概要
アードラシア帝国の東部と南部の国境を束ねるラインフェルト公爵家の当主。26歳。
第一皇女にして帝国元帥のリーゼロッテ・レークス・アードラーに十年以上にわたって求婚し続けており、彼以外にリーゼロッテに求婚する貴族はいない。
人物
丸い体型にアルノルトよりやや低めの青年で、アルノルトも内心で見た目で既に勝ち目がないとリーゼロッテとの結婚が無理だというのが第一印象だった。
しかし、彼の神髄はその人格と手腕にある。礼儀を忘れない姿勢でアルノルトも常に敬語で接する温和な貴族で、商いによって家を発展させてきたので政治的な視野も持ち合わせている。
リーゼロッテとの出会いは20年前に遡り、自分より年上で体格の大きい子供に武術大会で負けた折に泣きわめいて負け惜しみを叫んだところを叱責した一つ年下の少女がその対戦相手を負かした上に飛び入り参加で優勝。それが当時5歳のリーゼロッテで、その場で一目惚れして求婚する。
が、返事は『自分に相応しくなれば考えてやる』とその場で半ば玉砕。以来、方向性はずれたりするも彼女に相応しいと男になろうと才能がないながらも武術の腕や商売で己を磨き、成長して十年以上もの間求婚を続けており、手紙を送り続ける。尚、武術はアルノルト同様に全く駄目で、体格を指摘されて色々と食べて太るという珍妙な経緯で今の太った体型になった。しかし、その甲斐あって重量で叩き切るハルバードに限ればその太った体型を活かすことができ、並以上にこなせる程度にまで磨いている。
「リーゼロッテしか愛せない」と公言するその一途さには皇帝ヨハネスも半ば呆れると共に感心しており、リーゼロッテへの親心も込みで結婚を後押ししようとするほど。因みにリーゼロッテも彼の手紙だけは三通に一通は読んでおり、脈はある。そんな二人の関係は出会って間もない頃に抱いたアルノルトからは諦めない方もあしらい続ける方もどうかしていると思うほど。
このように、体型面ではトラウゴット・レークス・アードラー同様に難があるものの性格面では問題がない好青年で、欠点や敵を探す方が難しい。
家柄だけを見ても結婚相手に困らない彼が一途にリーゼロッテだけを愛するその姿はアルノルトにも影響を与え、後にレオナルトなら諦めるが、アルノルトがフィーネと結婚するのは我慢できないとアルノルトをフィーネと引き裂こうとするラウレンツ・フォン・ヴァイトリング侯爵を盟主にする「白鴎連合」には呆れると同時にフィーネの気持ちなど考えようとせず、彼女の付加価値しか見ない若い貴族達の幼稚で身勝手な発想に憤慨した。もっとも、これは皇帝も比較対象が一途すぎるという一定の擁護はしているが、やはりアルノルトの側近のセバスチャンでさえ「ラインフェルト公爵の爪の垢を煎じて飲むべし」と断じているように彼の一途さを知る者は概ね同意見だった。
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