概要
遊戯王OCGのブースターパック、『FORCE OF THE BREAKER』にて登場した効果モンスター。
カードテキスト
(1):このカードを手札から墓地へ捨てて発動できる。
デッキから「伝説の都 アトランティス」1枚を手札に加える。
解説
『FORCE OF THE BREAKER』に多数収録された、
「自身を手札から捨てる事でデッキから任意のフィールド魔法をサーチする」効果のカード。
本カードの場合、サーチできるのは「伝説の都 アトランティス」。
水属性モンスターのレベルを1つ下げる事ができる「伝説の都 アトランティス」をサーチできるため、
通常であればリリース(生贄)が必要なレベル5のモンスター
(「ギガ・ガガギゴ」や「ジェノサイドキングサーモン」)をレベル4扱いで召喚できる。
同カードの強化効果で攻撃力2200になり、余っても腐りにくい点も強み。
一方で、第6期以降になるとシンクロモンスター、エクシーズモンスター等の
モンスターのレベルが参照される効果・条件が飛躍的に増え、レベルが高い事が
必ずしもデメリットでなくなった為、水属性であれば問答無用で-1してしまう
アトランティスの使い所はやや難しくなった。それに伴い、水属性軸デッキを組むにしても
本カードとアトランティスを入れるかどうかは判断が問われる立ち位置になっている。
テキスト問題
本カードのテキストには実は重大な瑕疵があり、カードテキストに従って解釈した場合
「ルール上存在しないカードを参照している」という問題があった。
どういう事かというと、「伝説の都 アトランティス」のカードテキストには
「このカード名はルール上「海」として扱う。」という一文がある。
これにより、ルール上は「伝説の都 アトランティス」というカードは存在していない事になっていたのである。
題材が題材だけにウィットが効いていると言えば効いているのだが、
本カードのテキストでは存在しないカードをサーチしようとしている事になってしまう。
遊戯王OCGでは「元々のカード名が『○○』」という言い回しがあるが、
このテキストはあくまで後からカード名が書き換わった場合にしか対応しないため、
前述のようにルールレベルに食い込んで自身のカード名を「海」にしているアトランティスには対応できない。
結局、本カードに関しては特殊裁定として「伝説の都 アトランティス」を手札に加えて良いという事になっており、
再録が行われた際もエラッタによるテキスト修正などは行われていない。
ちなみに一部のゲーム作品ではテキストに忠実に処理を組んだ結果なのか、
このカードの効果によって「海」をサーチできるというバグがある事もある。
余談
上記の理由により、(ルール上)存在しない都の戦士を自称する変人としてネタ的な扱いをされる事が多い。
また、このカードの種族は戦士族ではなく水族のため「海の水」と呼ばれたりもする。
更なる悲劇
2021年には『「海」のカード名が記されたモンスター』を指定するサポートカードの「暗岩の海竜神」「魚群探知機」「潜海奇襲Ⅱ」が登場し、このカードは自然な流れで除け者にされてしまった。