この記事には『ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON』の重大なネタバレが含まれます。
『時が来…らファーロ…がエルカノ…技術を…供…る
それ…では隠し通さ…なければ』
――ラスティの暗号通信
『帥叔に報告を…!
ファーロンは技術支援に合意した
あの新型はこれで完成する…
ふたりが潰し合う結果になる前に
お伝えしなければ…!』
――解放戦線の伝令
「この新型で...終わらせる」
概要
「レイヴンの火」および「ルビコンの解放者」ルートにおいて、ラスティがC4-621との激戦の末に中破したオリジナルのスティールヘイズから乗り換えた機体。
前者ではコーラルを焼き払おうとする621を止める為、後者ではルビコン解放の為に戦う621に力を貸すべくそれぞれ投入される。
本機体はエルカノが星外企業のファーロン・ダイナミクスから技術供与を受けると同時に、同じく星外企業のシュナイダーの機体をリバースエンジニアリングして得られた技術も加えて開発した新型フレーム「ALBA」(アルバ)をフルフレームで採用した軽量二脚機。
異形感のあった無印スティールヘイズに比べ、より正統派の二脚機となった。ちなみに見た目の印象からまったく違う機体に見えるが、実は一部のカラーセットが無印スティールヘイズから引き継がれていたりする。
左肩に描かれたエンブレムはスティールヘイズの「口輪を嵌められた狼」から「口輪のない狼」に代わっており、彼がもはや企業に縛られていない事を意味する。
621との共倒れを図る形でアーキバスからは切り捨てられたため、この機体に乗って現れたラスティの名義からはV.Ⅳの肩書きがなくなっている。
ちなみにフレーム名"ALBA"はスペイン語で「夜明け」を、機体名「オルトゥス」(ORTUS)はラテン語で「夜明け」の他「上昇」「誕生」等を意味する。
ALBAフレーム一式は「カーマンライン突破」のクリア、スティールヘイズ・オルトゥスの機体データはアリーナのインテグレーションプログラムにて51−101 Rに勝利することでそれぞれ入手可能。
同フレームのデザインを手掛けたのはメカニックデザイナーの柳瀬敬之氏で、YouTubeの配信アーカイブでの実況プレイではエメラルドグリーンに塗装されたフレームを使用していた。
アセンブル
頭 | EL-PH-00 ALBA | エルカノがファーロン・ダイナミクスの技術提供を受けて開発した新型頭部パーツ。ファーロンの技術というと、ミサイルの誘導装置から転じて電装系辺りだろうか。APと防御性能が以前の機体と比べて飛躍的に上昇している。これまでは他頭部と比較してあまり強みのないパーツだったが、アップデートにより姿勢安定性と復元性能が向上したため、全ての数値がバランスよく一線級の性能になった。スキャンをこまめに使えるのも強み。 |
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コア | EL-PC-00 ALBA | エルカノがシュナイダー機体を解析し、技術を取り入れて開発した新型コアパーツ。2社の間の子とは思えないような優等生で、防御面とジェネレータ出力補正、供給補正に優れている。安定性とブースタ出力補正はそれなりだが、それぞれ頭部と脚部及びブースタで補えるか。 |
腕 | EL-PA-00 ALBA | エルカノがファーロン・ダイナミクスの技術提供を受けて開発した新型腕部パーツ。AC用フレームを作っていないファーロンからどんな技術を提供されたのかは謎。サイドブースタとかかな…性能的には射撃周りの補正に優れており、以前の機体と比べて防御面が平均化されているのが特徴。重量も軽いが腕部積載上限は低めで、高めのEN負荷と薄めの装甲が短所か。 |
脚 | EL-PL-00 ALBA | エルカノがシュナイダー機体を解析し、技術を取り入れて開発した新型脚部パーツ。逆脚のようなデザインと特性を持っていたNACHTREIHERと違い、正統派の二脚。こちらも腕部同様に防御面が平均化されており、一定の積載量も確保している。跳躍性能が初期脚並という地上機動性能の低さがネックだったが、アップデートで水平跳躍性能が向上したこととNACHTREIHER脚の下方修正により、相対的に利用価値は高くなった。 |
ブースター | BST-G2/P04 | ファーロン・ダイナミクス製。上昇推力とQB推力に優れている以外には特長を持たない事が特徴のブースタ。 |
FCS | FC-006 ABBOT | ベイラム製。近距離アシスト適性はピカイチだが、反面それ以外の性能が劣悪というピーキーな仕上がり。本機の兵装選択においては(技研パーツが使えないこともあって)これが唯一ベストな選択といえる。 |
ジェネレータ | AG-T-005 HOKUSHI | BAWS製(エルカノとの共同開発)。重量はあるが、出力に長ける。内装パーツでは唯一の続投。同型モデルを調達したか、旧機体から換装したのかもしれない。ENを使い切った後の回復性能は低いが、特にミッションで対峙した際の条件下ではこの短所を踏み倒してくる。 |
コア拡張 | ターミナルアーマー | APが1になった瞬間に自動発動する緊急時展開パルスアーマー。 |
右腕武器 | EL-PW-00 VIENTO | エルカノ製のセミオート式ニードルガン。盾持ちでも弾かれないという特徴を持ち、コンパクトながら数値以上の攻撃力と衝撃力がある。アップデートで下方修正を食らったこともあり、同型のハンドガンと比較して威力と衝撃力には劣るが、弾速と反動、命中精度では勝る。 |
左腕武器 | Vvc-774LS | VCPL製のレーザースライサー。武装では唯一続投。二周目後半でショップに並ぶ。こちらも同じパーツを調達したか、中破した旧乗機に残されていたものを回収したのかもしれない。 |
右肩武器 | EL-PW-01 TRUENO | エルカノの開発したニードルミサイル。爆発しない代わりに弾速がかなり速く、衝撃値も直撃時の補正値がかなり高い為、被弾するとかなりの速度で衝撃が蓄積してスタッガーが発生。ただし四脚・タンク以外では発射時に足が止まり、対CPU戦では超反応で避けられる事が多いため注意が必要。実弾属性なので跳弾も発生する。弾速が速く誘導する代わりに爆発しないキャノンと考えればわかりやすいか。 |
左肩武器 | BO-044 HUXLEY | ベイラム製の自機追従型オービット。実弾属性。軽い上にEN負荷も少なく、展開後は範囲内にいる敵を自動で迎撃してくれる為、近接等の専用モーション中でもちまちまダメージを稼いでくれる。しかも与える衝撃もバカにならない。実質マシンガンを肩に担いでいるようなもので、おまけに腕部の射撃補正の影響を受けない。 |
「衝撃値が高い武器でスタッガーを取って、近接武器で追撃する」という『コア理論』に忠実なコンセプトかつそれを更に突き詰めた機体構成は、スティールヘイズと比較してより接近戦志向な仕上がりとなっている。
特に衝撃値に優れるニードルガンとニードルミサイルをゼロ距離で当てられると尋常でない速度で衝撃ゲージが蓄積する。
そのままスタッガーに持ち込まれれば最後、否応なしにスライサーで切り刻まれてしまう。
アセンによってはそのまま爆発四散してしまう事もあり得るため注意が必要。
しかし、スタッガーを取る事を重視しすぎた結果、射撃武装の火力および継戦能力に関してはオリジナル版と比較しても劣っている点は否定できない。
多数の投入が前提であるMTを相手にするより、対AC戦や対大型兵器戦のような一対一の短期決戦で初めて真価を発揮するピーキーな機体であると言える(当機の解析を行ったエアもそう評している)。
しかも『コア理論』に忠実で近接武器を主火力としたこのアセンは、本機のフレームとは噛み合わないところもある。
特に腕パーツ「EL-PA-00 ALBA」は全腕パーツ中2位の射撃適性を誇り、当初は低かった反動制御もアップデートで補強された一方で、肝心の近接適性は全腕パーツ中ワースト4位とかなり低いため、最大のダメージソースとなるレーザースライサーの威力を引き出せない。尚、近接適性と射撃適性は旧スティールヘイズの腕パーツ「NACHTREIHER/46E」よりも低い。
また、脚部パーツ「EL-PL-00 ALBA」も水平跳躍性能の低さ(アップデートで多少マシになったが)からスタッガーを取った相手に詰め寄る際の瞬発力に欠け、ブースタ「BST-G2/P04」もどちらかといえば低燃費な万能タイプであり、そこまで近接戦闘に特化した性能は有していない。ジェネレータ「AG-T-005 HOKUSHI」はEN容量こそ多めだが、ENを使い切るとコア「EL-PC-00 ALBA」のEN供給補正があっても回復に時間を取られる。
オルトゥスの兵装構成は明確なコア理論型といえるが、ALBAフレーム自体は機動性に特化してEN負荷と装甲に不利がつくシュナイダーのNACHTREIHERやLAMMERGEIER、徹底した装甲の削減によりそれ以外の性能を高めたエルカノのFIRMEZAと比較すれば全体的にバランスの良いマイルドな性能になっている。
状況を鑑みた場合、元々主人公側と違ってあらゆる勢力のパーツを入手出来るわけではない上に、そもそも単騎で飛んできてギリギリ間に合うぐらいなので時間も足りていない。帰還したばかりの潜入スパイという立場からして盤石な支援を受けられていたかも怪しく、適したパーツの調達やパイロット自身による調整が間に合わなかった可能性もある(機体データが流出していることから、アセン構成自体は以前より決定している)。
どちらかといえば空中機動による射撃戦に向いたフレームなので、自分で使う場合はライフルの両手持ちで中遠距離から引き撃ち、または腕部をBASHOに変更してブレードで切り込むような構成をおすすめする。
余談
当ACに用いられている『ALBA』フレームは、ルビコンの地元企業であるエルカノによる新型フレーム……なのだが、説明にもある通り中立を保っていたはずのファーロン・ダイナミクスとアーキバス傘下のシュナイダーが当フレームの開発に関わっており、そこに加えて顧客を選ばず多くのMTを売り捌いていたBAWSがその売上の多くをエルカノに回して開発を援助していたようだ。
以上の事から分かる通り、当フレームは開発から資金援助まで『複数の企業がパーツの開発に関わっている』という、これまで『各企業が単独でパーツを製造している』ケースがほとんどだったACシリーズにはなかった極めて珍しい出自のフレームである。
また、左肩武器の実弾オービット『BO-044 HUXLEY』はベイラム製だが、制御部品にアーキバス系列企業の技術が入っているという、これまた曰く付きの代物である。
かのベイラムも一枚岩ではないという事なのだろうか。
なお、上記の「ファーロンが技術支援に合意した」というログが拾えるのは、アーキバスの戦力増強によって解放戦線が劣勢に追い込まれた時期である。
何故このような状況下で不利な側(正確にはその同盟企業)を支援したのかは不明だが、本作でファーロンとの繋がりが明示されている人物は一人しかおらず、タイミング的に彼の死が影響した可能性がある。
単に彼が古巣のファーロンへ睨みを利かせていたのか、もしくはファーロン側が彼に義理立てしていたのか……
V.IV ORTUS Ver.K
ラスティを演じた加瀬康之氏が、ACVIの配信実況プレイ終盤で使っていた機体。フレームはゲームで登場したオルトゥスと同じだが、内装や武装、カラーリングはオリジナルなっている。ミッションによって武装を変更する場合はあれど、スタッガーを取った時に光波ブレードで追い打ちをかける戦法を好むようだ。