夢工場ドキドキパニック
ゆめこうじょうどきどきぱにっく
説明
1987年7月10日発売
フジテレビが総力をかけて開催したイベント「夢工場」のタイアップとして発売されたディスクシステム専用ソフト。任天堂が開発を行っており、後のスーパーマリオUSAの原点となった作品でもある。
開発は任天堂で、プロデューサーの宮本茂を初めとして、初代マリオブラザーズを手がけたスタッフが制作を担当している。宮本氏のお気に入りの作品であり、本作をROM移植で再販したいという経緯で作られたのが、海外向けにプレイヤーキャラクターをマリオシリーズに差し替えた「SUPER MARIO BROS.2」で、後に日本に逆輸入されスーパーマリオUSAとなった。
ヘイホーやキャサリンなどといったマリオキャラはこのゲームから生まれた(プレイヤーキャラクターのイマジン家族の版権はフジテレビが保有している)。
値段は2600円。
この頃から「タイアップゲー=クソゲーが多い」というのはゲーマーの間で共通見解となっていたが、
当時発行のゲーム雑誌などに掲載されているレビューでは「ゲーム性が秀逸」
「4人のキャラで異なった攻略法になるため、1つのステージでも新鮮にプレイ出来る」
「なんでも持ち上げたり引っこ抜いて投げられるのが楽しい」などかなり高評価を受けている。
ストーリー
それは誰も知らない遠いところのお話。
ムウという幸せいっぱいの人たちが住むとても不思議な国、夢宇界。
ムウたちはドリームマシーンを発明して、いい夢をいっぱい作ることにした。
ところがある日、いたずらものの怪物マムーがやってきてドリームマシーンをいじってしまった。
夢の代わりに変なモンスターたちがでてきて大騒ぎ。それを見てマムーは大喜び。
彼を懲らしめなくてはと、みんなはマムーの嫌いな野菜を持ってドリームマシーンに押しかけた。
マムーはたくさんの野菜に押しつぶされて降参したのでした。
めでたしめでしたし。
・・・という話を読んでいた双子のピキとポキ。
しかし、二人が本の取り合いを始め、最後のマムーが降参したページを破ってしまった。
と、その瞬間、閃光とともに大きな手が現れ、二人を絵本の中に連れ去ってしまった。
悲鳴を聞いて駆けつけたイマジンくんたちが見たものは、ピキとポキとさらっていくマムーの姿。
イマジンくんたちは絵本の中に乗り込み、マムーのいる夢工場を目指すのであった。
システムの相違点
ゲーム内容はおおよそ『スーパーマリオUSA』と同じであるが、細部の仕様が異なる。
操作キャラクターは同じく4人だが、4人のキャラクター全員でマムーを倒す事で初めてエンディングに到達できる。
磁気ディスクを使用するため、キャラクターごとに進捗をセーブ可能になっている。
それ以外の細かいところでは、Bボタンでダッシュする事ができない、一部のステージの構造が異なる、
マムーの体力が低い(『スーパーマリオUSA』では6発野菜を投げ込む必要があるが、本作では4発)など。
ちなみに余談であるが、『スーパーマリオUSA』でもワールド7はそれまでと違い2面までしかない理由は
もともと本作の上記ストーリーで「マムーをやっつけた事が書かれている最後の1ページが破れてしまった」という設定だった名残だったりする。
キャラクター
イマジン
ターバンを巻き、赤いベストを羽織った少年。
『スーパーマリオUSA』で言うマリオと同じ性能で、ジャンプの高さは全キャラ中1番、物を持ち上げる速さは全キャラ中2番で物をかついだ状態では移動速度が低下する。
リーナ
イマジンのガールフレンド。イラストでは紫色のケープを被っているが、ゲーム上のグラフィックでは全体的にピンク色になっている。
『スーパーマリオUSA』で言うピーチ姫と同じ性能で、ジャンプ力は3番目、持ち上げる速さは全キャラ中最遅。物をかついだ状態の移動速度低下が大きい。
ただし、ジャンプボタンを押し続ける事でしばらく空中浮遊する事ができるため、他のキャラクターでは不可能なショートカットや安全な移動が可能。
ちなみに、一家の妹と勘違いしている人が多数。事典系のサイトでさえリーナを妹と書いてるところまである始末。
ママ
イマジンのママ。背が高く、紺色のフード付きマントを羽織っている。
『スーパーマリオUSA』で言うルイージと同等の性能で、ジャンプ力の高さはイマジンと同等だが、ふんわりとした挙動のスロージャンプとなっており、その影響で横方向への飛距離が全キャラ中一番長い。
物を持ち上げる速さは3番目で、物をかついだ状態では移動速度が低下する。
パパ
イマジンのパパ。ずんぐりむっくりした体型で、ヒゲを生やしている。
『スーパーマリオUSA』で言うキノピオと同じ性能で、ジャンプの高さは全キャラ中ワーストだが物を持ち上げる速さは最速で、物をかついだ状態でも移動速度低下のペナルティが無い力持ち。