスパー首席隊長という立場でありながら、自社製パーツは(傘下企業シュナイダー製を含め)4つしか使っていないのに対し、敵対企業であるベイラム製のパーツを5つも使っているという、独立傭兵のような混成機体となっている。
敵対企業のパーツを使う企業所属のACパイロットにはアーマード・コア4のベルリオーズという前例があるが、あちらは右肩武器だけなのに対して、こちらは文字通り機体の「顔」である頭部パーツや機体の根幹たる脚部パーツまでベイラム製である。
アセンブル
- フレーム
頭 | HD-011 MELANDER | ベイラム製中量頭。中量級の中ではEN負荷が軽め、それでいて耐久性能に優れる。 |
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コア | VP-40S | アーキバス製中量コア。能力バランスの良さが光る一品。 |
腕 | VP-46S | アーキバス製中量腕。突出した耐EN防御を誇る。 |
脚 | LG-011 MELANDER | ベイラム製中量二脚。シンプルで量産に向く手堅い性能。 |
- 内装
ブースター | FLUEGEL/21Z | シュナイダー製。高機動を売りとし長所/短所の突出がないバランス型。 |
---|---|---|
FCS | FC-006 ABBOT | ベイラム製。ミサイル関連の性能を捨て、近距離戦闘に特化したFCS。 |
ジェネレータ | VE-20A | アーキバス先進開発局製の還流型ジェネレータ。EN射撃武器適性が高めな軽量モデル。 |
コア拡張 | パルスアーマー | 機体に追従するパルス防壁を展開し、耐久限界か時間限界まで防御力を飛躍的に高める。 |
- 武装
右腕武器 | RF-024 TURNER | ベイラム製のアサルトライフル。重量・ENともにライフル系カテゴリで最も低負荷。プレイヤーの初期パーツの1つでもある。 |
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左腕武器 | Vvc-770LB | VCPL製のレーザーブレード。通常時は横に斬り払い、チャージすると2連回転斬りを繰り出す。 |
右肩武器 | SB-033M MORLEY | ベイラム製の散弾バズーカ。5発の炸裂弾を同時発射し、面制圧を行う。 |
左肩武器 | Vvc-700LD | VCPL製のレーザードローン。敵機に向かって飛んでいく6機のドローンを射出し、レーザーによる包囲攻撃を行う。チャージするとドローンが3機ずつ合体して2機の大きなドローンとなり、威力が上がる。 |
癖のないフレームに、じわじわとスタッガーゲージを蓄積できるアサルトライフルやレーザードローンで相手にプレッシャーをかけ、それを嫌って近づいてくる相手には攻撃範囲の広い拡散バズーカでスタッガーを取り、レーザーブレードの一撃で刈り取るという機体。
カーラによればレーザードローンを使いこなせるパイロットは殆どいないらしく、フロイトの技量の高さがうかがえる。
だが、近接武器とドローンにはジェネレーターのEN射撃武器適正が影響しないため、この機体構成だとVE-20Aの長所が事実上死んでいる。
それでもこの構成なら若干重くなるがより出力や容量のあるVP-20SやVP-20Cがあるはずなのだが...
なおこの機体、バージョン1.06現在アップデートのたびに毎回必ずどこかしらのパーツが強化されているという妙なことになっており、傭兵たちからはある種の風物詩扱いされている。
余談
アリーナでの紹介文に記された「ただの人間」という記述についてはやや解釈が分かれており、
- 「強化手術を一切受けていない真人間である」という説
- 「強化人間だが、スネイルのように何度も手術を受け直しているわけではない」という説
などがある。
前者は、他のヴェスパーのメンバーの紹介には軒並み強化人間である旨の記述があるが、フロイトにはそれがないこと、後者はヴェスパーが「強化人間部隊」と明言されていることなどがそれぞれ根拠となっているが、詳細なところは不明である。
ただし、二次創作では現状、前者の「真人間である」説が有力なようだ。
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ストーリーでの活躍
登場機会は少なく、ウォルターが壁越えに621を参加させるよう打診した際のスネイルとの会話で言及されている程度。
元々ラスティとフロイトがアサインされていたこの計画であったが、621を売り込んできたウォルターに対してスネイルが断った際、ルビコン解放戦線相手にヴェスパーの切り札を出すことを「他に頼れる人材がいないのか」と煽る材料にされている。
これに対しスネイルは「あなたの駄犬にフロイトの代わりが勤まるとでも?」と返したが、最終的には621を雇い、プレイヤーはフロイトの代役(実際は捨て駒としての扱いだが)として壁越えに臨むこととなる。
どうやらスネイルからも実力においては絶対的な評価を受けつつも、内心では苦々しく思われているようだ。
以下『ACVI』の重大なネタバレ注意
「安そうな方から片付けよう」
彼とロックスミスを拝めるのはアリーナを除いては本作の特定のルートの1つのミッション、企業勢力迎撃が唯一となる。
カーラ達オーバーシアーの作戦を阻止しようとするアーキバスの切り札として投入され、C4-621及びチャティ・スティックと交戦。まずチャティを一瞬で撃破、621との1対1の戦闘となる。
「ここは景色もいい…」
「このまま お前とやり合いたい そういう気分だ…」
チャティがAIである事を機体の挙動だけで見抜く驚異的な洞察力も見せ、621に対しては戦い方を「猟犬」に例え、自分が不利になっても「なるほど そういう動きもあるのか 面白いな」とまるでゲームを愉しむかのような態度を取る。
戦闘中にスネイルから621は無視してザイレムを制圧するよう念押しされるが、空返事だけで通信を切り「さて 続けようか」と完全にスルーして戦闘を続行する。
死闘の末己が撃破されても、脱出しようとすらせずに愛機の再起動を試み、戦いへの渇望を吐き出し散っていった。
「動け… ロックスミス…!」
「まだだ…! これからもっと 面白く…」
ちなみにこちらが敗北した場合は
「…終わりか」
「どうした?面白いのはこれからだろう、動けよ」
と、負けた相手に「動け」と言い放つ筋金入りのバトルジャンキーである。
さらなる余談
- 企業戦力のトップ、アリーナトップランカーとは思えぬその態度から、プレイヤー間では「『アーマード・コア』プレイヤーのメタファーではないか」との考察がなされている。
- というのも彼の任務成功率は、初代『アーマード・コア』で「レイヴン試験」を除く18ミッションをノーミスクリアし、続く「埠頭倉庫警備」で隠しパーツを取得するためわざとミッション失敗した場合の達成率と同じなのである(18/19=0.9473...)。
- 上述の通り、ジェネレーターの長所を活かせていないアセンブルに加え、衝撃力に優れた武器は拡散バズーカくらいしかなく(初期アサルトライフルもアップデートで強化されたがそこまで怖くない)、接近戦もそこまで積極的には仕掛けてこない。
- ヴェスパー隊の名前は芸術(花や文芸なども含む)由来とされている。他のメンバーは作品か作者の名前からそのまま取らているが、フロイトとスネイルは例外で、サルバドール・ダリの「フロイトの頭には脳ではなくカタツム((スネイル)が詰まっていた」という言葉が由来と考えられている。
- 英語版だとセリフが日本語版よりも過激になっている。
日本語版 | 英語版 |
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安そうな方から片付けよう | Let's get this trash out.(ゴミを片付けるとするか) |
無人ACだな そういう動きだ | AI-controlled AC. Always the same.(AI制御のACか。変わり映えしないつまらんヤツだ) |